はじめに
今ものすごい盛り上がりを見せているAIエージェント開発。そこで必ずと言っていいほど聞くであろう Google Agent Development Kit(ADK) について、最近触れる機会が多かったので改めてまとめてみました。
「ADK気になるけどよくわかってない」「ADKで開発してみたい!!」と考えている方に向けて、ADKのことをお話ししようと思います。
そもそもADKって何?
さて、冒頭でADKについて話すと言いましたが、 ADK という単語を聞いたことがあるだけという感じの人からすると「ADKって結局何?」となってしまうでしょう。
Google Agent Development Kit(ADK)とは
Googleが2025年4月に発表した、AIエージェントを効率的に構築や管理・評価・デプロイするためのオープンソースフレームワークです。これを使うことでGoogleのGeminiやVertex AIを使用し比較的簡単にAIエージェントシステムを構築・デプロイすることが可能になります。
実際に使ってみての感想を早速お伝えすると、かーなーり楽に実装できて驚きました!
最初の環境の準備の部分などが楽すぎて「これでもういいの?」となるくらいに楽でした。後ほどお伝えします!
また言語もPythonとJavaが展開されていて、自分が慣れている方・理解している方で開発できるのも一つの魅力です。(Pythonの方が最も早くに提供がスタートされているので触りやすいのはこっちかも)
またBeta版としてGoでの開発もできるようなので、今後より選択肢が増えそうで楽しみですね!
ADKのすごいところ!
さっくりとADKについて説明したところで、ADKを使ってすごい!と感じたところをいくつかご紹介します!
その1_らくらく環境構築
1つ目はその環境構築の手軽さです!
先ほども少しお伝えしたように、本当に簡単に環境構築を行うことができます!
まず最初に作業用のフォルダを準備してその中に移動します。
mkdir adk_project
cd adk_project
そしてそのなかに仮想環境を作成します。(今回はPythonでの環境を想定しています)
python3 -m venv venv
次にADKのインストールを行います。
pip install google-adk
最後にAPIキーを設定します。
GOOGLE_API_KEY="YOUR_API_KEY"
これで完了です。
早くないですか?楽じゃないですか??
私自身、環境構築を行うときには「手順多いのかなぁ」「細かい設定しなきゃいけないかなぁ」なんて身構えてしまうのですが、そんな私の気持ちを笑うかのようなこの手軽さ!!
環境構築が億劫になってしまう同志には、ぜひ1度はこの驚きを実感して欲しいところです。
さらにその後のフォルダ構成、これも悩みますよね。
ですがそこも楽に作ってスムーズに開発に移ることができるんです!
adk create <AGENT_NAME>
これを打つだけ必要最小限のファイルを自動生成してくれるんです!
my_agent/
├── .env # 環境変数(APIキーなど)
├── __init__.py # Pythonパッケージ化のためのファイル
└── agent.py # エージェントのコアロジックを定義するファイル
内容としては上記のようなフォルダ構成を作成してくれるので、ここから開発を進めることができます。
ただ1つ気をつけることとすれば、あくまで 「必要最小限」 のフォルダ構成となっています。そのため今後機能やフローを追加したいときはtools/やflows/を自分で追加していく形になります。
その2_スムーズな開発
さぁ、環境が出来上がったので開発工程に入っていきます!
しかしマルチエージェントの開発って、なんだか複雑そうではありませんか?(私はエージェント開発が何かもピンときていなかったので避け難しく捉えていました。)
ですが、今皆さんが使おうとしているのはフレームワークです。
便利な機能やツールが準備されています!
例えば、エージェントの実行順序や並列処理を管理するための 「ワークフローエージェント」 が備わっています。
SequentialAgent:順番にタスクを実行
ParallelAgent:並列に処理を実行
LoopAgent:繰り返し処理を実行
このような仕組みによって、複雑なプロセスをシンプルな記述で設計できるようになっています!
また、「AgentTool」 という仕組みを使えば、他のエージェント自体をツールとして扱うことができ、タスクの分解と再統合が簡単に行うことができます。
その他にもさまざまな機能が備わっています。
ご自身が作るシステムに合わせた機能を選びながら作ってみてください!
その3_サクッとデプロイ
開発も終わり最後の工程です!
メインブランチを取り込み、Dockerやらコンテナやらあれやこれや.....大変ですよね???
しかしADKでは$ adk deploy cloud_runという便利なコマンドが用意されています!
今回はCloud Runへのデプロイを想定してお伝えします。
メインブランチを最新状態にした後、まずは環境変数を設定します。(Vertex AIを使用する場合もここでセットしておきます。)
# Set your Google Cloud Project ID
export GOOGLE_CLOUD_PROJECT="your-gcp-project-id"
# Set your desired Google Cloud Location
export GOOGLE_CLOUD_LOCATION="us-central1"
# Set the path to your agent code directory
export AGENT_PATH="./capital_agent"
# Set an application name (optional)
export APP_NAME="capital-agent-app"
そして先ほどの$ adk deploy cloud_runコマンドを実行します
adk deploy cloud_run \
--project=$GOOGLE_CLOUD_PROJECT \
--region=$GOOGLE_CLOUD_LOCATION \
$AGENT_PATH
これで作成したコードはCloud Runへデプロイされます!!
裏ではDockerfileの作成やビルド済みのコンテナのArtifact Registryへの登録などが自動で行われてWeb上にデプロイされます。
しかもデプロイコマンドにオプションコマンドをつけることで、さらに細かい設定を付け加えてデプロイすることも可能です!
例えば
--port:コンテナ内でリッスンするポート番号(デフォルトは8000)
--with_ui:エージェントAPIと共に、開発用Web UIもデプロイします。
--allow-unauthenticated:公開アクセスを許可します。
といった感じで繋げていくだけで細かい設定ができます!
また、今回はCloud Runへのデプロイを紹介しましたが、Agent Enginにもデプロイすることができるのでそちらでも用意されているようです。
しかし注意点として、指定したモデルが利用できるリージョンにデプロイしないといけないので、事前にデプロイしようとしているリージョンで使用できるモデルを選ぶようにしてください。
最後に
このような流れを経て、AIエージェントシステムを構築・デプロイすることができます。
ここまでの流れを見ていかがでしたでしょうか?
全体を通して 「とにかく楽!」 ということが伝わりましたでしょうか?
しかしながら、細かく煮詰めていけば難しくなることは必然です。
煮詰めれば煮詰めるほど、細かい機能や配慮が必要となり、設計もしっかり行う必要がありますから難しくなります。
とはいえそのうち幾らかが楽になれば、開発により集中することができるのではないでしょうか?
また、開発初心者の人にとっても楽であるということは魅力的だと思います。
割と低いハードルで、新しい技術を学び・触れられるというのはすごく大きなことだと私は思います。
だからこそ、この記事を読んでいただいた方々が「なんか面白そう」「ちょっとやってみようかな?」と思っていただけたら幸いです。
残り必要なのは開発者である 「あなたのアイディア」 です。
あなたのアイディアをこのツールでより現実的なものに、より具体的なものにしていきましょう!
目指すは 「僕の考えた最強のエージェント」 です!!
最強のエージェントを作ってより便利に、より大きく夢を広げていきませんか?
ここまで長々とお付き合いいただきありがとうございます。
改めて、この記事を読んで少しでもADKにご興味を持っていただけたら幸いです。