📚 関連書籍
※この記事は書籍の一部をベースに再構成しています。もう少し踏み込んだ内容(設計や具体例)は書籍の中でまとめているので、気になる方はそちらもどうぞ。
『ゼロから触ってわかった!Microsoft Fabric実務入門 データ統合・分析・BI・AI活用の全体像 』
Fabricの構成要素~Fabricは階層で理解すると分かりやすい
Microsoft Fabricを理解するときは、最初に構成要素の関係を押さえておくと分かりやすくなります。
Fabricには、Tenant、Capacity、Workspace、Item、OneLakeといった重要な概念があります。これらは個別に覚えるよりも、階層や役割の違いで整理すると理解しやすくなります。
大まかにいうと、Tenantは組織全体の単位、Capacityは処理能力や課金に関係する単位、Workspaceは作業場所、ItemはWorkspace内に作成される成果物、OneLakeはデータを置く共通の場所です。
つまり、Fabricは「組織全体の環境の中に、処理能力の単位があり、その上に作業領域があり、そこにさまざまな成果物を作成し、データはOneLakeを中心に管理する」と考えると整理しやすくなります。
Tenant:組織全体の単位
Tenantは、Microsoftクラウドにおける組織全体の管理単位です。
Microsoft 365やAzure、Power BIを利用している企業では、ユーザー、グループ、認証、管理設定などがTenant単位で扱われます。FabricもこのMicrosoftのクラウド基盤の上で利用するため、TenantはFabric全体を管理する大きな枠組みになります。
たとえば、どのユーザーがFabricを利用できるのか、どの機能を有効にするのか、組織としてどのような管理ルールを適用するのか、といった設定はTenant全体に関係します。
Fabricをビルにたとえるなら、Tenantは会社が入っている建物全体のようなものです。建物全体の管理ルールがあり、その中に部署や作業部屋が存在するイメージです。
Capacity:処理能力と課金に関係する単位
Capacityは、Fabricで処理を実行するためのリソース単位です。
Fabricでは、データを取り込む、Notebookを実行する、WarehouseでSQLを実行する、Power BIレポートを利用する、といった処理に計算リソースが必要です。この処理能力を提供する単位がCapacityです。
Capacityは、性能や利用量、課金と関係します。どの程度の処理能力を持つCapacityを使うかによって、同時実行できる処理や処理速度、利用コストに影響します。
また、WorkspaceはCapacityに割り当てて利用します。つまり、作業場所であるWorkspaceは、どこかのCapacityのリソースを使って動くと考えると分かりやすいです。
ビルの例でいえば、Capacityは電力や作業設備のようなものです。どれだけ大きな作業ができるか、どれだけ同時に処理できるかを支える基盤です。
Workspace:成果物をまとめる作業領域
Workspaceは、Fabricで作業を行うための領域です。
Workspaceの中には、Lakehouse、Warehouse、Pipeline、Notebook、Semantic model、Reportなど、さまざまなItemを作成します。チームやプロジェクトごとにWorkspaceを分けることで、成果物や権限を整理しやすくなります。
たとえば、営業分析用のWorkspace、経理分析用のWorkspace、検証用のWorkspace、本番用のWorkspaceといった形で分けることができます。
Workspaceは、単なるフォルダではありません。共同作業、権限管理、Capacityへの割り当て、成果物の管理を行う重要な単位です。
ビルの例でいえば、Workspaceは部署ごとの作業部屋です。部屋ごとにメンバーがいて、その中で必要な成果物を作成します。
Item:Workspace内に作成される成果物
Itemは、Workspaceの中に作成される具体的な成果物です。
Fabricでは、Lakehouse、Warehouse、Data Pipeline、Dataflow、Notebook、KQL Database、Semantic model、Power BI ReportなどがItemとして扱われます。
実務でFabricを使うとき、ユーザーが直接作成・編集する対象の多くはItemです。たとえば、データを保存するLakehouseを作る、SQL分析用にWarehouseを作る、データ取り込み用のPipelineを作る、可視化用のReportを作る、というように作業します。
Itemは、Fabricにおける実際の作業成果物です。Workspaceが作業部屋だとすれば、Itemはその部屋の中に置かれた机、資料、道具、成果物のようなものです。
OneLake:Fabric共通のデータ置き場
OneLakeは、Fabricにおける共通のデータレイクです。
Fabricでは、LakehouseやWarehouseなどの各Itemがデータを扱いますが、その土台としてOneLakeがあります。OneLakeは、組織全体で利用する単一の論理データレイクとして位置づけられています。
従来のデータ基盤では、部門ごと、ツールごと、用途ごとにデータの置き場所が分かれがちでした。その結果、同じデータが複数の場所にコピーされ、どれが正しいデータなのか分かりにくくなることがありました。
Fabricでは、OneLakeを中心にデータを管理することで、データの分断を減らし、複数のワークロードから同じデータを利用しやすくすることを目指しています。
5つの構成要素の関係
ここまでをまとめると、Fabricの構成要素は次のように整理できます。
Tenantは、組織全体の管理単位です。
Capacityは、処理能力や課金に関係するリソース単位です。
Workspaceは、チームやプロジェクトで成果物を管理する作業領域です。
Itemは、Workspace内に作成される具体的な成果物です。
OneLakeは、Fabric全体でデータを置く共通の場所です。
この関係を理解しておくと、Fabricの画面や設定を見たときに迷いにくくなります。
たとえば、「このLakehouseはどこにあるのか」と聞かれた場合、それは特定のWorkspace内にあるItemです。「このWorkspaceは何のリソースで動いているのか」と聞かれた場合、それは割り当てられたCapacityを使っています。「データはどこに保存されているのか」と聞かれた場合、その中心にOneLakeがあります。
Fabricの全体アーキテクチャは、これらの構成要素が組み合わさって成り立っています。
📚 関連書籍
※この記事は書籍の一部をベースに再構成しています。もう少し踏み込んだ内容(設計や具体例)は書籍の中でまとめているので、気になる方はそちらもどうぞ。
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『ゼロから触ってわかった!Microsoft Fabric実務入門 データ統合・分析・BI・AI活用の全体像 』
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- PoC要件整理
- データ基盤の要件定義
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- AIワークフロー構築
- トラブルシュート
など、現場で直面しがちな課題を解決する知識としても活用できます。
