最終的なディレクトリ構成は以下のようになります。
#ディレクトリ構成
kyopro/
├ a.out
├ main.cpp
└ main.py
はじめに
ここでは、競技プログラミング初心者がローカルでコードを実行するための最低限の環境構築を行うことを目的としています。
本記事では、Windows 11 + WSL2 環境を前提として説明を進めます。
使用する統合開発環境(IDE)は Visual Studio Code(VSCode) です。
なお、VSCodeやWSL2、Ubuntuのインストールについては、以下の動画(~4:40)を参照してください。
えびまラボ「競技プログラミングの環境構築 [VSCode+WSL+AtCoder Library]【ゆっくり解説】」
https://www.youtube.com/watch?v=uhnASau7fB4
C/C++のコンパイラ導入
Ubuntuを起動して、以下のコードを実行します。
sudo apt update
sudo apt upgrade
sudo apt install build-essential
コンパイラのバージョンを競技プログラミングに適したものにします。
sudo apt install gcc-12
sudo apt install g++-12
sudo update-alternatives --install /usr/bin/gcc gcc /usr/bin/gcc-12 12
sudo update-alternatives --install /usr/bin/g++ g++ /usr/bin/g++-12 12
これでインストールは完了です。
python導入
Ubuntuは最初からPythonがインストールされており、そのまま利用可能です。
pythonがお使いのPCにインストールされているかを確認するには以下のコードを実行してください。
python3 -V
バージョンが表示されたら、正しくインストールできています。
もしインストールされていないなら以下のコードを実行してください。
sudo apt install python3
VSCode側の設定
まずLinuxターミナル上で以下のコードを実行します。
sudo apt update
sudo apt install wget ca-certificates
-
これは何?
wget (Web サーバーからコンテンツを取得するため) と、
ca-certificates (SSL ベースのアプリケーションで SSL 接続の信頼性を確認するのを許可するため) を追加しています。
拡張機能をインストールする
VSCodeの日本語化がまだの方・拡張機能のインストール方法
日本語化ができている場合は読み飛ばしてください。
左側のサイドバーにある拡張機能アイコン (四角形が並んだマーク) をクリックします。
左上に表示された検索ボックスにJapaneseと入力し、Japanese Language Pack for Visual Studio Codeを選択、インストールする。
インストールが完了したら再起動を行います。完了後に画面右下に「Change Language and Restart」と表示されるのでクリックしてください。
表示されなかった場合は、ショートカット Ctrl +Shift +P
でコマンドパレットを開き
「Configurate Display Language」を入力・選択、言語一覧が表示されるので「日本語(ja)」を選択し、VSCodeを再起動すると、日本語化ができます。
WSL・C/C++拡張機能
次に、拡張機能「WSL」「C/C++ Extension Pack」をインストールします。
-
WSL
WSLをインストールしたのち、VSCodeを再起動します。VSCodeの左下に
WSL: Ubuntu
などと表示されていたらWSLとの接続は完了です。 -
C/C++ Extension Pack
この拡張パックにはC/C++が内包されています。
任意のディレクトリを作成する
ここでは例として、~/kyopro
ディレクトリを作成します。
このディレクトリには、ライブラリや実行するコードを配置していくことになります。作成する場所や名前は自由に変更して構いません。ご自身の使いやすい構成で設定してください。
以下、~/kyopro
は作成したディレクトリに適宜書き換えて実行してください。
mkdir ~/kyopro
cd ~/kyopro
次のコマンドを実行すると、~/kyopro
ディレクトリを Visual Studio Code で開くことができます。
code ~/kyopro
これにより、kyopro
フォルダが VSCode のワークスペースとして開かれ、ライブラリやソースコードの編集をすぐに始めることができます。
テストコードの実行
ここまでで、pythonとC++を動かすための最低限の設定ができていると思います。確認のため~/kyopro
直下に py もしくは cppファイルを作成し、実行してみましょう。コードはコピペで構いません。Hello,(使っている言語)
が表示されたら環境構築は完了です。
python
touch a.py
#main.py
print("Hello, Python!")
python a.py
C++
touch a.cpp
//a.cpp
#include <bits/stdc++.h>
using namespace std;
int main{
cout << "Hello, C++!" << endl;
return 0
}
C++では、ソースコードをコンパイルして実行可能ファイルを生成し、それを実行する必要があります。
g++ a.cpp #コンパイル
./a.out #実行