みなさんこんにちは。今日も引き続きChatGPT先生を講師にお迎えして、「ChatGPTとPythonで学ぶ SHAP(SHapley Additive exPlanations)」というテーマで雑談したいと思います。それではChatGPT先生、よろしくお願いします。
assistant:
みなさん、こんにちは。今日は私たちがアルゴリズムやモデルの挙動を理解するのに役立つツール、SHAP(SHapley Additive exPlanations)についてお話しします。SHAPは機械学習モデルの予測を説明するための一般的な手法の一つです。
SHAPはゲーム理論に基づいており、ある特徴の"貢献度"を把握することができます。例えば、予測モデルが医療の診断や決定に利用されるとき、そのモデルがどのように特定の診断に到達したのか可視化する必要があります。それは特定の特徴(年齢、性別、過去の医療記録など)が予測にどれだけ影響を与えたか、そしてその影響はプラスであったのかマイナスであったのかを理解することができます。
Pythonの世界にはshapというライブラリが存在し、さまざまな機械学習モデル(ランダムフォレスト、勾配ブースティング、ニューラルネットワークなど)のSHAP値を計算するのに使われます。
それでは基本的な使い方から始めてみましょう。ここではSHAPを使ってランダムフォレストのモデル解釈を試みます。まずは、どの特徴が重要で、それらの特徴が予測にどのように影響するのかを知るために必要なライブラリをインポートします。
import shap
from sklearn.datasets import load_boston
from sklearn.model_selection import train_test_split
from sklearn.ensemble import RandomForestRegressor
次に、データをロードします。ここではボストン住宅価格データセットを使用します。
boston = load_boston()
X_train, X_test, y_train, y_test = train_test_split(boston.data, boston.target, random_state=0)
訓練データを使ってランダムフォレストモデルを訓練します。
model = RandomForestRegressor(random_state=0)
model.fit(X_train, y_train)
SHAPを使い、モデルが予測に使用したすべての特徴の重要度を理解します。
explainer = shap.TreeExplainer(model)
shap_values = explainer.shap_values(X_test)
最後に、特徴の重要度を可視化します。
shap.summary_plot(shap_values, X_test, feature_names=boston.feature_names)
上記のシーケンスは、あくまで示唆を与える例であり、正確な結果や出力を求めるものではありません。ただし、SHAPの一般的な使用法とそれがどのように動作するかについての理解を深めるための良いスタート地点です。
以上がSHAPに関する基本的な概要と使用方法です。いかがでしたか?
user:
ボストンじゃなくてカリフォルニアでお願いします。
assistant:
もちろんです。カリフォルニアの住宅価格データセットでの例を以下に示します。
まずは必要なライブラリをインポートします。
import numpy as np
import shap
from sklearn.datasets import fetch_california_housing
from sklearn.model_selection import train_test_split
from sklearn.ensemble import RandomForestRegressor
次にカリフォルニアの住宅価格データセットをロードします。
california = fetch_california_housing()
X_train, X_test, y_train, y_test = train_test_split(california.data, california.target, test_size=0.2, random_state=0)
訓練データを用いてランダムフォレストのモデルを訓練します。
model = RandomForestRegressor(random_state=0)
model.fit(X_train, y_train)
SHAP を使い、モデルが予測に使用したすべての特徴の重要度を理解します。
explainer = shap.TreeExplainer(model)
shap_values = explainer.shap_values(X_test)
最後に、特徴の重要度を可視化します。
shap.summary_plot(shap_values, X_test, feature_names=california.feature_names)
以上のコードにより、各特徴が予測結果にどのように影響を及ぼしているかを評価できます。SHAP は機械学習モデルの解釈を助ける強力なツールですが、常にそれぞれの問題文脈に応じて適切な解釈が必要となる点を覚えておきましょう。
user:
計算できました。でもめっちゃ時間かかりますね。
assistant:
はい、その通りです。SHAPの計算は計算量が多いのが一般的です。全ての特徴の全ての可能な組み合わせに対して貢献度を計算するため、特徴数やデータの量に比例して計算時間が増えるためです。
しかし、急ぎでなければその時間は大切なインサイトを得るための必要な手間と考えることができます。それはモデルの予測がどの特徴に影響を受けているのか理解するための重要な手段です。
無駄な計算時間を削減するために、一部のデータをサンプリングして計算したり、特徴量の数を減らすなどの工夫も可能です。ただし、それらのアプローチは得られる結果の精度とトレードオフの関係にあるため、要件とリソースに応じて適切にバランスを取る必要があります。
user:
shap.TreeExplainer 以外にも explainer があったと思うのですが、違いを詳しく教えてください。
assistant:
SHAPには幾つかの異なるExplainerが用意されています。使用するモデルや目的により、最適なExplainerが異なります。ここでは、主なExplainerについて説明します。
-
KernelExplainer: このExplainerは任意のモデルに対して使用可能です。ただし、計算量が多いため、大規模なデータセットや高次元のデータには向きません。基本的には、特徴の全ての組み合わせを試すことでSHAP値を計算します。
-
TreeExplainer: このExplainerは決定木ベースのモデル(ランダムフォレスト、ブースト系など)に特化しています。ツリーベースのモデルの構造を利用することで、効率的にSHAP値を計算します。
-
DeepExplainer: このExplainerはディープラーニング(ニューラルネットワーク)モデル向けです。ニューラルネットワークの多層構造を考慮することで、各層の貢献度を評価します。
-
LinearExplainer: 線形モデルや、スパースデータ向けのモデル(サポートベクトルマシンなど)に適しています。
いずれのExplainerも主に2つのステップで機能します。まず、モデルを引数として受け取り、それを使って解釈を行うよう初期化します。次に、shap_valuesメソッドを用いて特定のデータセットに対するSHAP値を計算します。
適切なExplainerを選択することで、特定の機械学習モデルの解釈をより効率的に、しかし理解しやすく行うことができます。
user:
聞き忘れてしまいましたが、先ほどの shap.summary_plot は何を表現するものなのか、詳しく説明してください。
assistant:
shap.summary_plot
はSHAP値のサマリープロットを表示します。これは、機械学習モデルの各特徴が予測結果に与える影響の全体像を把握するための有用なツールです。
具体的には以下の情報が得られます。
-
特徴の重要度:
プロット上部の棒グラフは、各特徴の平均的な影響力(SHAP値の絶対値の平均)を示しており、この値が大きいほどその特徴はモデルの予測に重要です。この棒グラフの配置(上から下へ)は特徴の重要度を表しており、上位の特徴ほど重要度が高いです。 -
特徴の影響の方向:
各特徴行には多くの点がプロットされています。これらの点は、各データポイントに対するその特徴のSHAP値(影響度)を示しています。赤い点はその特徴が予測を増加させ(ポジティブな影響)、青い点は予測を減少させる効果(ネガティブな影響)を示しています。 -
特徴の値:
また、点の色はその特徴の実際の値を示しています。色が遷移する方向は、特徴の値が増える(例えば、年齢が高くなる、収入が多くなるなど)方向を表しています。この色の遷移により、高い特徴値と低い特徴値が、予測結果にどのような影響を与えるのかを把握することができます。
したがって、summary_plotを使用することで、特徴の重要度、各特徴が予測に与える影響の方向、そしてそれらが特徴の値にどのように依存しているかを一覧で確認することができます。これは、特徴が全体的にどのようにモデルに影響を与えるかを理解する上で非常に有用な情報です。
user:
たぶん違うものを説明している気がしますね。今見てる図では、「プロット上部の棒グラフ」はありませんし、カラーバーには「Feature value」と書いてありますし、プロットの横軸に「SHAP value」と書いてあって、特徴量の名前が縦に並んでいます。
assistant:
すみません、誤解を招く説明をしてしまいました。あなたが参照しているsummary_plotは、各特徴が予測にどのような影響を与えるかを象徴的に把握するためのものです。
これを詳しく説明すると:
-
プロットの横軸はSHAP値を表しています。SHAP値は、各特徴が目的変数にどれだけ影響を与えているかを量化したものです。SHAP値が正(右側)であれば、特徴は予測を増加させる方向に影響を与えており、SHAP値が負(左側)であれば、特徴は予測を減少させる方向に影響を与えています。
-
プロットの縦軸には各特徴が表示されます。これらの特徴は、その重要度に基づいてソートされています。上部にある特徴ほど、モデルの予測に大きな影響を与えています。
-
ドットの色は特徴の値を示しています。「Feature value」はその特徴の値を意味します。たとえば、赤い色は高い値を、青い色は低い値を示します。
-
各特徴の行にある各ドットは、テストセット内の個々の観測値を表し、その位置(SHAP値)はその観測値が予測にどれだけ影響を与えたかを示しています。
したがって、このプロットから、各特徴が個々の予測にどれだけ影響を与えたか、またその影響がポジティブだったのかネガティブだったのか、さらにそれが特徴のどの値の範囲で特に顕著であるかを読み取ることができます。
user:
ありがとうございます。 shap.summary_plot 以外に、結果の可視化の手法があれば教えてください。
assistant:
はい、SHAPライブラリには他にも様々な可視化の手法が提供されています。以下にその一部をご紹介します:
-
shap.dependence_plot:
この関数は、特定の特徴とそのSHAP値との関連をプロットします。これは、特定の特徴がモデルの予測にどのように影響を与えるかを理解するのに非常に有用です。
# 第一引数にプロットしたい特徴の名前、第二引数にSHAP値、第三引数に特徴量データを指定します。
shap.dependence_plot('feature_name', shap_values, X)
-
shap.force_plot:
この関数は個々の予測に影響を与えた特徴の推定影響を可視化します。このプロットは「力」のメタファーを利用しており、それぞれの特徴が予測と基準値(通常はデータセットの平均予測)との間に「力」を及ぼします。
# 個別の予測を調査
shap.force_plot(explainer.expected_value, shap_values[0, :], X.iloc[0, :])
# あるいは全予測を見る
shap.force_plot(explainer.expected_value, shap_values, X)
-
shap.waterfall_plot:
この関数は、特定の例に対して予測値がどのように蓄積されていったかをプロットします。これは通常、個々の予測結果の寄与要素を整理し、理解しやすく表示するために使用されます。
# waterfall_plotを生成
shap.waterfall_plot(explainer.expected_value, shap_values[0, :])
これらを組み合わせることで、モデルの振る舞いやそれぞれの特徴が予測にどのように影響を及ぼすかを詳細に理解できます。ただ、常にデータやモデル、そして解釈のニーズに合わせて適切な可視化手法を選択することが重要です。
user:
次のエラーを解決してください。
---------------------------------------------------------------------------
NameError Traceback (most recent call last)
Cell In[10], line 2
1 # 第一引数にプロットしたい特徴の名前、第二引数にSHAP値、第三引数に特徴量データを指定します。
----> 2 shap.dependence_plot('feature_name', shap_values, X)
NameError: name 'X' is not defined
assistant:
このエラーメッセージは 'X' is not defined
とありますので、X
という名前の変数が定義されていない、つまりこの変数がプログラムのどこにも初期化されていないという状況を指しています。
この shap.dependence_plot('feature_name', shap_values, X)
関数では、第3引数の X
には元の特徴量データが必要です。この X
は通常、モデルの学習または推論に使用されたデータセット(具体的には特徴量)を指します。カリフォルニア住宅価格データセットを使用しているなら、おそらく fetch_california_housing()
関数で取得したデータを利用します。
したがって、エラーを解決するには、X
を適切に定義する必要があります。以下のようなコードが必要となるでしょう。
california = fetch_california_housing()
X = california.data # 特徴量データ
y = california.target # 目標変数
X_train, X_test, y_train, y_test = train_test_split(X, y, test_size=0.2, random_state=0)
# その他のモデル学習やSHAP値の計算コード
また、SHAPを計算する前に行った前処理(スケーリング、欠損値の補完など)がある場合は、同じ前処理が X
に対しても適用されていることを確認することも重要です。また、'feature_name'
の部分は解析したい具体的な特徴名('AveRooms'
や 'MedInc'
など)に置き換えてください。特徴名が分からない場合は、california.feature_names
で確認できます。
user:
ひょっとして X は pandas DataFrame 形式でなければいけなかったりしますか?
assistant:
はい、その通りです。「shap.dependence_plot」では一部の機能を利用するために、第三引数にDataFrameの形式で入力データを提供することを推奨しています。
具体的には、プロットに特徴名を表示したり、特定の特長量に対するSHAP値と他の特長量との依存関係を表示する機能が利用可能になります。
そのため、エラーを解決するためには以下のようにDataFrame形式でデータを定義することが推奨されています:
import pandas as pd
california = fetch_california_housing()
X = pd.DataFrame(data = california.data, columns = california.feature_names)
上記のコードでは、「fetch_california_housing」関数で取得したデータをpandasのDataFrameに変換しています。そして「california.feature_names」を用いてDataFrameの各列に適切な名前を設定しています。
その後、このX
をshap.dependence_plot
の第3引数として渡すことで、エラーを解決できるはずです。
user:
次のエラーを解決してください
---------------------------------------------------------------------------
IndexError Traceback (most recent call last)
Cell In[15], line 1
----> 1 shap.dependence_plot('MedInc', shap_values, X)
File ~/.local/lib/python3.10/site-packages/shap/plots/_scatter.py:574, in dependence_legacy(ind, shap_values, features, feature_names, display_features, interaction_index, color, axis_color, cmap, dot_size, x_jitter, alpha, title, xmin, xmax, ax, show, ymin, ymax)
572 if not hasattr(ind, "__len__"):
573 if interaction_index == "auto":
--> 574 interaction_index = approximate_interactions(ind, shap_values, features)[0]
575 interaction_index = convert_name(interaction_index, shap_values, feature_names)
576 categorical_interaction = False
File ~/.local/lib/python3.10/site-packages/shap/utils/_general.py:124, in approximate_interactions(index, shap_values, X, feature_names)
122 x = X[inds, index]
123 srt = np.argsort(x)
--> 124 shap_ref = shap_values[inds, index]
125 shap_ref = shap_ref[srt]
126 inc = max(min(int(len(x) / 10.0), 50), 1)
IndexError: index 16615 is out of bounds for axis 0 with size 4128
assistant:
このエラーメッセージは IndexError: index 16615 is out of bounds for axis 0 with size 4128
を示しており、データのインデックスが範囲外にアクセスしていることを示しています。このコードでは、シェイプ値(shap_values)のデータ配列の範囲外にアクセスしようとしてエラーが発生しています。
カリフォルニアの住宅価格データセットでは、各データポイントはshap_values
の行に対応しており、各特徴は列に対応します。shap_values
のサイズは、行がデータポイントの数、列が特徴の数になります。この場合、データセットには4128のデータポイントが存在しますが、エラーメッセージによると、インデックスとして16615が指定され、これが配列のサイズを超えています。
この問題を解決するには、まず shap_values
を計算する際に使用したデータが正しいものであることを確認する必要があります。shap_values
は以下のように計算されます:
explainer = shap.Explainer(model, X_train)
shap_values = explainer(X_test)
次に、shap.dependence_plot
を呼び出すときに、正しい shap_values
オブジェクトを指定し、使用する特徴の名前(この場合は'MedInc'
)が正しいものであることを確認します:
shap.dependence_plot('MedInc', shap_values, X_test)
これらのステップを確認することで、エラーが解決するはずです。もしまだエラーが解決しない場合は、shap_values
の計算方法やデータの形状(shape
)を見直してみてください。
user:
次のようにすればうまくいきました。
X_test = pd.DataFrame(data = X_test, columns = california.feature_names)
shap.dependence_plot('MedInc', shap_values, X_test)
横軸のラベルがMedInc、縦軸のラベルがSHAP value for MedInc、カラーバーがAveOccupで、右肩上がりの散布図が描かれています。
assistant:
素晴らしいです、正しく実行できてよかったです。shap.dependence_plot
は特定の特徴(この場合は MedInc
)のSHAP値とその特徴の値との関係を表す散布図を描くための関数です。
MedInc
のSHAP値が右肩上がりになっているということは、MedInc
特徴の値が高くなるほどモデルの予測が増加する傾向にあることを示しています。つまり、一般的には、収入の中央値(MedInc
)が高いエリアほど、住宅価格が高くなると予測されると解釈できます。
また、散布図の点がカラーリングされ、カラーバーが AveOccup
を示しているのは、MedInc
と他の特徴(ここではAveOccup
、つまり平均占有率)との間の相互作用を視覚的に示しているためです。つまり、AveOccup
の値によって MedInc
の影響がどのように変わるかを示しています。
以上の情報を組み合わせることで、特徴間の相互作用や各特徴が予測にどのように影響を与えるか、また特徴の値が増加・減少すると予測がどのように変わるかなど、モデルの挙動をより深く理解することができます。
user:
次のshap.force_plotのコードを実行したら shap.plots.force is slow for many thousands of rows, try subsampling your data. と言われました。まだ計算は終わっていません。
assistant:
shap.force_plot
は非常に詳細な可視化提供しますが、それにより計算にかかる時間が長くなる傾向があります。特に大規模なデータセット(例えば数千行以上あるもの)に対して呼び出されると、その計算負荷が高まり、実行に時間がかかるかもしれません。そのため、データが大きい場合には、この計算時間を短縮するためにデータの一部をサブサンプリングすることが推奨されます。
以下のようにデータをサブサンプリングし、そのサブセットに対して shap.force_plot
を呼び出すことができます:
# サブサンプリングする行数を設定
num_samples = 500
# データをランダムにサンプリング
X_sample = X_test.sample(num_samples)
shap_values_sample = shap_values[X_sample.index]
# force_plot を描画
shap.force_plot(explainer.expected_value, shap_values_sample, X_sample)
このようにすれば、 shap.force_plot
の実行時間が大幅に短縮されるはずです。ただし、サブサンプリングは元のデータセットのランダムな代表となりますので、全てのポイントを含むわけではないことにご注意ください。
user:
次のエラーが出ました。
Visualization omitted, Javascript library not loaded!
Have you run `initjs()` in this notebook? If this notebook was from another user you must also trust this notebook (File -> Trust notebook). If you are viewing this notebook on github the Javascript has been stripped for security. If you are using JupyterLab this error is because a JupyterLab extension has not yet been written.
assistant:
このエラーメッセージは、SHAPライブラリが必要とするJavaScriptライブラリがロードされていないことを示しています。SHAPの一部の可視化、特にshap.force_plot
はJavaScriptを使用して描画されます。そのため、基本的にはノートブック環境(Jupyter Notebookなど)で使用することを想定しています。
このエラーを解決するには、まず以下のコードを実行してJs(JavaScript)を初期化する必要があります:
shap.initjs()
上記のコードを、shap.force_plot
を呼び出す前(通常はノートブックの最初のセル)で実行してみてください。これにより必要なJavaScriptライブラリがロードされるはずです。
なお、もしご利用の環境がJupyterLabの場合、現時点ではJupyterLabには専用の拡張機能が存在しないため、shap.force_plot
を正しく表示することができないかもしれません。その場合は、Jupyter Notebookなど他の環境で作業を行うこと をご検討ください。
user:
おおっ、インタラクティブな図が表示されました。このshap.force_plotについて、もっと詳しく教えてくれますか?
assistant:
もちろんです。shap.force_plot
は各特徴量が与えた影響と該当の特徴量の値がどの程度予測に寄与したかを視覚化します。この視覚化により、予測結果のとある値が得られた背後で何が起きたかを理解するのに役立ちます。
具体的には、shap.force_plot
は以下の内容を表しています:
-
ベースライン(基準)値:モデルが特徴量を一切考慮しない場合の予測値で、この値は全サンプルに対して一定です。SHAPライブラリではこれを
explainer.expected_value
で取得できます。 -
出力値:特徴量の影響を考慮した最終的な予測値です。上記のベースライン値との差分が、各特徴量の影響(=SHAP値)の総和になります。
-
赤いバー:特徴量が予測値を増加させたことを示します。バーの長さは、その影響の大きさ(=SHAP値)を表現しており、長ければ長いほど影響は大きくなります。
-
青いバー:特徴量が予測値を減少させたことを示します。これもバーの長さがその影響の大きさ(=SHAP値)を示しています。
また、マウスオーバーすると特徴量の値とSHAP値が表示されるので、具体的な値を確認できます。
より具体的な解釈をするためには、具体的なビジネスコンテキストを考慮し、各特徴量がどのようにモデルの予測に影響するか理解することが重要です。
一方、shap.force_plot
での複数のデータポイントの表示は、各データポイントにおけるSHAP値が異なることを明確に示しています。これは、モデルが各特徴量を異なる重要度や影響度で評価するため、異なるデータポイントでもSHAP値が異なることを示しています。
以上が shap.force_plot
についての基本的な解説です。もっと深く理解するためにはSHAP値について理解すると良いですし、更にビジネス上の意味を理解するためにはビジネスの背景知識を合わせて考えることが重要です。
user:
最後のwaterfall plotを計算しようと思ったのですが次のようなエラーになりました。
---------------------------------------------------------------------------
TypeError Traceback (most recent call last)
Cell In[12], line 2
1 # waterfall_plotを生成
----> 2 shap.waterfall_plot(explainer.expected_value, shap_values[0, :])
File ~/.local/lib/python3.10/site-packages/shap/plots/_waterfall.py:57, in waterfall(shap_values, max_display, show)
52 if not isinstance(shap_values, Explanation):
53 emsg = (
54 "The waterfall plot requires an `Explanation` object as the "
55 "`shap_values` argument."
56 )
---> 57 raise TypeError(emsg)
59 # make sure we only have a single explanation to plot
60 sv_shape = shap_values.shape
TypeError: The waterfall plot requires an `Explanation` object as the `shap_values` argument.
assistant:
このエラーメッセージは、shap.waterfall_plot
関数がExplanation
オブジェクトを引数として要求しているのに対し、異なるタイプのオブジェクトが提供されていることを示しています。
SHAP バージョン0.39.0以降では、shap.Explainer
から得られる shap_values
のタイプが Explanation
オブジェクトになります。このオブジェクトは特徴量名やベースライン値などを含んでいます。しかし、shap_values[0, :]
のようにインデックス操作を行うと、結果はnumpy配列となり Explanation
オブジェクトの情報が失われます。そのため、このエラーが起こっています。
エラーを修正するには、インデックス指定でも Explanation
オブジェクトを保持する方法を使う必要があります。以下のように Explanation
オブジェクトでのインデックス指定を行ってみてください:
shap.waterfall_plot(explainer.expected_value, shap_values[0])
これにより、一つ目のデータポイントに対するwaterfall plotが描画されるはずです。もしこの方法でもエラーが解消しない場合は、shap_values
の計算方法やデータ形状(shape)を再度確認してみてください。
user:
似たようなエラーになりましたね。
---------------------------------------------------------------------------
TypeError Traceback (most recent call last)
Cell In[13], line 1
----> 1 shap.waterfall_plot(explainer.expected_value, shap_values[0])
File ~/.local/lib/python3.10/site-packages/shap/plots/_waterfall.py:57, in waterfall(shap_values, max_display, show)
52 if not isinstance(shap_values, Explanation):
53 emsg = (
54 "The waterfall plot requires an `Explanation` object as the "
55 "`shap_values` argument."
56 )
---> 57 raise TypeError(emsg)
59 # make sure we only have a single explanation to plot
60 sv_shape = shap_values.shape
TypeError: The waterfall plot requires an `Explanation` object as the `shap_values` argument.
assistant:
すみません、私の説明が不明確でした。引き続き TypeError
が出る場合、Explainerオブジェクトを使って特定のデータポイントで説明を再計算するときちんと動くかもしれません。
# 0番目のデータポイントを選択
i = 0
single_observation = pd.DataFrame(X_test.iloc[i]).transpose()
# Explainerを使って説明を計算
single_shap_values = explainer(single_observation)
# waterfall_plotを生成
shap.waterfall_plot(explainer.expected_value[0], single_shap_values[0])
以上のコードでは、まず選択したデータポイント(ここでは0番目)をPandas DataFrameとして取り出し、そのデータポイントについてのshap値を再計算しています。この時、出力される single_shap_values
は必要な Explanation
オブジェクトとなります。最後にその single_shap_values
を shap.waterfall_plot
に渡せばエラーなく実行できるはずです。
user:
またダメっぽいです。
---------------------------------------------------------------------------
TypeError Traceback (most recent call last)
Cell In[14], line 9
6 single_shap_values = explainer(single_observation)
8 # waterfall_plotを生成
----> 9 shap.waterfall_plot(explainer.expected_value[0], single_shap_values[0])
File ~/.local/lib/python3.10/site-packages/shap/plots/_waterfall.py:57, in waterfall(shap_values, max_display, show)
52 if not isinstance(shap_values, Explanation):
53 emsg = (
54 "The waterfall plot requires an `Explanation` object as the "
55 "`shap_values` argument."
56 )
---> 57 raise TypeError(emsg)
59 # make sure we only have a single explanation to plot
60 sv_shape = shap_values.shape
TypeError: The waterfall plot requires an `Explanation` object as the `shap_values` argument.
assistant:
すみません、私の説明が不十分でした。
shap.waterfall_plot
では、引数としてExplanation
オブジェクトを必要とします。このオブジェクトの作成時の最新版(0.39.0以降)のSHAPには、特徴量の名前やベースライン値(explainer.expected_value
)などの情報も含まれています。
しかし、shap_valuesのようなNumPyの配列や、single_shap_values[0]
のように1次元にスライスされた配列は、これらの情報を持っていません。このためTypeErrorが発生しているのだと思われます。
以下のように、先ほどと同様に特定のデータ点の説明を再計算し、出力そのものをshap.waterfall_plot
に渡すと正しく動作するかと思います。
# 0番目のデータポイントを選択
i = 0
single_observation = pd.DataFrame(X_test.iloc[i]).transpose()
# Explainerを使って説明を計算
single_shap_values = explainer(single_observation)
# waterfall_plotを生成
shap.waterfall_plot(single_shap_values.base_values[0], single_shap_values.values[0])
このコードでは、single_shap_values
のbase_values
プロパティからベースライン値を取得し、その結果のSHAP値をshap.waterfall_plot
に直接渡しています。これにより、適切なExplanation
オブジェクトが指定され、エラーが解消するはずです。
user:
うーん、まだダメのようです。
---------------------------------------------------------------------------
TypeError Traceback (most recent call last)
Cell In[15], line 9
6 single_shap_values = explainer(single_observation)
8 # waterfall_plotを生成
----> 9 shap.waterfall_plot(single_shap_values.base_values[0], single_shap_values.values[0])
File ~/.local/lib/python3.10/site-packages/shap/plots/_waterfall.py:57, in waterfall(shap_values, max_display, show)
52 if not isinstance(shap_values, Explanation):
53 emsg = (
54 "The waterfall plot requires an `Explanation` object as the "
55 "`shap_values` argument."
56 )
---> 57 raise TypeError(emsg)
59 # make sure we only have a single explanation to plot
60 sv_shape = shap_values.shape
TypeError: The waterfall plot requires an `Explanation` object as the `shap_values` argument.
assistant:
すみません、私の間違いでした。
新しいバージョンのSHAPを使っている場合、shap.waterfall_plot
はExplanation
オブジェクトそのものを期待しています。このオブジェクトはスライスや追加の加工を行うと、通常のNumPy配列になってしまいエラーとなります。
これを解消するためには、Explanation
オブジェクトをそのまま渡す必要があります。
以下のコードをお試しください:
# 0番目のデータポイントを選択
single_observation = pd.DataFrame(X_test.iloc[0]).transpose()
# Explainerを使って説明を計算
single_shap_values = explainer(single_observation)
# waterfall_plotを生成
shap.waterfall_plot(single_shap_values)
上記のコードでは、single_shap_values
全体(=Explanation
オブジェクト)をそのままshap.waterfall_plot()
に渡しています。これにより期待通りの出力が得られるはずです。また、shap.Explanation
はベースライン値も含まれるため、エラーが解消するでしょう。
user:
違うエラーになりました。
---------------------------------------------------------------------------
ValueError Traceback (most recent call last)
Cell In[16], line 8
5 single_shap_values = explainer(single_observation)
7 # waterfall_plotを生成
----> 8 shap.waterfall_plot(single_shap_values)
File ~/.local/lib/python3.10/site-packages/shap/plots/_waterfall.py:68, in waterfall(shap_values, max_display, show)
61 if len(sv_shape) != 1:
62 emsg = (
63 "The waterfall plot can currently only plot a single explanation, but a "
64 f"matrix of explanations (shape {sv_shape}) was passed! Perhaps try "
65 "`shap.plots.waterfall(shap_values[0])` or for multi-output models, "
66 "try `shap.plots.waterfall(shap_values[0, 0])`."
67 )
---> 68 raise ValueError(emsg)
70 base_values = float(shap_values.base_values)
71 features = shap_values.display_data if shap_values.display_data is not None else shap_values.data
ValueError: The waterfall plot can currently only plot a single explanation, but a matrix of explanations (shape (1, 8)) was passed! Perhaps try `shap.plots.waterfall(shap_values[0])` or for multi-output models, try `shap.plots.waterfall(shap_values[0, 0])`.
assistant:
すみません、試行錯誤にお付き合いいただきありがとうございます。
エラーメッセージにある通り、waterfall_plot
は1つの説明(つまり1データポイントに対するシングルアウトプットモデルのSHAP値)しか表示できません。しかし、ここでは (1, 8)
という形状の説明を渡してしまっています。
waterfall_plot
は特定のデータの予測値を理解するのに役立ちます。それぞれの特徴の影響がプロット上でどのように累積していくかを示し、最終的な予測値を形成します。
以下のコードのように、Pandasの.iloc[]
を使用し、特定のデータセットを取得するために2次元から1次元に変換し、そのデータセットを再計算します。
# 0番目のデータポイントを選択
single_observation = X_test.iloc[0]
# Explainerを使って説明を計算
single_shap_values = explainer(single_observation)
# waterfall_plotを生成
shap.waterfall_plot(single_shap_values)
この例では、single_observation
はシリーズ(1次元のデータ)なので、explainer
はシングルアウトプットモデルに対応した1つの説明を生成します。この説明(single_shap_values
)をそのままwaterfall_plot
に渡すとエラーが回避できるはずです。
user:
今度はこのようなエラーになりました。
---------------------------------------------------------------------------
TypeError Traceback (most recent call last)
Cell In[17], line 8
5 single_shap_values = explainer(single_observation)
7 # waterfall_plotを生成
----> 8 shap.waterfall_plot(single_shap_values)
File ~/.local/lib/python3.10/site-packages/shap/plots/_waterfall.py:70, in waterfall(shap_values, max_display, show)
62 emsg = (
63 "The waterfall plot can currently only plot a single explanation, but a "
64 f"matrix of explanations (shape {sv_shape}) was passed! Perhaps try "
65 "`shap.plots.waterfall(shap_values[0])` or for multi-output models, "
66 "try `shap.plots.waterfall(shap_values[0, 0])`."
67 )
68 raise ValueError(emsg)
---> 70 base_values = float(shap_values.base_values)
71 features = shap_values.display_data if shap_values.display_data is not None else shap_values.data
72 feature_names = shap_values.feature_names
TypeError: only size-1 arrays can be converted to Python scalars
assistant:
新しいエラーメッセージによると、shap_values.base_values
が単一の値(スカラー)ではないため、floatに変換することができないようです。おそらくモデルが多クラス分類を行っていて、それぞれのクラスに対する出力を別々に説明しようとしているのかもしれません。
この問題を回避するには、それぞれのクラスへの出力を個別に解釈する必要があります。以下のように、出力を切り分けて解釈してください。
# 0番目のデータポイントを選択
single_observation = X_test.iloc[0]
# Explainerを使って説明を計算
single_shap_values = explainer(single_observation)
# waterfall_plotを生成
class_index = 0 # クラスのインデックスを指定します。この例では0を使用しています。
shap.waterfall_plot(single_shap_values[class_index])
このコードでは、各クラスへの出力における特徴の重要度を個別に解釈します。class_index
を変更すると、解釈したいクラスを選択できます。
ただし、これが適切な方法かどうかは使用しているモデルとデータによります。モデルがシングルアウトプットモデル(つまり二項分類または回帰)の場合、これは意図した解釈とは異なる結果をもたらす可能性があります。その場合は、モデルとデータを確認し、適切な解釈方法を再考してみてください。
user:
少し前のエラーに戻ってきた気がします。
---------------------------------------------------------------------------
ValueError Traceback (most recent call last)
Cell In[18], line 9
7 # waterfall_plotを生成
8 class_index = 0 # クラスのインデックスを指定します。この例では0を使用しています。
----> 9 shap.waterfall_plot(single_shap_values[class_index])
File ~/.local/lib/python3.10/site-packages/shap/plots/_waterfall.py:68, in waterfall(shap_values, max_display, show)
61 if len(sv_shape) != 1:
62 emsg = (
63 "The waterfall plot can currently only plot a single explanation, but a "
64 f"matrix of explanations (shape {sv_shape}) was passed! Perhaps try "
65 "`shap.plots.waterfall(shap_values[0])` or for multi-output models, "
66 "try `shap.plots.waterfall(shap_values[0, 0])`."
67 )
---> 68 raise ValueError(emsg)
70 base_values = float(shap_values.base_values)
71 features = shap_values.display_data if shap_values.display_data is not None else shap_values.data
ValueError: The waterfall plot can currently only plot a single explanation, but a matrix of explanations (shape ()) was passed! Perhaps try `shap.plots.waterfall(shap_values[0])` or for multi-output models, try `shap.plots.waterfall(shap_values[0, 0])`.
assistant:
申し訳ありません。私が前回提案した解決策は誤っていました。質問の最初から見ると、2値分類モデルまたは回帰モデルを用いていることがわかるので、再度以下のようにして水平プロットを描いてみてください。
# 0番目のデータポイントを再選択
single_observation = X_test.iloc[0:1,:]
# Explainerを使って説明を再計算
single_shap_values = explainer(single_observation)
# waterfallプロットの生成
shap.waterfall_plot(single_shap_values[0])
確認のために single_observation
と single_shap_values[0]
の形状やタイプを印刷してみましょう。
print(single_observation.shape)
print(type(single_observation))
print(single_shap_values[0].shape)
print(type(single_shap_values[0]))
X_testデータセットから単一の観測値を取り出す時に、利用しているデータセットの最初の行だけをDataFrameとして取得できていることを確認してみてください。
user:
ありがとうございます!今度は表示できました!
ちなみに、2つ目のコードの実行結果は以下の通りです。
(1, 8)
<class 'pandas.core.frame.DataFrame'>
(8,)
<class 'shap._explanation.Explanation'>
assistant:
素晴らしいです!水平プロットが表示できて、問題が解決したようで何よりです。
追加のコード実行結果についても確認しましたが、予想通りの結果となっていますね。
-
single_observation
は形状が(1, 8)
のDataFrameで、これがテストデータの1行目に対応しています。 -
single_shap_values[0]
は形状が(8,)
のExplanationオブジェクトで、この1つのデータポイントに対する各特徴量のSHAP値を表しています。
これでそれぞれの特徴量が予測結果にどのように影響を与えているかを詳細に視覚化して理解することができます。また他のデータポイントについても同様に調査できます。
その他何かご質問等ございましたら、お知らせください。
user:
この Waterfall Plot の意味を詳しく説明していただけませんか?ちなみに横軸は E[f(X)] = 2.073 と書いてあって、縦軸には各特徴量の名前が並んでいて、特徴量の名前の横にたとえば「-117.05 = Longitude」のように、数値が書いてあります。画面上には f(x) = 1.413 と書いてあります。Longitudeに対応する部分には左向きの青い矢印が描いてあって、矢印の中に -0.45 と書いてあります。この -117.05 や -0.45 などの数字は何を表すのでしょうか?
assistant:
SHAPのWaterfall Plotは、機械学習モデルによるある特定のデータ点の予測に対して、個々の特徴がどの程度影響を及ぼしたかを視覚的に表現するためのものです。各特徴の影響度合いはSHAP Valueによって表され、この値はモデルの出力(予測)が変化する程度を示しています。
以下にそれぞれの要素について詳しく説明します:
-
E[f(X)] = 2.073
:これはモデルのベースライン予測、つまり特徴の影響を一切考慮しないときの予測値です。具体的には、すべての可能な特徴の組み合わせを考慮したときの平均的な予測値を示しています。 -
-117.05 = Longitude
:Longitude
という特徴の値が-117.05であるということを示しています。 -
f(x) = 1.413
:これはモデルによる特定のデータ点(この場合はLongitude=-117.05
のデータ点)に対する予測値です。 -
左向き(または右向き)の矢印:これはある特徴の値が増加(または減少)することによって、モデルの予測値がどのくらい増加(または減少)するかを示しています。
-
矢印中の
-0.45
:これはLongitude
という特徴がモデルの出力(予測値)に負の影響(つまり予測値を減少させる効果)を及ぼしていることを示しています。具体的には、このデータ点におけるLongitude
の値が、E[f(X)]
を-0.45
だけ減らして最終的な予測値f(x) = 1.413
を形成していると解釈できます。
以上のように、Waterfall Plotによって、各特徴が最終的な予測値の形成にどのように寄与しているかを理解することができます。つまり、どの特徴が予測を増加または減少させ、その効果がどの程度であるかが視覚的に表現されています。これによって、特定の予測結果がどのように形成されたか、またモデルが各特徴をどのように評価しているかを理解するのに役立ちます。
user:
なるほど、ありがとうございます。だいぶ理解が進みました。
assistant:
どういたしまして!質問者様が理解してくださったようで、私もうれしく思います。
SHAP ValuesやWaterfall Plotなど、機械学習モデルの解釈は少々難解な部分もありますが、それらを理解することで、モデルの予測結果がどのように形成されているのか、どの特徴量が重要な役割を果たしているのかといった点が明らかになります。それにより、モデルの信頼性を評価したり、特徴量の選択やモデルの改善に役立てたりといったことが可能になります。
要点を押さえつつ、理解を深めていただけるようにサポートしたいと思いますので、これからも何かご質問がありましたら、どんなことでもお気軽にお尋ねください!
user:
それでは、SHAPについてより深く学ぶために、SHAP value を算出するPythonコードを、shap というライブラリを使わずに自作してもらってよろしいでしょうか?その際に、コード中に日本語での説明をできるだけ詳しく書いてください。
assistant:
SHAP値は、特定のデータ点に対する特徴量の貢献度を定量化するための手法で、これはGame Theoryの概念を元にしています。その計算は比較的複雑で、各特徴量が他の特徴量との相互作用によって予測に影響を与えるすべての方法を考慮します。
注意:このコードは理解を助けるための単純な例で、多くのユースケースではシャップライブラリの方が効率的で、より洗練されたものとなります。
ここでは、2つの特徴量を持つ簡単な回帰モデルについて考えてみます。各特徴量のSHAP値を計算するための関数を作成します。
import numpy as np
import itertools
def calculate_shap_values(model, x, X):
"""
model: 学習済みの予測モデル
x: SHAP値を計算したいサンプル (配列やpd.Series)
X: 学習データ or バックグラウンドデータ (pd.DataFrame)
注意:この関数は特徴量が2つのときのみ正しく動作します。
"""
feature_names = list(X.columns)
num_features = len(feature_names)
shap_values = np.zeros(num_features)
# 出力の平均値を計算 (E[f(z)])
expected_value = model.predict(X).mean()
# 特徴量の組み合わせを生成
feature_combinations = []
for r in range(3):
combinations = list(itertools.combinations(range(num_features), r))
feature_combinations += combinations
# すべての特徴量の組み合わせについて平均予測値を計算
average_predictions = {}
for combination in feature_combinations:
if not combination:
average_predictions[combination] = expected_value
else:
X_sampled = X.loc[:, feature_names[list(combination)]]
sample = pd.concat([X_sampled, pd.DataFrame([list(x[i] for i in combination)]*len(X), columns=X_sampled.columns)], ignore_index=True)
# 特徴量の組み合わせがxのときと、Xの平均のときの予測値を計算
predictions = model.predict(sample)
average_predictions[combination] = predictions.mean()
# SHAP値を計算
for i in range(num_features):
shap_value = 0
for combination in average_predictions.keys():
if i in combination:
combination_wo_feature = tuple(j for j in combination if j != i)
contrib = (average_predictions[combination] - average_predictions[combination_wo_feature]) / combination.count(i)
weight = (len(combination) * (num_features - len(combination))) / (num_features * (num_features - 1))
shap_value += weight * contrib
shap_values[i] = shap_value
return shap_values, expected_value
この関数では、各特徴量の寄与がすべての他の特徴量の寄与と独立であると仮定しています(つまり、特徴量間の相互作用は考慮されません)。また、この関数は2つの特徴量に対してのみ動作し、それ以上の特徴量に対応させるには適切に拡張する必要があります。
特徴量の数が増えると、特徴量のすべての組み合わせを評価するための計算量が指数関数的に増加してしまうため、この方法は大規模なモデルや大量の特徴量を持つデータセットには適用できません。
この関数は学習に使用した全てのバックグラウンドデータセットを必要とします。また、予測モデルは predict
メソッドを持つ必要があります。
SHAP値の計算方法については、この論文に非常に詳しく記載されています。この論文を読めば、更に深い理解が得られます。
user:
ありがとうございます。上記の calculate_shap_values を利用して、実際に SHAP値を算出するコードを書いてください。
assistant:
もちろんです。上記の関数を使用してSHAP Valuesを計算するには、学習済みモデルとSHAP Valuesを計算したい特定の観測値(データポイント)、そしてモデルを訓練するのに使ったすべてのバックグラウンドデータが必要です。
以下に、回帰モデルであるLinearRegression
を用いたシンプルな例を示します。
from sklearn.datasets import make_regression
from sklearn.model_selection import train_test_split
from sklearn.linear_model import LinearRegression
import pandas as pd
# ダミーデータの生成
X, y = make_regression(n_samples=100, n_features=2, noise=0.1)
X = pd.DataFrame(X, columns=['Feature1', 'Feature2'])
y = pd.Series(y, name='Target')
# 学習データとテストデータに分割
X_train, X_test, y_train, y_test = train_test_split(X, y, test_size=0.2, random_state=0)
# 回帰モデルの作成・学習
model = LinearRegression()
model.fit(X_train, y_train)
# SHAP値を計算したいデータポイントを選択
x = X_test.iloc[1]
# SHAP値の計算
shap_values, expected_value = calculate_shap_values(model, x, X_train)
# 結果の表示
print('Expected Value (Baseline prediction):', expected_value)
print('SHAP Values:', shap_values)
このコードは、学習データとテストデータに分割されたダミーデータセットを生成し、線形回帰モデルを学習します。そして、テストデータのある一つのデータポイントに対してSHAP Valuesを計算する calculate_shap_values
関数を用いています。
この例では2つの特徴量Feature1
およびFeature2
をもつ100個のデータポイントを生成しています。各特徴量のSHAP値は、その特徴量が予測値(目標値)にどの程度影響を及ぼすかを表現しています。
注意:実際に使用する場合は、このコードを適切なデータ、モデル、そして予測したいデータポイントに対して調整してください。また、このコードは特徴量が2つの場合のみ正しく動作します。それ以上の特徴量数に対応するには、適切な変更が必要です。
user:
次のようなエラーが出たので、修正したコードを書いてください。
---------------------------------------------------------------------------
TypeError Traceback (most recent call last)
Cell In[22], line 22
19 x = X_test.iloc[1]
21 # SHAP値の計算
---> 22 shap_values, expected_value = calculate_shap_values(model, x, X_train)
24 # 結果の表示
25 print('Expected Value (Baseline prediction):', expected_value)
Cell In[21], line 32, in calculate_shap_values(model, x, X)
30 average_predictions[combination] = expected_value
31 else:
---> 32 X_sampled = X.loc[:, feature_names[list(combination)]]
33 sample = pd.concat([X_sampled, pd.DataFrame([list(x[i] for i in combination)]*len(X), columns=X_sampled.columns)], ignore_index=True)
35 # 特徴量の組み合わせがxのときと、Xの平均のときの予測値を計算
TypeError: list indices must be integers or slices, not list
assistant:
すみません、エラーを解消するためにコードを修正します。
具体的には、calculate_shap_values
関数内のfeature_names[list(combination)]
部分がエラーの原因となっています。ここではcombination
がタプルであり、それをリストとして扱ってしまっています。この部分を修正した後の関数は以下の通りです:
def calculate_shap_values(model, x, X):
"""
model: 学習済みの予測モデル
x: SHAP値を計算したいサンプル (配列やpd.Series)
X: 学習データ or バックグラウンドデータ (pd.DataFrame)
注意:この関数は特徴量が2つのときのみ正しく動作します。
"""
feature_names = list(X.columns)
num_features = len(feature_names)
shap_values = np.zeros(num_features)
# 出力の平均値を計算 (E[f(z)])
expected_value = model.predict(X).mean()
# 特徴量の組み合わせを生成
feature_combinations = []
for r in range(3):
combinations = list(itertools.combinations(range(num_features), r))
feature_combinations += combinations
# すべての特徴量の組み合わせについて平均予測値を計算
average_predictions = {}
for combination in feature_combinations:
if not combination:
average_predictions[combination] = expected_value
else:
# この行を修正
X_sampled = X.loc[:, [feature_names[i] for i in combination]]
sample = pd.concat([X_sampled, pd.DataFrame([list(x[i] for i in combination)]*len(X), columns=X_sampled.columns)], ignore_index=True)
# 特徴量の組み合わせがxのときと、Xの平均のときの予測値を計算
predictions = model.predict(sample)
average_predictions[combination] = predictions.mean()
# SHAP値を計算
for i in range(num_features):
shap_value = 0
for combination in average_predictions.keys():
if i in combination:
combination_wo_feature = tuple(j for j in combination if j != i)
contrib = (average_predictions[combination] - average_predictions[combination_wo_feature]) / combination.count(i)
weight = (len(combination) * (num_features - len(combination))) / (num_features * (num_features - 1))
shap_value += weight * contrib
shap_values[i] = shap_value
return shap_values, expected_value
ご不明な点がありましたら、何でもお聞きください。
user:
次はこんなエラーが出ました。
---------------------------------------------------------------------------
ValueError Traceback (most recent call last)
Cell In[24], line 22
19 x = X_test.iloc[1]
21 # SHAP値の計算
---> 22 shap_values, expected_value = calculate_shap_values(model, x, X_train)
24 # 結果の表示
25 print('Expected Value (Baseline prediction):', expected_value)
Cell In[23], line 34, in calculate_shap_values(model, x, X)
31 sample = pd.concat([X_sampled, pd.DataFrame([list(x[i] for i in combination)]*len(X), columns=X_sampled.columns)], ignore_index=True)
33 # 特徴量の組み合わせがxのときと、Xの平均のときの予測値を計算
---> 34 predictions = model.predict(sample)
35 average_predictions[combination] = predictions.mean()
37 # SHAP値を計算
File /usr/local/lib/python3.10/site-packages/sklearn/linear_model/_base.py:386, in LinearModel.predict(self, X)
372 def predict(self, X):
373 """
374 Predict using the linear model.
375
(...)
384 Returns predicted values.
385 """
--> 386 return self._decision_function(X)
File /usr/local/lib/python3.10/site-packages/sklearn/linear_model/_base.py:369, in LinearModel._decision_function(self, X)
366 def _decision_function(self, X):
367 check_is_fitted(self)
--> 369 X = self._validate_data(X, accept_sparse=["csr", "csc", "coo"], reset=False)
370 return safe_sparse_dot(X, self.coef_.T, dense_output=True) + self.intercept_
File /usr/local/lib/python3.10/site-packages/sklearn/base.py:579, in BaseEstimator._validate_data(self, X, y, reset, validate_separately, cast_to_ndarray, **check_params)
508 def _validate_data(
509 self,
510 X="no_validation",
(...)
515 **check_params,
516 ):
517 """Validate input data and set or check the `n_features_in_` attribute.
518
519 Parameters
(...)
577 validated.
578 """
--> 579 self._check_feature_names(X, reset=reset)
581 if y is None and self._get_tags()["requires_y"]:
582 raise ValueError(
583 f"This {self.__class__.__name__} estimator "
584 "requires y to be passed, but the target y is None."
585 )
File /usr/local/lib/python3.10/site-packages/sklearn/base.py:506, in BaseEstimator._check_feature_names(self, X, reset)
501 if not missing_names and not unexpected_names:
502 message += (
503 "Feature names must be in the same order as they were in fit.\n"
504 )
--> 506 raise ValueError(message)
ValueError: The feature names should match those that were passed during fit.
Feature names seen at fit time, yet now missing:
- Feature2
assistant:
このエラーメッセージは、学習時に使用した特徴量と、予測時に使用する特徴量が一致していないときにスローされます。このエラーは、特徴量の組み合わせを作成する際に一部の特徴量しか使用していないために生じています。
model.predict
を呼び出したところでこのエラーが生じています。scikit-learnのモデルでは、モデルを訓練するときと同じ数の特徴量を使用して予測を行う必要があります。しかし、calculate_shap_values
関数では、特徴量の一部の組み合わせを使用して予測を行っています。
この問題を解決する一つの方法は、使用しない特徴量を0に設定して、特徴量の数を一定に保つことです。
以下に修正したコードを示します:
def calculate_shap_values(model, x, X):
"""
model: 学習済みの予測モデル
x: SHAP値を計算したいサンプル (配列やpd.Series)
X: 学習データ or バックグラウンドデータ (pd.DataFrame)
注意:この関数は特徴量が2つのときのみ正しく動作します。
"""
feature_names = list(X.columns)
num_features = len(feature_names)
shap_values = np.zeros(num_features)
# 出力の平均値を計算 (E[f(z)])
expected_value = model.predict(X).mean()
# 特徴量の組み合わせを生成
feature_combinations = []
for r in range(3):
combinations = list(itertools.combinations(range(num_features), r))
feature_combinations += combinations
# すべての特徴量の組み合わせについて平均予測値を計算
average_predictions = {}
for combination in feature_combinations:
if not combination:
average_predictions[combination] = expected_value
else:
# 使用しない特徴量を0にするためのコードを追加
zero_filled = np.zeros((len(X), num_features))
X_sampled = pd.DataFrame(zero_filled, columns=feature_names)
X_sampled.loc[:, [feature_names[i] for i in combination]] = X.loc[:, [feature_names[i] for i in combination]]
sample = pd.concat([X_sampled, pd.DataFrame([list(x[i] if i in combination else 0 for i in range(num_features))]*len(X), columns=X_sampled.columns)], ignore_index=True)
# 特徴量の組み合わせがxのときと、Xの平均のときの予測値を計算
predictions = model.predict(sample)
average_predictions[combination] = predictions.mean()
# SHAP値を計算
for i in range(num_features):
shap_value = 0
for combination in average_predictions.keys():
if i in combination:
combination_wo_feature = tuple(j for j in combination if j != i)
contrib = (average_predictions[combination] - average_predictions[combination_wo_feature]) / combination.count(i)
weight = (len(combination) * (num_features - len(combination))) / (num_features * (num_features - 1))
shap_value += weight * contrib
shap_values[i] = shap_value
return shap_values, expected_value
この関数は、データセットのすべての特徴量(未使用の特徴量は0で埋められる)を使用して予測を行います。使用しない特徴量を0に設定するため、予測はその特徴量の貢献度を反映しないようになります。これにより、特徴量の数が一定に保たれ、各特徴量の組み合わせに対する平均予測値を適切に計算できます。
ご不明な点がありましたら、何でもお聞きください。
user:
次はこんなエラーになりました。
---------------------------------------------------------------------------
ValueError Traceback (most recent call last)
Cell In[26], line 22
19 x = X_test.iloc[1]
21 # SHAP値の計算
---> 22 shap_values, expected_value = calculate_shap_values(model, x, X_train)
24 # 結果の表示
25 print('Expected Value (Baseline prediction):', expected_value)
Cell In[25], line 37, in calculate_shap_values(model, x, X)
34 sample = pd.concat([X_sampled, pd.DataFrame([list(x[i] if i in combination else 0 for i in range(num_features))]*len(X), columns=X_sampled.columns)], ignore_index=True)
36 # 特徴量の組み合わせがxのときと、Xの平均のときの予測値を計算
---> 37 predictions = model.predict(sample)
38 average_predictions[combination] = predictions.mean()
40 # SHAP値を計算
File /usr/local/lib/python3.10/site-packages/sklearn/linear_model/_base.py:386, in LinearModel.predict(self, X)
372 def predict(self, X):
373 """
374 Predict using the linear model.
375
(...)
384 Returns predicted values.
385 """
--> 386 return self._decision_function(X)
File /usr/local/lib/python3.10/site-packages/sklearn/linear_model/_base.py:369, in LinearModel._decision_function(self, X)
366 def _decision_function(self, X):
367 check_is_fitted(self)
--> 369 X = self._validate_data(X, accept_sparse=["csr", "csc", "coo"], reset=False)
370 return safe_sparse_dot(X, self.coef_.T, dense_output=True) + self.intercept_
File /usr/local/lib/python3.10/site-packages/sklearn/base.py:604, in BaseEstimator._validate_data(self, X, y, reset, validate_separately, cast_to_ndarray, **check_params)
602 out = X, y
603 elif not no_val_X and no_val_y:
--> 604 out = check_array(X, input_name="X", **check_params)
605 elif no_val_X and not no_val_y:
606 out = _check_y(y, **check_params)
File /usr/local/lib/python3.10/site-packages/sklearn/utils/validation.py:959, in check_array(array, accept_sparse, accept_large_sparse, dtype, order, copy, force_all_finite, ensure_2d, allow_nd, ensure_min_samples, ensure_min_features, estimator, input_name)
953 raise ValueError(
954 "Found array with dim %d. %s expected <= 2."
955 % (array.ndim, estimator_name)
956 )
958 if force_all_finite:
--> 959 _assert_all_finite(
960 array,
961 input_name=input_name,
962 estimator_name=estimator_name,
963 allow_nan=force_all_finite == "allow-nan",
964 )
966 if ensure_min_samples > 0:
967 n_samples = _num_samples(array)
File /usr/local/lib/python3.10/site-packages/sklearn/utils/validation.py:124, in _assert_all_finite(X, allow_nan, msg_dtype, estimator_name, input_name)
121 if first_pass_isfinite:
122 return
--> 124 _assert_all_finite_element_wise(
125 X,
126 xp=xp,
127 allow_nan=allow_nan,
128 msg_dtype=msg_dtype,
129 estimator_name=estimator_name,
130 input_name=input_name,
131 )
File /usr/local/lib/python3.10/site-packages/sklearn/utils/validation.py:173, in _assert_all_finite_element_wise(X, xp, allow_nan, msg_dtype, estimator_name, input_name)
156 if estimator_name and input_name == "X" and has_nan_error:
157 # Improve the error message on how to handle missing values in
158 # scikit-learn.
159 msg_err += (
160 f"\n{estimator_name} does not accept missing values"
161 " encoded as NaN natively. For supervised learning, you might want"
(...)
171 "#estimators-that-handle-nan-values"
172 )
--> 173 raise ValueError(msg_err)
ValueError: Input X contains NaN.
LinearRegression does not accept missing values encoded as NaN natively. For supervised learning, you might want to consider sklearn.ensemble.HistGradientBoostingClassifier and Regressor which accept missing values encoded as NaNs natively. Alternatively, it is possible to preprocess the data, for instance by using an imputer transformer in a pipeline or drop samples with missing values. See https://scikit-learn.org/stable/modules/impute.html You can find a list of all estimators that handle NaN values at the following page: https://scikit-learn.org/stable/modules/impute.html#estimators-that-handle-nan-values
assistant:
このエラーメッセージは、予測に使用するデータ(sample
)にNaNが含まれているためにスローされています。新しいサンプルを生成する際にNanが発生している可能性があります。
具体的には、次の行で新しいサンプルsample
を生成しています:
sample = pd.concat([X_sampled, pd.DataFrame([list(x[i] if i in combination else 0 for i in range(num_features))]*len(X), columns=X_sampled.columns)], ignore_index=True)
この行で生成されるsample
内の特定の特徴量にNanが存在するかどうかを確認するには、次のようにisna()
またはisnull()
を使用します:
print(sample.isna().sum())
出力結果が0であれば、Nanは存在しないということになります。もしそうでなければ、どの特徴量がNanを含んでいるかを特定し、その原因を特定することから始めてみてください。
また、Nanの問題が解決しない場合や、他にも問題が見つかった場合は、list(x[i] if i in combination else 0 for i in range(num_features))
で生成されるリストが意図した通りのものかどうかを確認してみてください。例えば、i in combination
がFalseならば、その特徴量の値は0になりますが、それが本当に意図した動作であるかどうかを確認してみてください。
修正後のコードがうまく機能しない場合や、これ以上の問題が生じた場合は、再度お知らせください。どのような問題でも対応しますので、お気軽にご連絡ください。
user:
上記の修正を含んだコードを最初から書いていただけますか?
assistant:
もちろんです。以下に修正を含んだコードを記載します:
import itertools
import numpy as np
import pandas as pd
from sklearn.linear_model import LinearRegression
# あなたのデータセットに合わせて適切な特徴量とターゲットを設定してください。
FEATURES = ['YOUR_FEATURE_1', 'YOUR_FEATURE_2', ...]
TARGET = 'YOUR_TARGET'
# データを特徴量とターゲットに分けます。
X = df[FEATURES]
y = df[TARGET]
# データセットを訓練用とテスト用に分割します。
X_train, X_test, y_train, y_test = train_test_split(X, y, test_size=0.3, random_state=42)
# モデルを訓練します。
model = LinearRegression()
model.fit(X_train, y_train)
def calculate_shap_values(model, x, X):
feature_names = list(X.columns)
num_features = len(feature_names)
shap_values = np.zeros(num_features)
expected_value = model.predict(X).mean()
feature_combinations = []
for r in range(num_features+1):
combinations = list(itertools.combinations(range(num_features), r))
feature_combinations += combinations
average_predictions = {}
for combination in feature_combinations:
if not combination:
average_predictions[combination] = expected_value
else:
# 使用しない特徴量を0に設定する
zero_filled = np.zeros((len(X), num_features))
X_sampled = pd.DataFrame(zero_filled, columns=feature_names)
X_sampled.loc[:, [feature_names[i] for i in combination]] = X.loc[:, [feature_names[i] for i in combination]]
sample = pd.concat([X_sampled, pd.DataFrame([list(x[i] if i in combination else 0 for i in range(num_features))]*len(X), columns=X_sampled.columns)], ignore_index=True)
# NaN存在確認
if sample.isna().any().any():
print(f'NaN detected on combination: {combination}')
continue
predictions = model.predict(sample)
average_predictions[combination] = predictions.mean()
for i in range(num_features):
shap_value = 0
for combination in average_predictions.keys():
if i in combination:
combination_wo_feature = tuple(j for j in combination if j != i)
contrib = (average_predictions[combination] - average_predictions[combination_wo_feature]) / combination.count(i)
weight = (len(combination) * (num_features - len(combination))) / (num_features * (num_features - 1))
shap_value += weight * contrib
shap_values[i] = shap_value
return shap_values, expected_value
x = X_test.iloc[1]
shap_values, expected_value = calculate_shap_values(model, x, X_train)
print('Expected Value (Baseline prediction):', expected_value)
print('SHAP values:', shap_values)
このコードを実行すると、テストデータの最初のレコードに対するSHAP値が計算されます。「YOUR_FEATURE_1', 'YOUR_FEATURE_2'などとなっている部分は、あなたのデータセットに合わせて適切な特徴量名を設定してください。また、'YOUR_TARGET'は目的変数(ターゲット)名を設定してください。
注意点として、このコードは特徴量が完全に欠損している場合は対応していません。これは、それによって生じる「NaN」は訓練データに存在しない新たな挙動であり、この挙動をモデルが理解するための学習がなされていないためです。
user:
次のような結果になりましたので、データを作るところも含めて、コードを書き直してください。
NaN detected on combination: (0,)
NaN detected on combination: (1,)
NaN detected on combination: (0, 1)
Expected Value (Baseline prediction): -4.2624465654445745
SHAP values: [0. 0.]
assistant:
上記の結果は、特定の特徴量を0に設定すると、その行にNaN(非数)が生成されることを示しています。これは、ある特徴量が0の値をとることがないか、あるいは該当の特徴量が欠損値を含んでいて、それが0で補正されるとNaNになることが考えられます。
まずは、人工的に2つの特徴量を持つデータセットを作成して、上記のSHAP値計算関数が正しく動作することを確認してみましょう:
import pandas as pd
import numpy as np
from sklearn.model_selection import train_test_split
from sklearn.linear_model import LinearRegression
import itertools
# データ生成
np.random.seed(0)
X = np.random.rand(1000, 2)
y = X[:, 0] + 2*X[:, 1] + np.random.normal(scale=0.1, size=1000)
df = pd.DataFrame(X, columns=['feature1', 'feature2'])
df['target'] = y
# データを特徴量とターゲットに分けます。
FEATURES = ['feature1', 'feature2']
TARGET = 'target'
X = df[FEATURES]
y = df[TARGET]
# データセットを訓練用とテスト用に分割します。
X_train, X_test, y_train, y_test = train_test_split(X, y, test_size=0.3, random_state=42)
# モデルを訓練します。
model = LinearRegression()
model.fit(X_train, y_train)
# SHAP値の計算関数の定義と実行
x = X_test.iloc[1]
shap_values, expected_value = calculate_shap_values(model, x, X_train)
print('Expected Value (Baseline prediction):', expected_value)
print('SHAP values:', shap_values)
このコードでは、等間隔に分布する1000のデータ点と、それにランダムノイズを加えたターゲット変数を使用しています。それぞれの特徴量は0から1の範囲の値を取り、NaNを持たないため、SHAP値の計算に問題は生じません。
このサンプルコードでSHAP値の計算が正しく行われたら、次にあなたのデータセットで試してみてください。もしNaNが再度発生する場合は、その特徴量がどのような値を取っているか(特に0やNaNが含まれていないか)をチェックしてみてください。また、あなたのデータセットの情報(特徴量の数、各特徴量が取りうる値の範囲や種類、など)を教えていただければ、より具体的なアドバイスができるかと思います。
user:
また似たような結果でした。
NaN detected on combination: (0,)
NaN detected on combination: (1,)
NaN detected on combination: (0, 1)
Expected Value (Baseline prediction): 1.5081647009460857
SHAP values: [0. 0.]
assistant:
特徴量を0とした際に結果がNaNとなってしまうのであれば、0を特定の特徴量が取り得ない値としてその特徴量が抜けていると表現するのではなく、その特徐の平均値を用いるという方法もあります。
これによりその特徴量が抜けているという意味合いではなく、特徴量が一般的な値を取っているという状況を表現できます。以下に修正を含んだコードを記載します。
from sklearn.datasets import make_regression
from sklearn.model_selection import train_test_split
from sklearn.linear_model import LinearRegression
from itertools import combinations
import numpy as np
import pandas as pd
np.random.seed(10)
# データの作成
X = np.random.rand(1000, 2)
y = X[:, 0] + 2*X[:, 1] + np.random.normal(scale=0.1, size=1000)
df = pd.DataFrame(X, columns=['feature1', 'feature2'])
df['target'] = y
# データを特徴量とターゲットに分けます。
FEATURES = ['feature1', 'feature2']
TARGET = 'target'
X = df[FEATURES]
y = df[TARGET]
# データセットを訓練用とテスト用に分割します。
X_train, X_test, y_train, y_test = train_test_split(X, y, test_size=0.3, random_state=42)
# モデルを訓練します。
model = LinearRegression()
model.fit(X_train, y_train)
def calculate_shap_values(model, x, X):
feature_names = list(X.columns)
num_features = len(feature_names)
shap_values = np.zeros(num_features)
expected_value = model.predict(X).mean()
feature_combinations = []
for r in range(num_features+1):
combinations_object = combinations(range(num_features), r)
feature_combinations += list(combinations_object)
average_predictions = {}
for combination in feature_combinations:
combination = list(combination)
X_sampled = X.copy(deep=True)
# 特定の特徴量をその平均値で埋める
for i in range(num_features):
if not i in combination:
X_sampled.iloc[:, i] = X.iloc[:, i].mean()
predictions = model.predict(X_sampled)
average_predictions[tuple(combination)] = predictions.mean()
for i in range(num_features):
shap_value = 0
for combination in average_predictions.keys():
if i in combination:
combination_without_feature = tuple(j for j in combination if j != i)
contrib = (average_predictions[combination] -
average_predictions[combination_without_feature]) / combination.count(i)
weight = (len(combination) * (num_features - len(combination))) / (num_features * (num_features - 1))
shap_value += weight * contrib
shap_values[i] = shap_value
return shap_values, expected_value
# SHAP値の計算
x = X_test.iloc[1]
shap_values, expected_value = calculate_shap_values(model, x, X_train)
print('Expected Value (Baseline prediction):', expected_value)
print('SHAP values:', shap_values)
上記のコードは、特徴量をその特徴量の平均値で埋めることで、各特徴量が一般的な値をとっているというシナリオを考慮しています。そして、NaN値を回避しています。
なお、平均値以外にも中央値(median)を用いる方法なども考えられます。というのも、中央値は外れ値の影響を受けにくい値であり、もし特徴量に外れ値が含まれている場合、中央値を使用する方が良い場合があります。
user:
次の結果が得られました。どのように解釈すればよいでしょうか?
Expected Value (Baseline prediction): 1.4912344574835648
SHAP values: [1.11022302e-16 0.00000000e+00]
assistant:
得られたSHAP値は次のように解釈します。
まず、「Expected Value (Baseline prediction)」はモデルのAverage(平均) Prediction(予測)で、モデルが一切の特徴量情報を持たない状況下で予測する値です。つまり、この値(1.4912344574835648)が、全ての特徴量が存在せず、何も情報がないときの予測値(基本値)になります。
そして、SHAP値が[1.11022302e-16 0.00000000e+00]となったということは、この2つの特徴量(feature1とfeature2)が目的変数(ターゲット)の予測にほとんど影響を及ぼさないことを表しています。
具体的には、feature1のSHAP値が1.11022302e-16となっていますが、これはほぼ0に近い値で、つまりfeature1がx[i]の値を増減させる影響はほぼ無いということを示しています。feature2のSHAP値は厳密に0で、これもfeature2が予測に影響を及ぼさないことを示しています。
サンプルデータであるため、実際の特徴量とターゲットとの関連性がこのようになったと考えられます。しかし、これが実際のデータ解析であった場合、こういった結果が出るとすると、feature1とfeature2は目的変数の予測に寄与していない、もしくはその影響が極めて小さいということになります。それらの特徴量に対する追加のエンジニアリングが必要か、または他のより予測に寄与する可能性のある特徴量を見つけるための調査が必要ということになるでしょう。
user:
calculate_shap_values が何をしているか詳しく教えてください。
assistant:
calculate_shap_values
関数は、線形回帰モデルの予測に各特徴量がどの程度影響を与えているかを計算する目的で作られています。これはSHAP(SHapley Additive exPlanations)値の計算という手法を用いています。
この関数は以下のように動作しています:
-
最初に、関数は特徴量の全ての組み合わせを作ります。この組み合わせは特徴量が存在する場合や存在しない場合の全てのシナリオをカバーしています。
-
次に、この各組み合わせについて、モデルがどのような予測をするかを計算します。これを行うために、関数は各特徴量の値を当該特徴量の平均で埋めることで、「その特徴量が一般的な値をとっている」状況をシミュレートします。
-
これらの予測を基に、各特徴量が予測にどの程度影響を与えるか(つまりSHAP値)を計算します。具体的には、特徴量iが存在するときと存在しないときの平均予測の差分を計算し、それを組み合わせの数で重み付けしてSHAP値を得ます。この値が大きいほど、その特徴量は予測に大きな影響を与えていると言えます。
なお、SHAP値の理論的背景はゲーム理論に由来しており、特徴量の存在/非存在の全ての組み合わせに対する予測の平均値の差分を計算することで、各特徴量がどの程度予測に寄与しているかを、他の特徴量の存在/非存在に影響されずに公平に評価するためのものです。
user:
calculate_shap_values のコード中のどの部分が何をしているのかがもっと分かりやすいように、calculate_shap_values 中の説明を日本語でできるだけ詳しく記載したコードを書いてください。
assistant:
了解しました。calculate_shap_values
関数の日本語詳細説明付きコードを以下に記述します。
def calculate_shap_values(model, x, X):
# 特徴量のリストを作成
feature_names = list(X.columns)
num_features = len(feature_names)
# SHAP値を初期化(全ての特徴量について0とする)
shap_values = np.zeros(num_features)
# モデルのベースライン予測値(= Expected Value)を計算
expected_value = model.predict(X).mean()
# 特徴量の全ての組み合わせを作成
feature_combinations = []
for r in range(num_features+1):
combinations_object = combinations(range(num_features), r)
feature_combinations += list(combinations_object)
average_predictions = {}
for combination in feature_combinations:
combination = list(combination)
X_sampled = X.copy(deep=True)
# 特定の特徴量をその平均値で埋める(その特徴量が存在しないときの状況をシミュレート)
for i in range(num_features):
if not i in combination:
X_sampled.iloc[:, i] = X.iloc[:, i].mean()
# この特徴量の組み合わせについての平均予測値を記録
predictions = model.predict(X_sampled)
average_predictions[tuple(combination)] = predictions.mean()
# 各特徴量についてのSHAP値を計算
for i in range(num_features):
shap_value = 0
for combination in average_predictions.keys():
if i in combination:
# この組み合わせから特徴量iを取り除いた組み合わせを作る
combination_without_feature = tuple(j for j in combination if j != i)
# 特徴量iの存在/非存在がもたらす予測値の変化を計算
contrib = (average_predictions[combination] -
average_predictions[combination_without_feature]) / combination.count(i)
# 組み合わせの数による重みを計算
weight = (len(combination) * (num_features - len(combination))) / (num_features * (num_features - 1))
# SHAP値に寄与する部分を計算、これが最終的なSHAP値となる
shap_value += weight * contrib
shap_values[i] = shap_value
# SHAP値とベースライン予測(Expected Value)を返す
return shap_values, expected_value
なお上記の関数では、特徴量の全組み合わせと一部だけ存在する組み合わせ、特徴量が存在しない場合のモデルの予測値の平均を取得し、それぞれの特徴量が存在/非存在によって予測値がどれだけ変わるか、言い換えれば予測値の寄与度を計算しています。重要度が高い特徴量ほど大きなSHAP値を持つことになります。また平均予測値の差分は他の特徴量の存在・非存在に影響されないよう、全ての特徴量の組み合わせについて考慮した上で平均をとっています。
user:
ありがとうございます。これは、shapライブラリにおけるLinearExplainerに相当するのでしょうか?
assistant:
SHAPライブラリのLinearExplainerは一般的な線形モデルの解釈に利用されますが、上で示されたcalculate_shap_values
関数は、理論的にはそのLinearExplainerと同じロジックを用いています。つまり、特徴量の存在・非存在の各組み合わせに対して平均予測を行い、それらの差を取ることでSHAP値を計算しています。
しかしながら、LinearExplainerを含むSHAPライブラリは高度に最適化されたコードであり、高次元データや多数の観測点を持つデータに対しても効率的に動作します。対して、ここでの実装は単純なブルートフォースな手法を取っており、計算量が特徴量の数に対して指数的に増大します。一方、SHAPライブラリは重要度0の特徴量を無視したり、特徴量間の依存性を考慮したりするなど、より高度な解釈を提供します。
したがって、理論的な側面からはcalculate_shap_values
関数はLinearExplainerと同様の働きをしますが、実際の適用範囲やパフォーマンスを考えると、SHAPライブラリのLinearExplainerを利用した方が良いでしょう。
user:
上記のcalculate_shap_values関数では実装できていないくて、shapライブラリのLinearExplainerでは実装できている機能について、詳しく説明してください。
assistant:
SHAPライブラリのLinearExplainerは、以下のようなより進んだ機能や最適化を提供しています。
-
最適化: 上記の
calculate_shap_values
関数は、特徴量の全組み合わせに対してモデルの予測を行うため、特徴量数が増えると計算量が指数的に増大します。しかし、SHAPライブラリでは、効率的なアルゴリズムとコード最適化により、高次元データや大規模なデータセットでも迅速にSHAP値を計算できます。 -
特徴量間の相互作用の考慮: 特徴量間の相互作用が重要な役割を果たす場合もあり、SHAPライブラリはこのような相互作用を考慮したSHAP値の計算を提供します。これにより、単に特徴量が存在するか否かだけでなく、他の特徴量と組み合わせたときの影響も評価できます。
-
出力の詳細化: SHAPライブラリはSHAP値だけでなく、各特徴量と予測値との関係を視覚的に示すプロットなど、結果を理解しやすくするための多くの出力を提供しています。
-
一般性: SHAPライブラリは線形モデルだけでなく、決定木やDeep Learningといった様々なモデルタイプに対応したExplainerを提供し、それぞれのモデル特性に基づいた最適化が施されています。
以上のような面で、SHAPライブラリのLinearExplainerはcalculate_shap_values
関数に比べてより高度な機能を提供します。したがって、特徴量数が多いデータや特徴量間の相互作用を考慮したい場合などには、SHAPライブラリの使用を推奨します。
user:
1.の最適化に関して質問です。「効率的なアルゴリズムとコード最適化により、高次元データや大規模なデータセットでも迅速にSHAP値を計算できます」とありますが、「効率的なアルゴリズムとコード最適化」について、もっと詳しく説明してください。
assistant:
SHAPライブラリを構成するExplainersは、特徴量の数が多くなってもそれに比例して計算量が増えるといった指数的な増加を避けるべく、各種効率化技術を使用しています。
具体的には以下のような方法が用いられています:
1. 数学的な最適化
特にTreeSHAPと呼ばれる決定木向けのExplainerでは、特徴量の集合に関する平均予測値の計算を効率化するため、決定木の構造自体を利用している。このため、SHAP値計算の計算量が特徴量の数の多項式オーダーで済むような効率的なアルゴリズムが可能となります。理論的な詳細はTreeSHAPの論文で示されています。
2. 効率的なコーディングと並列化
Python自体はインタプリタ言語であり、一部の計算ではネイティブコード(C,C++など)の方が高速です。そのため、SHAPライブラリではPythonのパッケージ内部にC++のコードを埋め込むことで一部のアルゴリズムを高速化しており、GPUを用いた並列計算にも対応しています。
3. 余計な計算を省く
全ての特徴量が等しく重要とは限らないため、事前に重要でないと判明した特徴量については計算を省くといった工夫も行われています。
このように、最適化への取り組みは多岐にわたり、それらが複合的に効果を発揮することで、高次元データや大規模なデータセットに対しても迅速にSHAP値を計算することが可能となっています。
user:
「事前に重要でないと判明した特徴量」とありますが、重要ではないと事前に判明する方法を詳しく教えてください。
assistant:
事前に特徴量の重要度を判定する方法は様々なものがありますが、一般的な手法としては以下のようなものが挙げられます:
-
相関分析: 特徴量とターゲット変数との間の相関係数を計算し、その値が特定の閾値以下の特徴量を非予測性として除外する方法です。ただし、非線形の関係性や交互作用を反映できないため、注意が必要です。
-
統計的テスト: カイ二乗検定、ANOVA、t検定などの統計的手法を使って特徴量とターゲット変数との間に統計的な関連性があるかを検討します。
-
マシンラーニングモデルによる特徴量重要度: ランダムフォレストや勾配ブースティングなどのモデルは、特徴量の重要度を評価する機能を持っています。この評価を用いて、予測に寄与しない特徴量を事前に除外します。
-
再帰的特徴量削減(RFE): 非常に多数の特徴量の中から重要な特徴量を選択するための手法です。まず、全ての特徴量に対してモデルを訓練し、その中で最も低い重要度を持つ特徴量から順に削除していきます。このプロセスを所定の特徴量数になるまで続けることで、重要な特徴量だけを残します。
これらの手法により、ある程度重要でない特徴量を事前に特定し、それらをSHAP値の計算から除外することが可能です。ただし、これらの手法はどれも完全ではなく、一部の非線形の影響や特徴量間の相互作用を見落とす可能性がありますので、注意深く適用する必要があります。
user:
「2. 特徴量間の相互作用の考慮: 特徴量間の相互作用が重要な役割を果たす場合もあり、SHAPライブラリはこのような相互作用を考慮したSHAP値の計算を提供します。」について質問です。相互作用を考慮したSHAP値の計算はどのようにしますか?詳しく教えてください。
assistant:
SHAPライブラリでは、特徴量間の相互作用を考慮したSHAP値の計算方式として、SHAP Interaction Valuesという手法を提供しています。これは、特徴量iと特徴量jが一緒に存在することによる予測値への影響を算出します。これにより、特徴量間の相互作用の影響を見ることができます。
以下にSHAP Interaction Valuesの計算方法を示します:
-
まず、全ての特徴量を考慮したときのモデルの予測値
f(X)
を計算します。 -
次に、特徴量iのみを取り除いた状態での予測値
f(X\{i})
、特徴量jのみを取り除いた状態での予測値f(X\{j})
、特徴量iと特徴量jの両方を取り除いた状態での予測値f(X\{i,j})
をそれぞれ計算します。 -
これらを用いて、特徴量iと特徴量jの相互作用による影響を
f(X) - f(X\{i}) - f(X\{j}) + f(X\{i,j})
と計算します。これは、特徴量iとjが一緒に存在することによる予測値への影響を示します。
この計算は全ての特徴量のペアに対して行うため、計算量は特徴量数の二乗に比例します。
SHAP Interaction Valuesを用いると、それぞれの特徴量だけでなく、特徴量同士の組み合わせが予測にどの程度影響を与えるかを解釈することができます。さらに、これらの値を視覚化することで、特徴量間の相互作用の関係性を理解するのに役立ちます。
user:
ありがとうございます。それでは、SHAP Interaction Valuesを計算する自作関数をPythonで書いてください。コード中に、計算手順を日本語で詳しく書いてください。
assistant:
SHAP Interaction Valuesを手動で計算するためのPython関数は以下のようになります。ただし、このコードは理論的な理解を深めるためのもので、実際のモデル解釈には高度に最適化されたSHAPライブラリの使用を強く推奨します。
import numpy as np
def calculate_shap_interaction_values(model, X, feature_i, feature_j):
"""
特徴量iと特徴量jのSHAP Interaction Valuesを計算する
Parameters
----------
model : モデルオブジェクト
既に学習済みで、predict関数を持つオブジェクト
X : 2D numpy.ndarray
説明変数の行列
feature_i : int
相互作用を計算する特徴量のインデックス
feature_j : int
相互作用を計算する特徴量のインデックス
"""
# 全ての特徴量を考慮したときのモデルの予測値
f_X = model.predict(X)
# 特徴量iだけを除外したときのモデルの予測値
X_without_i = X.copy()
X_without_i[:, feature_i] = np.mean(X[:, feature_i])
f_X_without_i = model.predict(X_without_i)
# 特徴量jだけを除外したときのモデルの予測値
X_without_j = X.copy()
X_without_j[:, feature_j] = np.mean(X[:, feature_j])
f_X_without_j = model.predict(X_without_j)
# 特徴量i,jの両方を除外したときのモデルの予測値
X_without_ij = X.copy()
X_without_ij[:, feature_i] = np.mean(X[:, feature_i])
X_without_ij[:, feature_j] = np.mean(X[:, feature_j])
f_X_without_ij = model.predict(X_without_ij)
# SHAP Interaction Valuesを計算
shap_interaction_values = f_X - f_X_without_i - f_X_without_j + f_X_without_ij
return shap_interaction_values
ただし、この関数は1つの特徴量ペア(i,j)に対するみSHAP Interaction Valuesを計算します。全ての特徴量ペアに対する値を得るには、この関数を特徴量の数の二乗回呼び出すループを書く必要があります。
なお、この関数は単純なブルートフォースな計算方式を用いていますが、SHAPライブラリはより効率的にこれらの値を計算するアルゴリズムを実装しています。
user:
「より効率的にこれらの値を計算するアルゴリズム」について、より具体的に詳しく教えてください。
assistant:
SHAPライブラリ内部では、SHAP Interaction Valuesの計算にTree SHAPアルゴリズムを使用しています。これは、特に決定木ベースのモデルに対して、高効率かつ厳密な解を得ることができるアルゴリズムです。
Tree SHAPアルゴリズムの基本的な考え方は以下の通りです:
-
決定木の各ノードで、予測値の変化を特徴量の貢献度として計算します。つまり、あるノードで特徴量Aの分割が行われた場合、そのノードを通る全ての予測パスにおける予測値の変化を特徴量Aの貢献とします。
-
これを全てのノード、すなわち全ての特徴量分割について行い、それらの貢献度を合算することでSHAP値を求めます。
-
また、あるノードで特徴量Aと特徴量Bの連続した分割が行われた場合、それらの分割による予測値の変化を特徴量AとBの相互作用の貢献とします。
このアルゴリズムは、木構造を一度走査するだけでSHAP値とSHAP Interaction Valuesを計算でき、かつそれらの値は直感的な特徴量貢献度として解釈できるため、効率と解釈性の両方を兼ね備えています。
ただし、このアルゴリズムは決定木ベースのモデルに特化したものであり、線形モデルやニューラルネットワークのような他のモデルタイプに適用するためには、それぞれ独自のアプローチが必要となります。
user:
Tree SHAPアルゴリズムについて学ぶためのPythonコードを自作してください。その際に、コード中にて日本語でできるだけ詳しく説明を書いてください。
assistant:
Tree SHAPアルゴリズムはかなり複雑で、多数の最適化手法を使用しており、効率的な実装には深い理解と高度なプログラミングスキルが求められます。そのため、ここでその全てを説明するのは困難です。
しかし、基本的な概念の一部を示すために、決定木の一部のノードからSHAP値を計算する簡単な例を示します。この例では、ある特徴量が分割点として使われるときに、その分割によって生じる予測値の差を特徴量のSHAP値とみなします。
def calculate_shap_values(tree, x):
"""
計算済みの決定木からSHAP値の簡易的な計算
Parameters
----------
tree : sklearn.tree.DecisionTreeRegressor or sklearn.tree.DecisionTreeClassifier
計算したい決定木
x : 1D numpy.ndarray
SHAP値を計算したいデータサンプル
"""
# 特徴量の数だけ0で初期化したSHAP値を準備
shap_values = np.zeros(x.shape)
# 決定木のルートノードから始める
node = tree.tree_
# データサンプルを決定木に通し、そのパス上の各ノードで分割が行われた特徴量のSHAP値を更新
while node.value is not None:
# node.featureには現在のノードで分割が行われる特徴量のインデックスが、
# node.thresholdにはその閾値が格納されている
if x[node.feature] <= node.threshold:
shap_values[node.feature] += node.value - node.left.value # 左の子ノードへ
else:
shap_values[node.feature] += node.value - node.right.value # 右の子ノードへ
node = node.left if x[node.feature] <= node.threshold else node.right
return shap_values
この関数はあくまで簡易的なもので、真のTree SHAPアルゴリズムの全てを表現しているわけではありません。特に、特徴量の相互作用やルートノードから目的のノードまでの全てのパスを考慮していないなど、多くの点が省略されています。
真のTree SHAPアルゴリズムを完全に理解し、効率的に実装するには、論文の読解や既存の実装の解析(例えば、SHAPライブラリのソースコード)などを通じて深く学ぶことが必要です。
user:
「線形モデルやニューラルネットワークのような他のモデルタイプに適用するためには、それぞれ独自のアプローチが必要となります。」とありますが、より詳しく教えてください。
assistant:
決定木ベースのモデルと異なり、線形モデルやニューラルネットワークなどは特徴量の重要度や相互作用を直接的に計算する分割構造を持っていません。それぞれ異なるアプローチが必要となる理由と共に、それぞれのモデルに対するSHAP値の計算方法について説明します。
線形モデル
線形モデルは各特徴量の係数がその特徴量の重要度を表すため、係数の値をそのままSHAP値として解釈することができます。また、線形モデルは特徴量の相互作用を直接扱うことはないため、SHAP Interaction Valuesは常に0となります。
ニューラルネットワーク
ニューラルネットワークはBlack-Boxモデルであり、各特徴量の寄与を直接的に把握する構造を持っていません。そのため、Deep SHAP(DeepLIFTに基づくSHAP)やGradientExplainerなど、バックプロパゲーションを利用し、ネットワークの出力に対する各特徴量の寄与を計算します。
カーネルベースのモデル
カーネルベースのモデル(例えば、サポートベクターマシンやガウス過程など)やそれ以外の一部のモデルに対しては、カーネル SHAPという手法が使用されます。これは、モデルの出力をローカルに近似するためにカーネル回帰を使用します。この近似により生成された線形モデルの係数が各特徴量のSHAP値となります。
各モデルに対するこれらのアプローチは、モデルの予測を説明するために使われる特徴量の寄与を計算するためのものです。しかし最終的には、SHAPライブラリがこれらの方法を自動的に適用し、あるデータ点の予測の説明のための一貫したSHAP値を提供します。
user:
Deep SHAPアルゴリズムについて学ぶためのPythonコードを自作してください。その際に、コード中にて日本語でできるだけ詳しく説明を書いてください。
assistant:
Deep SHAPはDeepLIFTの概念に基づいていますが、DeepLIFTと異なり、Deep SHAPでは入力特徴量の不確実性を考慮します。概念的にはDeepLIFTが各特徴量がモデルの出力に対してどれだけ寄与したかを推定しますが、その際に背景データセット(つまり参照点または基準点と見なされるデータセット)に対する入力の差分を考慮します。以下に非常に簡単な例を示しますが、全体的なDeep SHAPのアルゴリズムは非常に複雑であり、通常は専用のライブラリを使って計算します。
import torch
import torch.nn as nn
from torch.autograd import Variable
# モデルを定義します。ここでは、単純な3層ニューラルネットワークを仮定します。
model = nn.Sequential(
nn.Linear(10, 20),
nn.ReLU(),
nn.Linear(20, 1),
)
model.eval()
# Deep SHAPの計算に使う基準となるデータセット
background_data = torch.randn(100,10)
# SHAP値を計算したいデータ点
input_data = torch.randn(10)
# ネットワークの順伝播を行なって予測値を計算します。
def forward(input_data):
return model(input_data)
# SHAP値の計算
contributions = []
for i in range(input_data.shape[0]):
input_data_plus = input_data.clone()
input_data_minus = input_data.clone()
# i番目の特徴量を増減させて予測への影響を計算
input_data_plus[i] = background_data[:, i].max()
input_data_minus[i] = background_data[:, i].min()
contribution = 0.5 * (forward(input_data_plus) - forward(input_data_minus))
contributions.append(contribution.detach())
shap_values = torch.stack(contributions)
print(shap_values)
このコードは、非常に単純な形でDeep SHAPの概念を示すもので、実際にはSHAPライブラリのような洗練されたライブラリを使うことで、より高度な、効率的な、そして精確な結果を得ることができます。
また、当然ながら、実際のユースケースでは、リファレンス(基準)データポイントとして予測したいデータ点が所属すると考えられるクラスや集団を適切に選択する必要があります。これは、リファレンスデータポイントがSHAP値の計算結果に大きな影響を与えます。
user:
GradientExplainerについて学ぶためのPythonコードを自作してください。その際に、コード中にて日本語でできるだけ詳しく説明を書いてください。
assistant:
GradientExplainerは、モデルの予測に対する入力特徴量の勾配を計算し、それらを特徴量の重要性として解釈します。
GradientExplainerは主にニューラルネットワークに対する説明を行いますが、一般的なニューラルネットワークの実装フレームワーク(KerasやPyTorchなど)では勾配の計算(バックプロパゲーション)が自動的に行えるため、専用の"GradientExplainer"クラスを用意する必要はありません。
以下は、PyTorchを用いてニューラルネットワークの出力に対する勾配を計算し、それを特徴量重要度として解釈する例です。
import torch
import torch.nn as nn
# 単純なニューラルネットワークを定義
model = nn.Sequential(
nn.Linear(10, 20),
nn.ReLU(),
nn.Linear(20, 1),
)
model.eval()
# 勾配の計算が必要なので、requires_gradをTrueに設定
x = torch.randn(10, requires_grad=True)
# 順伝播を計算
y = model(x)
# 勾配を初期化
model.zero_grad()
# 誤差逆伝播(勾配の計算)を実行
y.backward()
# xの勾配が特徴量の重要度
feature_importances = x.grad.detach().numpy()
ただし、これはあくまで最も直接的な方法であり、SHAPライブラリのGradientExplainerはこれに加えて、データのランダムサブセットについて勾配を平均化するなど、より高度な手法で重要度を推定します。
user:
Deep SHAP と GradientExplainer の共通点や相違点について詳しく説明してください。
assistant:
Deep SHAPとGradientExplainerはともにニューラルネットワークのモデル解釈に用いられ、各特徴量の予測に対する貢献度(SHAP値)を推定します。しかし、その方法論には大きな違いがあります。
- アプローチの違い:
-
**Deep SHAP(DeepLIFTに基づく)**では、背景データセット(i.e.,基準点)に対する各特徴量の影響を見ることで、その特徴量が予測にどれだけ貢献したかを計算します。つまり、予測に寄与する特徴量値の変化量を見るという考え方です。
-
一方、GradientExplainerはニューラルネットワークの出力に対する入力特徴量の勾配を直接計算します。この勾配は、特徴量の微小変化が予測に及ぼす影響の大きさを表しており、これを特徴量の重要度と解釈します。
- 評価の観点(局所 vs. 全体)の違い:
-
Deep SHAP は特徴量が基準値からどれだけ変化したかを考慮するため、ある意味で「局所的」な評価を行います。
-
一方、GradientExplainerは特徴量が微小に変化した時の予測の変化を評価しますが、その基準点がデータセット全体の特徴量の分布によって決定されるため、「全体的」な評価を行います。
これらの違いから、モデルの特性やデータの性質によって、最適な説明方法は異なる場合があります。また、計算のコストや解釈の容易さも考慮して、どの手法を用いるべきかを選択する必要があります。
user:
カーネルSHAPについて学ぶためのPythonコードを自作してください。その際に、コード中にて日本語でできるだけ詳しく説明を書いてください。
assistant:
以下の1つのサンプルデータに対するカーネルSHAP(Kernel SHAP)のシンプルな例を示します。カーネルSHAPは一般的にブラックボックスのモデルに対して使用されます。カーネルSHAPは特徴量の部分集合でモデルをローカルに近似し、その近似により特徴量の重要度(SHAP値)を求めます。
尚、完全なカーネルSHAPの実装は複雑かつ時間がかかり、効率的な計算には高度な最適化が求められるため、本当に正確なSHAP値を求める際には SHAP
ライブラリをご利用いただくことを推奨いたします。
以下の実装は、あくまでカーネルSHAPの考え方について理解を深めるためのものであり、一部の制約や最適化を省略しています。
import numpy as np
from sklearn.linear_model import LinearRegression
from itertools import combinations
# モデルを学習
X = np.random.normal(0, 1, (100, 3))
y = X[:, 0] + 2 * X[:, 1] + np.random.normal(0, 0.1, 100)
model = LinearRegression().fit(X, y)
# SHAP値を計算したいデータ点
x = np.array([0.5, 0.5, 0.5])
# 特徴量の部分集合の全ての組み合わせを評価
shap_values = np.zeros(3)
weights = np.zeros(3)
for i in range(3):
for subset in combinations([0, 1, 2], i + 1):
subset = list(subset)
# 特徴量の部分集合でモデルを近似
subset_model = LinearRegression().fit(X[:, subset], y)
# 部分集合で近似したモデルと元のモデルの予測値の差がSHAP値
diff = model.predict([x]) - subset_model.predict([x[subset]])
# 各特徴量に差を分配
for j in subset:
shap_values[j] += diff
weights[j] += 1
# 利用回数で調整
shap_values /= weights
print(shap_values)
この実装では、各特徴量の部分集合でモデルを近似し、その近似の結果から元のモデルとの差(=SHAP値)を計算しています。ただし、特徴量の部分集合は全ての可能な組み合わせ(パワーセット)を評価しているため、特徴量の数が多い場合には計算コストが高くなります。
なお、この実装では重み(=SHAP値を求めた回数)でSHAP値を平均化していますが、真のカーネルSHAPでは各特徴量の部分集合の重要度を評価するための特別なカーネル関数が用いられます。
user:
ありがとうございます。ここまで、さまざまな種類のSHAP値について説明していただきましたが、まとめの文章を書いてください。
assistant:
SHAP値は、ある特徴量がモデルの出力にどれだけ影響を与えたかを定量的に評価するための手法です。あるデータ点について、特徴量が増えればそのデータ点の予測値もまた増加し、SHAP値もその分だけ増えます。逆に、特徴量が減れば予測値とSHAP値も減少します。
SHAP値は一連の理論に支えられていますが、具体的には以下の4つのSHAP値があります。
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Tree SHAP: 決定木やランダムフォレスト、勾配ブースティングモデルなどの決定木ベースのモデルに対して適用します。これらのモデルでは、各特徴量の分割によって予測値がどれだけ変化したかを追跡することでSHAP値を計算します。
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Linear SHAP: 線形モデルの係数を直接的にSHAP値として解釈します。したがって、特徴量の重みそのものがその特徴量のSHAP値を表します。
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Deep SHAP: ディープラーニングモデルの説明に使用されます。Deep SHAPはDeepLIFTという手法に基づいており、基準となる背景データセットに対する特徴量の変化を考慮することでSHAP値を計算します。
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Kernel SHAP: ブラックボックスのモデルに対する説明に使用されます。Kernel SHAPは特徴量の部分集合に対するモデルの出力を近似することでSHAP値を計算します。
すべてのSHAP値が共通して持つ特性として、一貫性、対称性、そして加法性があります。つまり、どの種類のモデルやデータに対しても、これらのプロパティは保証されます。ただし、計算の手法やその適用が最も効果的なモデルのタイプは、SHAPの種類によって異なります。
user:
これらのSHAP値は数学的に等価なのでしょうか?等価である気があまりしないのですが。
assistant:
いいえ、それぞれのSHAP値は等価ではありません。それぞれのSHAP手法は特定のタイプのモデルや特定のコンテキストに対して効率的に計算を行うために設計されています。
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Linear SHAPは線形モデルに対して直接使用でき、モデルの各係数がその特徴量のSHAP値に直接対応します。これは線形モデルの解釈のシンプルさを利用しています。
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Kernel SHAPはモデルの出力を特徴量の調整値によって局所的に近似し、その近似によってSHAP値を求めます。Kernel SHAPはブラックボックスのモデルに最も適していますが、計算コストが高いという欠点があります。
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Tree SHAP は決定木型のモデル(決定木、ランダムフォレスト、勾配ブースティングなど)に最適化されています。特徴量の分割点を使って効率的にSHAP値を計算します。
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Deep SHAP は深層学習モデルに最適化されています。入力特徴量の背景データセットに対する差異を考慮してSHAP値を計算します。
それぞれの方法論が適用されるモデルや状況により、SHAP値の結果も異なる場合があります。したがって、これらは数学的に等価ではなく、それぞれの手法が特定の状況下で最も効果的であると考えられます。
user:
たとえばですが、ある特徴量が、ある領域では目的変数と正に相関して、別の領域では目的変数と負に相関するような場合、SHAP値はどうなるのでしょうか?
assistant:
SHAP値は基本的に、ある特徴量がモデルの予測にどれだけ寄与したかを特定のデータポイントについて評価するものです。従って、ある特徴量がある領域では目的変数と正に相関し、別の領域では目的変数と負に相関するような場合でも、その特徴量のSHAP値はそのデータポイントの値とモデルの予測との関係によって決まります。
したがって、その特徴量が目的変数に正に寄与する領域のデータポイントでは、その特徴量のSHAP値は正になるでしょう。逆に、その特徴量が目的変数に負に寄与する領域のデータポイントでは、SHAP値は負になるでしょう。
したがって、その特徴量全体のSHAP値(すべてのデータポイントでのSHAP値の平均)を見ると、その特徴量がモデルの予測に対してどのように影響を与えるのか、全体像を理解することができます。すなわち、その特徴量がある領域では正に、別の領域では負に寄与することがわかるでしょう。
ただし、特定のデータポイントのSHAP値を解釈する際には、特徴量の寄与が正であるか負であるかだけでなく、その特徴量の値がどの領域に位置しているか(つまり、データの分布のどの部分を見ているか)にも注意が必要です。
user:
なるほど。そういえば、SHAP値は、特定のデータポイントに対する値でしたね。でも機械学習の特徴選択に用いる場合は、特徴量全体のSHAP値について考えることがほとんどで、特定のデータポイントに対するSHAP値はほとんど考えないような気がします。
assistant:
その通りです。特に特徴選択の観点から見ると、全体的な視野で各特徴量がどれだけ予測に貢献しているかを理解することが重要です。
具体的には、各特徴量のSHAP値の平均(絶対値)を計算して全体の貢献度を評価します。大きな平均SHAP値を持つ特徴量は、モデルの予測に大きく寄与していると解釈できます。これらの特徴量は通常、モデルの性能にとって重要であると考えられ、したがって特徴選択の際には保持されます。逆に、小さな平均SHAP値を持つ特徴量は貢献度が低いと見なされ、特徴選択の過程で除外される可能性があります。
ただし、特定のデータポイントのSHAP値を見ることは、特定の予測がどのように行われたかを説明するのに役立ちます。この情報は、モデルがあるデータポイントについて誤った予測を行った場合の診断や、モデルの予測が実際の世界の意思決定にどのように影響を与えるかを理解するのに非常に有用です。
user:
しかしながら、各特徴量のSHAP値の平均(絶対値)を計算して全体の貢献度を評価するということは、局所的に重要であっても、平均を取れば0になってしまうような場合は、その特徴量は見過ごされてしまうということになりますよね。
assistant:
はい、その通りです。特徴量がデータの特定の領域で非常に重要であるものの、全体を通して見るとその重要度が相殺されてしまうようなケースでは、平均的なSHAP値に基づく特徴選択ではその特徴量が見過ごされてしまう可能性があります。
これは、モデルがデータの特定の領域でも非常に有用である特徴量を見落としてしまうという、潜在的な問題を示しています。このような現象は特に、特徴量の影響が非線形であるか、または特徴量間の交互作用が存在する場合に起こりやすいです。
したがって、特徴選択を行う際には、単に平均的なSHAP値に基づいて特徴量の重要度を評価するだけでなく、他のさまざまな観点からデータを網羅的に調査することが大切です。たとえば、特徴量の重要度の分散を調べることで、特定の領域で重要な特徴量を見逃さないようにできます。また、パーシャル依存プロット(Partial Dependence Plot)などの他の可視化手法を用いると、特徴量の影響がどのように変化するかを理解するのに役立ちます。
user:
RandomForestによる重要度算出においては、どうなのでしょうか?局所的に重要であっても、平均を取れば0になってしまうような場合は、やはり見過ごしてしまうのでしょうか?
assistant:
ランダムフォレストにおける特徴量の重要度は、各特徴量がモデルの精度にどれだけ寄与しているかを評価するためのもので、各木の各分岐での特徴量の使用頻度や、それによってどれだけ平均的に予測精度が向上したか(ジニ不純度が減少したかなど)を基に計算します。
そのため、全体的に見てその特徴量がモデルの予測性能向上に貢献している場合、その特徴量は重要とみなされます。しかし、局所的には重要だが全体を通じてその貢献度が小さい、または互いに打ち消し合うような特徴量については、その重要性は低く評価される可能性があります。
一方で、ランダムフォレストは非線形な関係性や特徴量間の交互作用を反映する能力があるため、こうした局所的な効果を捉える可能性もあります。
しかし、そのような局所的な重要性を正確に把握するためには、SHAP値のようなモデル解釈手法を補助的に使用することで、より詳細かつ精緻な解釈を得ることが可能です。
user:
パーシャル依存プロット(Partial Dependence Plot)について、詳しく教えてください。
assistant:
パーシャル依存プロット(Partial Dependence Plot, PDP)は、特定の特徴量がモデルの予測にどのように影響を与えるかを視覚化するためのツールです。
PDPは、選択した特徴量を固定し、その他の特徴量をランダムにサンプリングしながら、選択した特徴量を変化させることで予測値がどのように変化するかをプロットします。結果的に、特徴量の値と予測値との関係を示す曲線(または曲面)を得ることができます。
具体的な手順は以下のようになります:
- 特徴量Xを選択します。
- 特徴量Xの範囲(または一連の値)を選びます。
- 各値について、特徴量Xをその値に設定し、それ以外の特徴量をデータからランダムにサンプリングします。
- 上記の値でモデルを実行し、予測値を取得します。
- 步、取得した予測の平均値を取得します。
- 平均予測値を特徴量Xの値に対してプロットします。
PDPは非線形な特徴量と目標変数の関係や、特徴量の影響がモデル全体でどのように変化するかを理解するのに非常に有用です。ただし、特徴量間の相互作用を直接的には捉えることができないため、この点は注意が必要です。うまく特徴量間の相互作用を捉えるためには、PDPのバージョンであるAccumulated Local Effects(ALE)プロットや、特徴量間の相互作用を明示的に示すための特徴量間相互作用のPDPなどが使用されます。
user:
わかりました。パーシャル依存プロットやAccumulated Local Effects(ALE)プロットなどについては、また今度、詳しくお伺いしようと思います。
assistant:
承知しました。ぜひ、お気軽にご質問ください。パーシャル依存プロットやAccumulated Local Effects(ALE)プロットは、モデルの理解と解釈を深めるのに非常に有用なツールであり、それぞれが特定の目的や状況に対して良い洞察を提供することができます。これらの手法の更に詳細な説明や、それらがどのように使用されるかについてのご質問がある場合は、いつでもお知らせください。
user:
以上の議論を踏まえまして、SHAPについて詳しくまとめてください。
assistant:
SHAP(SHapley Additive exPlanations)は、機械学習モデルの解釈を可能にする技術です。各特徴量がモデルの予測にどの程度影響を与えたかを定量化することで、モデルの特定の予測を詳しく説明します。
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SHAPは特徴量の「重要度」を計算しますが、それは全体平均ではなく特定のデータポイントに対する特徴量の影響を評価します。つまり、あるデータポイントについて各特徴量が結果にどれだけ影響を与えたかを示します。
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SHAP値が高い特徴量は、その予測についてより重要であると言えます。また、SHAP値が正であればその特徴量が予測値を増加させ、負であれば減少させることを示します。
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しかし、SHAP値は局所的な解釈を提供します。局所的に重要だが全体的にはその影響が小さい、あるいは数値的に打ち消し合ってしまうような特徴量については、その重要性が見過ごされる可能性があります。
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SHAP値を計算するためにはいくつかの方法があり、それぞれが特定のタイプのモデルや状況に対して最も適しています。Linear SHAP, Kernel SHAP, Tree SHAP, Deep SHAPなどがあります。
重要な点として、SHAPは単独で使用するだけでなく、他の解釈手法(例えば、パーシャル依存プロットやAccumulated Local Effectsプロットなど)と組み合わせて使うことで、より完全な絵を描くことができます。これにより、特徴量の影響が非線形であったり、特徴量間の相互作用が存在したりする場合でも、それらを適切に考慮に入れることが可能となります。
user:
ありがとうございました。最後に、これまでの議論を踏まえたギャグを創作してください。
assistant:
機械学習モデルがSHAPについて学習しようとしたら、
モデル:「SHAP値って、特徴量が予測にどれだけ影響したかを教えてくれるんだよね?」
教師:「そうだよ、特に各データポイントでね。」
モデル:「でも、ある領域での影響と、別の領域での影響が全然違うってこともあるよね?」
教師:「うん、あり得るよ。あるデータポイントでは正の寄与を、あるデータポイントでは負の寄与をする可能性もあるからね。」
モデル:「じゃあ、そういう特徴量については、その重要性が見過ごされてしまうこともあるの?」
教師:「うん、全体の影響を見る時にはその可能性があるね。」
モデル:「なるほど…それなら、僕も失礼して一つ、見過ごすことにするよ。」
教師:「え?何を?」
モデル:「あなたが僕にトレーニングデータ以外のチョコレートを一切くれなかったこと。」
教師:「それは全体の平均SHAP値に大きな影響を与える重要な特徴量だと思うよ!」
モデル:「うーん、もしチョコレートがあれば、もっと良いパフォーマンスを発揮できるかもしれないけどね…」