AIを学ぶ上でおすすめ書籍
「AIを使って考えるための全技術」
AIを用いた帳票アプリの開発を本格的に開始してから、約半年が経過した。
初期の段階では、AIの仕様や特性を十分に理解しないまま開発を始めたため、その性能に驚きつつも、キーボード越しでありながら人と会話しているような感覚になり、出力内容を容易に信用してしまっていた。
アプリの仕様についても詳細な情報を提示してくるため、なおさら信頼してしまう傾向があった。
しかし、作業が進むにつれて「昨日までできていたことが急にできなくなる」という現象が発生し、調査を行った結果、コードが意図せず変化していることが確認された。
改めて整理すると、AIは日々進化しており、問い合わせ内容に対してその時点での最適解を返す仕組みである。
そのため、推論をベースに「より良い」と判断した変更を、意図せず提案・反映してしまう特性がある。
この点を理解せずに利用すると、開発の一貫性が崩れる要因となる。
書籍との出会い
そのような状況の中で、後輩のS氏に薦められたのが
「AIを使って考えるための全技術」(著者:石井力重/ダイヤモンド社)
である。
かつてはIT関連書籍を数多く読んでいたが、起業後は実務中心となり、体系的に学ぶ機会が減っていた。
しかし、本書は非常に示唆に富んでおり、新たな視点を得る良い機会となった。
全13章にわたる内容は多岐にわたり、実際の開発手法と照らし合わせながら実践可能な構成となっている。
特に「妥当性の検証」に関する考え方は非常に有用であり、プロジェクトを進める上で常に意識すべき重要な要素であると感じた。
(詳細は割愛するが、実務への影響は非常に大きい)
帳票開発という領域
ACRの開発は、エンジン・デザイナーともにAIを活用して進めているが、帳票アプリケーションの開発は本来、非常にコストの高い領域である。
- 開発人数:8〜12人
- 開発期間:約3年
- 開発費用:200万〜400万ドル
(約2億1,000万円〜4億3,000万円相当)
この規模感から見ても、AIを活用した開発の意義は非常に大きい。
Rustとの向き合い
今回の開発では、新しい言語であるRustを採用している。
Rustは、言語仕様や特性の理解に一定の時間を要する。
特に所有権(Ownership)の概念については、慣れるまでに時間が必要であった。
これまで、C#、VB.NET、Java(Android)、Objective-C、Swift、JavaScript、Pythonといった言語を利用してきたが、それらと比較してもRustは明確に異なる設計思想を持っている。
一方で、その実行性能(高速性)には大きな驚きがあり、64bit時代に適した言語として今後の発展が非常に期待される。
また、コンパイル時に多くの不具合を検出できる厳格な仕様は、AIとの相性が良く、開発品質の向上にも寄与している。
まとめ
- AIは「常に最適化する存在」であり、一貫性は保証されない
- 妥当性の検証はAI時代の必須スキルである
- 帳票開発は本来高コストだが、AIにより変革が可能
- Rustは学習コストは高いが、それ以上の価値がある
ACRの開発は現在、最終段階に入っており、近日中に公開予定である。