この記事は、 セゾンテクノロジー Advent Calendar 2025 の 11日目の記事です。シリーズ2では HULFT・DataSpider の開発メンバーによる投稿をお届けします🕊️
背景
「お客様への価値提供を最速かつタイムリーに届けられるようにしたい」
その実現に向けて、まずは開発サイクルを数値で可視化することを目的とし、
Findy Team+を導入することにしました。
サイクルタイム分析の改善
Findy Team+は、Four Keys の指標を可視化できます。私たちはパッケージ製品を開発していることもあり、変更のリードタイムに着目し、その改善を行ってきました。
- コミットからオープンまでの平均時間
- オープンからレビューまでの平均時間
- レビューからアプルーブまでの平均時間
- アプルーブからマージまでの平均時間
Four Keysとは?
Google 社の DevOps に関する調査チーム DORA(DevOps Research and Assessment)が提唱する開発組織のパフォーマンスを測る4つの指標です。
その結果
- レビュー負荷軽減のためPullRequestを小さく分割する
- レビュー待ちにならないようにお互いに声をかけあう
- 自分がボトルネックにならないように、いい意味での緊張感が生まれる
Four Keys だけでは測れないもの
Four Keys は有用な指標ですが、一方課題もあります。
- アクティビティ(活動量)は図れるが、チームの心理的安全性や満足度は測れない
- ソースコードに関する数値を上げることだけが目的になってしまう
- ソースコード以外のタスクについては計測することができない
ソースコードにおける指標を測るだけではなく、開発生産性を多面的に測る必要性を感じ、SPACE の観点も取り入れました。
SPACEとは?
「LeanとDevOpsの科学」の著者、Nicole Forsgren氏がGithub、ビクトリア大学、Microsoft Researchなどのチームと共に開発した、開発チームの生産性を測定するためのフレームワーク
SPACE の観点
SPACE は、以下の5つの観点でチームの生産性を捉えます。
- Satisfaction & Well-being / 満足度・幸せ度
- Performance / 成果、実績
- Activity / 活動量
- Commmunication & Collaboration / 協力・協業
- Efficeiency & Flow / 効率・集中
SPACE を用いて取り組んだこと
- Findy Team+を利用し、毎月、SPACEに関するアンケートを実施
- 前回と比較し大きくスコアが変動しているものがないか確認する
- 分析結果を共有し課題点について改善策を考える
その結果
- 開発者体験の向上
- 心理的安全性が担保され、チーム内コミニケーションが活発化
- 目の前の作業に集中し開発の「質」もアップ
最後に
今回の取り組みで、Four Keys と SPACE は、補完関係であり、両者を組み合わせることで、より効果的に開発生産性を向上させることができると考えています。
お客様への価値提供を最速かつタイムリーに届けるため、引き続き改善活動に取り組んで行きたいと思います。

