はじめに:夢だった“自分だけの基板”を作ってみた
ずっと前から「いつかは自分で設計した基板を作ってみたい」と思っていました。
マイコンでLEDをチカチカさせるところから始めて、少しずつ電子工作にハマっていくうちに、ただブレッドボードに配線するだけでは物足りなくなってきて…。
「配線がごちゃごちゃすぎてよくわからん!」「いつの間にかジャンパワイヤが抜けてる!」
そんなあるあるに悩まされながら、思い切ってプリント基板(PCB)の世界に踏み込むことにしました。
今回私が作ったのはモータードライバ(Motor Driver, MD)。
マイコンと組み合わせてDCモーターを制御するための基板で、正転・逆転・PWM制御など、基本的な機能をひとまとめにしたものです。
なぜモータードライバに挑戦したの?
理由はシンプル。
「モーターをちゃんと制御できる回路を、自分で作って動かしてみたかったから」です。
ロボット工作に興味があったのもありますし、ただのLED点灯では味わえない“動きのある結果”を見たかったというのもあります。
設計編:KiCadと格闘した日々
設計にはオープンソースのPCB設計ソフトKiCadを使いました。
とはいえ、ほとんど初めて使うような状態だったので、先輩やネット記事を頼りに少しずつ進めていきました。
✍️ 設計の主な流れ:
回路図を描く
フットプリントを割り当てる
配線(PCBレイアウト)
GNDベタの処理に苦戦!
DRC(Design Rule Check)でエラーがないか確認
製造用ファイルの出力
特に悩んだのがパワーラインとGNDの処理。
先輩から「GNDは面で取れ!」「ビアを設けろ!」「電源ラインは太めに!」というアドバイスを受けて、配線の引き直しを何度もしました。
発注が簡単すぎて拍子抜け:JLCPCBが優しすぎた
設計が終わったら、次はいよいよ発注です。
私はJLCPCBを使いました。

やることはシンプル:
KiCadからガーバーデータ、部品表(BOMファイル)、座標ファイル(CPLファイル)を出力(なかなか大変)
ZIP形式にまとめてJLCPCBにアップロード
自動プレビューで見た目を確認
オプションを選んで発注!
もう拍子抜けするくらい簡単で分かりやすいUIなんです。
「初心者が不安になるポイント」を先回りしてフォローしてくれる感じ。プレビューも超便利で、「あ、これ自分の基板だ…!」ってニヤニヤしながら確認しました(笑)。
しかも、価格も衝撃的。
5枚で数ドルって…どういう仕組みなの!?(送料の方が高い)
私は部品もつけてもらいましたがそれでも安い。超安い。
届いた!開封と感動の瞬間
数日後、届いた封筒を手にした瞬間から、心臓がバクバク。
「えっ、これ本当に自分が作ったの!?」
というくらい、クオリティが高くてビックリ。
シルク印刷は文字がくっきり読みやすい
グリーンのはんだレジストは発色もバッチリでカッコいい
エッジのカットも滑らかで、手に持ったときのプロ感がすごい
組み立て:初めてのはんだづけでも大丈夫だった!
パーツを基板に載せて、人生初の「自分設計 → 自分実装」へ。

基板がしっかりしているから、パーツがズレずに安定してはんだ付けできました。
はんだのノリも良くて、「初心者だけど、なんかうまくなった気がする…!」と錯覚しそうなほど(笑)
感動の瞬間:モーターがちゃんと回った!
マイコンからPWM信号を送って、いざ通電。
………ウィーーーン。
動いた。しかもちゃんと。安定して。
滑らかに、しっかりと、力強く。
思わず「うおおおお!」って声出ました。
この瞬間の喜びは、たぶん一生忘れません。
初心者こそJLCPCBを使うべき理由
いろんな意味で、JLCPCBは初心者にとって最高のパートナーです。
安い:5枚で数ドル。学割かと思うレベル
早い:発注から数日で到着(海外なのに)
高品質:初心者の設計でも、しっかり“作品”に仕上がる
安心感:自動チェックやプレビューが手厚くてミスを防げる
今回のように、パワーラインやGNDがシビアな設計でも、正確で信頼性の高い基板が届いたのは本当にありがたかったです。
今後の目標
今回は比較的シンプルなモータードライバでしたが、次はセンサー回路の統合や、Bluetooth通信モジュールなどにも挑戦してみたい!
まとめ:JLCPCBは“電子工作の夢”を形にしてくれた
自分で設計した回路が、プロレベルの見た目と性能で手元に届く。
そして、それがちゃんと動く。
この感動を、もっと多くの人に味わってほしい。
だからこそ、私はこう言いたい:
初心者こそ、PCBに挑戦すべき。
そしてJLCPCBを使ってほしい。
電子工作がもっと楽しく、もっと自由になります。
JLCPCBさん、本当にありがとうございました!
