はじめに
ACRの開発において、30年以上IT業界に身を置いてきた中で、これまでの知識や経験を改めて見直す機会となった。
「理解しているつもりだったこと」が、今回の開発を通してようやく腑に落ちた部分も多い。
こうした整理ができたのは、やはりAIの力が大きいと感じている。
昔のIT業界では、よほど優秀な新人でもない限り、数年も経てば「それくらい自分で調べろ」「マニュアルを読め」「英語の書籍を当たれ」と言われるのが当たり前だった。
いわゆる「背中を見て覚えろ」という時代である。
USのソフトウェア会社に在籍していた頃を思い出すと、今では良い経験だったと感じる。
⸻
今にして思えば、「OSS(オープンソースソフトウェア)」という言葉を強く意識したのは2000年前後だった。
その背景には、Linuxがインターネットサーバとして本格的に普及し始めた時代がある。
さらに遡ると、1990年代には「Free Software」という呼び方が一般的で、
例えば Netscape Navigator などがその文脈で語られていた記憶がある。
⸻
コマンドラインとは
さて、本題に戻る。
今回のACR開発における最大のテーマは、「どうやって使ってもらうか」であった。
ACRは、
• デザイナーで帳票の描画定義を作成
• エンジンがデータを取り込み描画する
という構成になっている。
つまり、テンプレートとデータをどのように受け渡すかが重要になる。
その検証も兼ねて、コマンドライン版の ACR-CLI を開発した。
⸻
Githubのコマンドライン
開発を進める中で、Gitについても改めて理解が深まった。
普段はGUIツールを使っていたため意識していなかったが、Gitの本質はあくまでコマンドである。
今回は、公開ツールが4種類に加え、Windows / Mac / Linux のマルチプラットフォーム対応だったため、
GUIツールだけでは対応しきれなかった。
特にMacに関しては、Appleの制約や承認プロセスがあり、AIの支援がなければ対応は難しかったと感じている。
最近は、黒い画面(コマンドライン)を敬遠する人も多いが、改めてコンピュータの基礎はコマンドにあると実感した。
A:> taro → 一太郎起動
A:> 123 → Lotus 1-2-3 起動
MS-DOSの時代、NECのPC-9800でAドライブから起動していた頃を思い出す。今となっては、はるか昔の話である。
⸻
今後について
ACRは現在、CLIおよびHTTPベースでの帳票生成を実現しているが、今後はさらに対応範囲を拡張していく予定である。
• Wasmによるブラウザ実行
• ESC/POS / ZPL / SBPL / TPCL など各種プリンタ制御への対応
• よりシンプルなデータ連携インターフェースの整備
これにより、環境や言語に依存せず、
「どこからでも同じ帳票を出力できる仕組み」を実現していきたいと考えている。