「Cursor」という名前のエディタ、エンジニアのSNSで毎日のように話題になっていますよね。
以前このシリーズで紹介した Vibe Coding(AIと会話しながらコードを作る開発スタイル)を実践するためのツールとして、2026年最も注目されているのが Cursor です。
この記事では、「聞いたことはあるけど、VS Codeと何が違うの?」という方に向けて、Cursorの基本から使い始めるまでをやさしく解説します。
Cursorとは?
Cursor は、AIがコーディングの相棒として組み込まれた AIネイティブなコードエディタ です。
開発しているのは Anysphere 社。2022年にMIT出身の4人のエンジニアによって設立されたスタートアップです。2025年10月に Cursor 2.0 がリリースされ、2026年2月には最新の Cursor 2.5 が公開されています。
最大の特徴は、VS Code(Visual Studio Code)をベースにして作られている こと。見た目も操作もVS Codeとほぼ同じなので、VS Codeユーザーなら違和感なく移行できます。拡張機能やキーバインド、テーマもそのまま引き継げます。
VS Codeとの違いは?
「VS Codeにもコーディング支援の拡張機能があるのに、なぜCursor?」という疑問があると思います。
| VS Code + 拡張機能 | Cursor | |
|---|---|---|
| AIの統合度 | 後付け(拡張機能で追加) | 最初からエディタの中核に組み込み |
| コードベース理解 | ファイル単位の補助が中心 | プロジェクト全体を理解して提案 |
| エージェント機能 | なし / 限定的 | 標準搭載(自律的にコードを書く) |
| 操作感 | VS Code そのまま | VS Code とほぼ同じ |
Cursorの強みは 「エディタのレベルでAIが統合されている」 ことです。ファイル間の依存関係やプロジェクトの構造をAIが理解した上で提案してくれるため、単なるコード補完とは次元が異なります。
Cursorの3大機能
Cursorには多くの機能がありますが、まず押さえておくべきは3つだけです。
① Tab(タブ補完)
コードを書いている最中に、AIが 次に書きそうなコードを予測して提案 してくれます。表示されたら Tab キーを押すだけで確定。
VS Codeの IntelliSense を知っている方は、それの上位互換だと思ってください。単なる変数名の補完ではなく、文脈を読んだ複数行のコード提案が出てきます。
日常的に最も多く使う機能で、これだけでも開発スピードが大きく変わります。
② Chat(チャット)
エディタのサイドパネルでAIとチャットできます。
- 「このファイルの処理の流れを説明して」
- 「この関数にバグがありそう。原因を教えて」
- 「TypeScriptでこの型定義をリファクタリングして」
普通のAIチャットとの違いは、開いているファイルやプロジェクトの中身をAIが見ている ことです。わざわざコードをコピー&ペーストしなくても、「この関数」と言えば通じます。
③ Agent(エージェント)
Cursor 2.0 で大幅に強化された目玉機能です。
自然言語で指示を出すと、AIが 複数のファイルを横断して自律的にコードを書いてくれる モードです。具体的には次のようなことができます。
- 「ユーザー認証機能を追加して」→ 必要なファイルを複数作成
- 「このプロジェクトにダークモードを実装して」→ 既存コードの修正 + 新規コード追加
- 「テストコードを書いて」→ テストファイルを自動生成して実行
Cursor 2.5 ではさらに 複数のエージェントを並列実行 できるようになり、異なるタスクを同時に進めることも可能です。
始め方(3ステップ)
ステップ1:ダウンロード
https://cursor.com にアクセスし、お使いのOS(Mac / Windows / Linux)用のインストーラーをダウンロードして実行します。
ステップ2:VS Codeの設定を引き継ぐ
初回起動時に、VS Codeの拡張機能・テーマ・キーバインドを自動インポートするか聞かれます。「Import」を選べば、普段のVS Code環境がそのまま再現されます。
ステップ3:使ってみる
セットアップが終わったら、プロジェクトを開いてすぐに使えます。
- まずは コードを書きながらTabキーを押す だけで、Tab補完の威力を体感できます
-
Cmd + L(Mac)/Ctrl + L(Windows)でチャットパネルを開けます -
Cmd + I(Mac)/Ctrl + I(Windows)でインラインのAI編集が開きます
料金プラン
Cursorは 無料で始められます。
| プラン | 月額 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Hobby(無料) | $0 | Tab補完・Agent利用に制限あり。まず試すならこれ |
| Pro | $20 | 無制限のTab補完、より多くのAgent利用 |
| Pro+ | $60 | プレミアムモデルの利用枠が3倍 |
| Business | $40/ユーザー | チーム管理・プライバシー制御 |
まずはHobby(無料)プランで始めて、日常的に使うようになったらProへの移行を検討するのがおすすめです。
このシリーズとの繋がり
Cursorは、このシリーズで紹介してきた技術と密接に関わっています。
| シリーズ記事 | Cursorとの関係 |
|---|---|
| Vibe Coding | Cursorはまさに Vibe Codingを実践するためのツール |
| MCP | CursorはMCPクライアントとして動作し、MCPサーバーに接続可能 |
| RAG | プロジェクト全体を読み取るCursorの仕組みは、RAGの考え方に近い |
| Ollama | CursorのバックエンドモデルをOllamaに切り替えればローカル実行も可能 |
| LangGraph | CursorのAgent機能を使って、LangGraphプロジェクトを爆速で構築できる |
まとめ
| キーワード | 一言で言うと |
|---|---|
| Cursor | AIが中核に統合されたコードエディタ。VS Codeベース |
| Tab | 文脈を読んだ高精度なコード補完 |
| Chat | プロジェクトを理解したAIチャット |
| Agent | 自然言語で指示して自律的にコードを書かせる |
| 料金 | 無料プランあり。Proは月$20 |
Cursorは「AIと一緒にコードを書く」体験を最も手軽に始められるツールです。VS Codeを使っている方なら、移行コストはほぼゼロ。まずはHobbyプランでインストールして、Tabキーを押してみてください!
参考: