座標系の回転とローカル系・ワールド系の考え方
回転の基本的な考え方
点を正の角度で回転させるという操作は、
見方を変えると 座標系を逆向きの角度で回転させている ことと等価である。
- 点を +θ 回転させる
→ 座標系を −θ 回転させたのと同じ - 座標系を +θ 回転させる
→ 点を −θ 回転させたのと同じ
この考え方は、座標変換や外乱の与え方を考える際に重要になる。
ローカル系とワールド系
物体の動きを考えるとき、
ローカル座標系とワールド座標系の2つを意識する必要がある。
-
ローカル系
→ 物体自身を基準にした座標系 -
ワールド系
→ シミュレーション全体で共通の座標系
同じ点・同じ現象であっても、
どの座標系から見ているかによって数値は変化する。
ローカル系が必要になる例
例えば、キャスター角のように、
部品や車体が傾いている場合を考える。
このとき、力や変位を正しく評価するためには、
キャスター角分だけ座標系を回転させたローカル系で
現象を見る必要がある。
ワールド系では同じ点であっても、
ローカル系に変換することで、意味のある数値として扱えるようになる。
簡単な例:変位の考え方
100m走を例に考える。
-
ローカル系
走っている人自身を基準にすると、
自分の重心位置から見た自分の変位は常に 0 になる。 -
ワールド系
スタート地点にいる人から見ると、
走った距離に応じて 変位が増加していく。
ここでいう変位とは、
基準点からどれだけ位置が変わったかを表す量である。
少し難しい例:横風の扱い
横から風が吹いている状況を考える。
ローカル系に外乱を入れた場合
バイクの重心を原点とするローカル系に横風を与えると、
- 車体の向きが変わっても
- 常に「横から風が吹き続ける」
という挙動になる。
ワールド系に外乱を入れた場合
ワールド系に横風を与えると、
- 風の吹く方向は現実世界と同じく一定
- 車体の向きが変わるにつれて、
最初は横風だったものが、やがて追い風のような状態になる
これは、現実の外乱の与え方に近い挙動である。
外乱を与える座標系の考え方
外乱をモデルに入れる際は、
その外乱が「物体基準」か「世界基準」か
を意識する必要がある。
-
ライダーが体を左右に動かす外乱
→ ローカル系で与えるべき -
路面上の石や段差などの外乱
→ ワールド系で与えるべき
もし石をローカル系で与えてしまうと、
常に車体の一定距離先に石が存在する、
不自然なモデルになってしまう。
つづき
このあたりを理解しておかないと、
外乱の入れ方次第で挙動が大きく変わってしまう。
続きは、また明日。