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pygameにおける動画再生方法(既存のウィンドウを使用する場合)

Last updated at Posted at 2023-01-29
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目次

1. はじめに
2. モジュールのダウンロード
3. サンプルプログラムの準備
4. 動画再生コードの追加
5. おわりに

1. はじめに

pygameにおいて動画を再生する方法を記載します。
劇中ムービーのように新規ウィンドウを開かずに既存のウィンドウで動画を再生することを想定しています。
pygameにはpygame.movieというモジュールがあり、動画と音を同期して流せますが、Windows環境では動作しません。

pygame.movie

このモジュールを用いないで動画を再生するには動画と音を別々で再生する必要があります。
音と別々の再生になるため、pygameにおいて動画再生はあまり向いていませんが自分なりにコードができたので公開します。
修正点等あればご指摘いただきたいです。

2. モジュールのダウンロード

Python版OpenCVとNumPyを使用するため、最初にインストールを行います。
OpenCVとは、Intelが開発したオープンソースの動画や画像を処理するライブラリです。
NumPyとは、ベクトル演算や行列演算で用いる多次元配列を取り扱うことができるライブラリです。
なお、pygameについてはダウンロード済みであることを想定しているためここでは記載しません。

インストール
pip install opencv-python
pip install numpy

3. サンプルプログラムの準備

下記のようなサンプルプログラムを用意しました。
動画再生コード組み込み前のコードです。
実行した場合は黒い画面の左上に「TEST」と表示されます。

動画再生コード組み込み前のコード
import pygame
import sys
from pygame.locals import *

# Pythonの基本処理
pygame.init()
# ゲーム画面の枠
surface =pygame.display.set_mode((800, 800))
# テスト表示用のフォント設定
test_font = pygame.font.Font(None, 100)

# -------------- メイン処理 --------------
def main():
    # ゲームの時間代わりになる変数
    count = 0
    ###### メイン繰り返し処理 ######
    while True:
        # 画面を黒く塗りつぶす
        surface.fill((0,0,0))
        # 左上にテストと表示する
        surface.blit(test_font.render("TEST", True, (255,255,255)), (50, 50))
        # 時間と共に増加していく変数
        count += 1
        # 描画更新処理
        pygame.display.update()
        #  終了処理
        for event in pygame.event.get():
            if event.type == QUIT:
                pygame.quit()
                sys.exit()

# メイン関数の呼び出し
if __name__ == "__main__":
    main()

4. 動画再生コードの追加

最初にimportするモジュールを3個追加します。

追加するモジュール
import cv2
import numpy as np
import time

次に、再生したい動画を用意し、読み込みます。
ここでは同一フォルダに「sample」という動画を用意した場合を想定します。
ご自身の環境に合わせて設定してください。

ゲームで使用する動画の読み込み
movie_sample = cv2.VideoCapture("sample.mp4")

上記を踏まえたうえで一定時間後に動画を画面に合わせたサイズにして再生するコードが下記になります。

一定時間後に動画を同一ウィンドウで再生するコード
import cv2
import numpy as np
import time
import pygame
import sys
from pygame.locals import *

# Pythonの基本処理
pygame.init()
# 全画面のサイズ
full_screen = (800, 800)
# ゲーム画面の枠
surface =pygame.display.set_mode((full_screen[0], full_screen[1]))
# テスト表示用のフォント設定
test_font = pygame.font.Font(None, 100)
# ゲームで使用する動画の読み込み
movie_sample = cv2.VideoCapture("sample.mp4")

# -------------- メイン処理 --------------
def main():
    # ゲームの時間代わりになる変数
    count = 0
    ###### メイン繰り返し処理 ######
    while True:
        # 画面を黒く塗りつぶす
        surface.fill((0,0,0))
        # 左上にテストと表示する
        surface.blit(test_font.render("TEST", True, (255,255,255)), (50, 50))
        # 時間と共に増加していく変数
        count += 1
        # 描画更新処理
        pygame.display.update()
        #  終了処理
        for event in pygame.event.get():
            if event.type == QUIT:
                pygame.quit()
                sys.exit()
        # countが1000になった場合に動画が再生される
        if count == 1000:
            # 動画の再生速度調整用変数、数字が大きくなればなるほど再生速度が速くなる
            fps_num = 8
            # 動画のプロパティを取得
            # 幅
            width = int(movie_sample.get(cv2.CAP_PROP_FRAME_WIDTH))
            # 高さ
            height = int(movie_sample.get(cv2.CAP_PROP_FRAME_HEIGHT))
            # フレーム数+ゲームスピード この数字が大きいほど映像再生スピードが早くなる
            fps = movie_sample.get(cv2.CAP_PROP_FPS) + fps_num
            # 画面サイズ変更用パラメーター
            # 高さ
            # 設定している画面サイズが動画サイズと異なる場合
            if full_screen[1] != height:
                # 高さのリサイズ設定
                y_resize = int(height * (full_screen[1] / height))
            # 動画サイズと画面サイズが等しい場合
            else:
                y_resize = 1
            # 幅
            # 設定している画面サイズが動画サイズと異なる場合
            if full_screen[0] != width:
                # 高さのリサイズ設定
                x_resize = int(width * (full_screen[0] / width))
            # 動画サイズと画面サイズが等しい場合
            else:
                x_resize = 1
            # 動画を途中で打ち切りたい場合に再生を中止するための変数
            flag = True
            while flag:
                # retとは:画像情報が格納されていたらretはTrueを返し、格納されていなかったらFalseを返す
                # frameとは動画の画像の一コマをnumpyの配列にしたもの
                ret, frame = movie_sample.read()
                # 何らかのエラー、もしくは動画が終了したらbreakする
                if not ret:
                    break
                # 動画のサイズを画面に合わせる
                frame = cv2.resize(frame, (x_resize, y_resize))
                # ムービーの画質調整
                frame = cv2.cvtColor(frame, cv2.COLOR_BGR2RGB)
                # numpy.rot90()を使うとNumPy配列ndarrayを90度間隔(90度、180度、270度)で回転できる。
                frame = np.rot90(frame, 3)
                # np.fliplr(frame)を使うとNumPy配列を鏡反転(水平反転)できる。
                frame = np.fliplr(frame)
                # 配列形式のデータをコピーし、Surfaceオブジェクトに変換します。
                # 配列が記録しているデータやフォーマットに最も適した状態のSurfaceオブジェクトを新規に作成します。
                # 任意の値の整数を保持した二次配列、もしくは三次配列を引数として設定できます。
                frame = pygame.surfarray.make_surface(frame)
                # 指定の位置に画像を描画します。
                surface.blit(frame, (0, 0))
                # 動画の表示速度を調整、ここで調整をしないと動画再生速度が高速になる。
                time.sleep(1 / fps)
                # スクリーンの一部分のみを更新します。
                # この命令はソフトウェア側での表示処理に最適化されています。
                pygame.display.update()
                # 動画再生中に何かしらのキーが押されたら再生終了
                for event in pygame.event.get():
                    if event.type == KEYDOWN:
                        # 再生終了
                        flag = False
            # 動画の再再生が可能なようにフレーム(fps)を0にしておく
            movie_sample.set(cv2.CAP_PROP_POS_FRAMES, 0)

# メイン関数の呼び出し
if __name__ == "__main__":
    main()

5. おわりに

movieとしては音と一緒に再生したいのですが、動画と音が別々の再生になるため同期することが難しいです。
下記の変数の値を調整することで、手動で音のタイミングと同期を図れますが、PCの性能や環境によって再生速度が変化するため長時間の動画の場合はほぼ確実に映像と音のずれが生じます。

動画の再生速度調整用変数、数字が大きくなればなるほど再生速度が速くなる
fps_num = 8

そのため、私は下記3点のいづれかの条件を満たす動画のみ使用しています。

動画使用推奨条件
1. 再生時間が5秒以下
2. 最初しか音が鳴らない
3. 同じ音が繰り返される

もっと良い方法があるのかもしれませんが、取り急ぎpygameで動画を再生したい方は参考にしてみてください。
宜しくお願い致します。

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