Azure × Databricks
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ACL vs RBACの違いを実務的に理解
Databricks × ADLS Gen2 の構成で最も多いトラブルは「権限関連」です。
“RBAC を付けたのにアクセスできない”
“Permission Denied が出る理由がわからない”
“Unity Catalog で SELECT 権限を付けたのに読み込めない”
これらが起きる理由は RBAC・ACL・Unity Catalog の役割が違うからです。
Databricksのアクセス構造は「三層モデル」になっており、RBAC だけでは不十分、ACL だけでも動かない、Unity Catalog だけでは制御できない領域があります。
この違いを理解することは、レイクハウス運用の最重要ポイントです。
1. 🔐 RBACの本質:Storage Accountに入る前の“入館証”
RBAC(Role-Based Access Control)は、Azure のリソース管理の中心であり、「そのリソースにアクセスできるかどうか」を決める入口の仕組みです。
RBACとは何か?
- Azure Portal やアプリ(Databricks PMI)が Storage Account を操作できるか?
- Container/Directory/File に到達する前の最初のチェックポイント
- “Storage Blob Data Contributor” を付けるかどうかが最重要
RBACでできること
- Storage Account 全体へのアクセス権限付与
- Container 作成・削除、Properties の操作
- SAS トークンの操作など上位レベルの管理操作
RBACだけではできないこと
- ディレクトリの中身を読む
- Deltaファイルに書き込む
- ACLで拒否されている場所にアクセスする
つまり RBAC は「Storage に入るための入館証」であり、実データ操作とは別物です。
まとめると、RBACは「Storageという建物に入る」ための権限です。
2. 📂 ACLの本質:データそのものを触る“実務権限”
ACL(Access Control List)は、ADLS Gen2 の階層型ファイルシステムに備わる、フォルダ/ファイル単位の詳細なアクセス制御機能です。
ACLとは何か?
- Directory や File を“触れるかどうか”
- POSIX 権限ベース(rwx)
- Delta Lake を扱ううえで欠かせない
ACL は実データの鍵です。
RBAC を付けていても ACL が拒否していたら Permission Denied になります。
ACLが必要な理由
Databricksで扱う Delta Lake は
「1テーブル=1フォルダ+複数ファイル」
という構造を持ちます。
そのフォルダに ACL がないと、
- SELECT
- INSERT
- MERGE
- OPTIMIZE
いずれもエラーになります。
RBAC vs ACL の関係
- RBAC は上位の建物(Storage Account)の権限
- ACL は部屋(Directory / File)の権限
- 両方揃って初めてデータが触れる
まとめると、ACLはデータレベルの“細粒度の許可証”です。
3. 🚀 RBAC × ACL × Unity Catalog:三層で理解するとエラーが消える
Databricks では、RBAC・ACL・Unity Catalog の三層でデータアクセスが構成されます。
どれか1つが欠けても動作は失敗します。
🔹 RBAC(Azure側)
Storage に入るための入館証
Storage Blob Data Contributor
🔹 ACL(物理層)
Directory / File を読む・書く実務権限
rwx の付与(フォルダ/ファイル)
🔹 Unity Catalog(論理層)
SQL の権限(SELECT / INSERT / MODIFY など)
GRANT SELECT ON TABLE ...
GRANT MODIFY ON TABLE ...
PMI(Private Managed Identity)が三層を貫く
Databricksクラスターが Storage にアクセスする際の“主体”は PMI です。
PMI に必要なのは:
- RBAC → Storage Blob Data Contributor
- ACL → r-x or rwx
- Unity Catalog → SELECT / MODIFY
これらが揃わないと、クラスターはデータを操作できません。
よくあるトラブル
- RBACだけ付けてACLを忘れる(Permission Denied)
- ACLはOKだがUnity Catalog権限がなくSELECTできない
- Storage Credential に紐づくIDが誤っている
- External Location 作成前に RBAC が足りない
すべて「三層モデルのどこか」が欠けているだけです。
まとめると、Databricksの権限トラブルは“三層のどこが欠けているか”を確認するだけで解決できます。
🏁 最後はまとめ:ACLとRBACの違いを理解するとDatabricksアクセスが劇的に安定する
本質は以下の通りです。
- RBAC=Storageという建物に入る資格
- ACL=部屋(Directory/File)を操作する実務権限
- Unity Catalog=論理的にテーブルを操作する権限
- PMI=三層権限を横断する主体
ADLS Gen2 と Databricks の組み合わせでは、この三層モデルを理解するだけで、アクセスエラーの90%は防げます。
レイクハウスの物理層を理解することが、Databricksを正しく使うための第一歩です。
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