Gitbook は Markdown 形式で書かれた文書から HTML や PDF, EPUB, MOBI 形式の作成が行えるツールです。
ここでは Windows で環境を構築する方法を解説します。
Node.js のインストール
まず、Node.js が必要です。以下のサイトから LTS 版をダウンロードします。
ダウンロードしたファイルを実行してインストールします。
インストール先はデフォルトのままで構いません。
gitbook-cli のインストール
gitbook をコマンドで実行するために gitbook-cli
をインストールします。
コマンドプロンプトを開いて以下のコマンドを実行します。
npm install -g gitbook-cli
gitbook-cli 自体は gitbook を含んでいません。
gitbook の機能を使うときに自動でインストールされます。そこで適当なサブコマンドを実行してインストールします。
gitbook help
テストしてみる
サンプルとして以下の文書をビルドしてみます。
適当なフォルダを作成します。
git が使えるなら clone します。
git clone https://github.com/GitbookIO/javascript
git が使えない場合はリンク先から Clone or download > Download Zip
でダウンロードします。
パスを javascript に設定して以下のコマンドを実行します。
gitbook serve
ビルドが開始され Serving book on http://localhost:4000
と出たら成功です。
ブラウザで http://localhost:4000
を開いて確認してみます。
Mathjax を使う
gitbook のプラグインとして mathjax が使用できます。
新規にフォルダを作成して新しい文書を作成しましょう。
適当なフォルダを作成してパスを通し、以下のコマンドを実行します。
gitbook init
実行するといくつかのファイルが生成されます。そのまま gitbook serve
を実行して動作確認しておきます。
プラグインの追加
book.json
にプラグインを記述することができます。
gitbook init では作成されませんので、新規に作成します。
プラグインの指定は plugins
で行います。
mathjax を使う場合は以下のようになります。
{
"plugins":["mathjax"]
}
VisualStudio 2015 のインストール
mathjax を使うためにはビルド環境が必要です。
VisualStudio の最新版である 2015 を入れます。
上記のサイトから Community 版をダウンロードしてインストールします。
デフォルトのままでは必要なファイルがインストールされませんので、カスタムインストールします。
インストールの種類を選択するときに カスタム
を選択します。
プログラミング言語 > Visual C++ > Visual C++ 2015 用の共通ツール
にチェックを入れます。
それ以外はチェックをはずしても問題ありません。
インストール先はデフォルトのままで構いません。
インストールには時間がかかりますので、待ちましょう。
python 2.7.x のインストール
次に python が必要になります。python には 2.x 系と 3.x 系がありますが 2.x 系をインストールします。
以下のサイトから 2.7.x 系の最新版をダウンロードしてインストールします。
インストール先はデフォルトのままで構いません。
コマンドから python を実行するために環境変数にパスを登録する必要があります。
インストーラを使ってインストールする場合は Add python.exe to Path
を有効にしておきます。
mathjax をインストールする
これで準備が整ったので mathjax をインストールします。
book.json に書かれたプラグインをインストールする場合は以下のコマンドを実行します。
gitbook install
info: >> plugin "mathjax" installed with success
と表示されればインストール成功です。
もし次のようなエラーが出た場合:
C:\Program Files (x86)\MSBuild\Microsoft\VisualStudio\v12.0\CodeAnalysis\Microsoft.CodeAnalysis.targets(214,5): error MSB4175: タスク ファクトリ "CodeTaskFactory" を
アセンブリ ":\Program Files (x86)\MSBuild\v12.0\bin\Microsoft.Build.Tasks.v12.0.dll" から読み込めませんでした。
プロセスを開始するのに使用される環境ブロックの長さは、65,535 バイトを超えて指定することはできません。
ユーザーの環境ブロックの長さは 1860986 バイトです。環境変数のいくつかを削除して、もう一度実行してください。
"c:\book\node_modules\contextity\build\contextify.vcxproj"
...
Error: contextify@0.1.15 install: `node-gyp rebuild`
Exit status 1
問題となっている contextify を直接インストールします。
以下のコマンドを実行します。
npm install contextify
問題なくインストールされたら再度プラグインのインストールを試みます。
gitbook install
info: >> plugin "mathjax" installed with success
と表示されればインストール成功です。
あとは文書をビルドして確認してみます。
gitbook serve
PDF, epub, mobi 形式の作成
svgexport
PDF などで数式を文書に含めるには SVGexport
が必要です。
以下のコマンドを実行してインストールします。
npm install -g svgexport
ebook-convert
PDF などの文書を作成するには ebook-convert
が必要です。
以下のサイトから calibre
をダウンロードしてインストールします。
pdf, epub, mobi 形式の作成
それぞれ次のコマンドで作成することができます。
gitbook pdf
gitbook epub
gitbook mobi
プラグインのオプション指定
gitbook のプラグインのオプションは book.json
で指定できます。
例えば mathjax のオプションを指定する場合は次のようになります。
"plugins":["mathjax"],
"pluginsConfig":{
"mathjax":{
"forceSVG":true
}
}
最後に...
残念ながら Windows で mathjax を使った pdf を作成すると数式の解像度がひどいことになっており、使えません。
HTML 形式では問題ないので、html でデプロイする場合には問題ないと思います。
CentOS7 で pdf 出力した場合はぎりぎり許容できそうなレベルではありますが、それでもイマイチな出来です。
そのあたり改善されるか、または調整できるのであれば大変便利ですね。
また、gitbook でビルドすると綺麗ですので、こちらを使うのもありです。
専用のエディタもあるので、なかなか便利です。
Windowsでは数式を使わなければ問題ないので、文書作成環境として問題ないと思います。