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ポケモンに学ぶシステム開発【第5章:闇育成編 第2話】~厳選~

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Last updated at Posted at 2026-06-16

:blue_book: シリーズまとめ

はじめに

前回の記事では、廃人育成を通して「成長への執着」について整理しました。

しかし、ポケモンのやり込み要素はそれだけではありません。

対戦勢の世界には、もう一つ有名な文化があります。

それが「厳選」です。

  • 個体値
  • 性格
  • 特性

理想のポケモンを手に入れるために、同じ作業を何度も繰り返します。

外から見ると、「そこまで違うの?」と思われることもあります。
しかし本人にとっては重要です。

システム開発にも似たような場面があります。

今回は、

  • エンジニアにとっての厳選とは
  • なぜ設計は終わらないのか
  • 完璧主義が生まれる理由
  • 品質と効率のバランス

を、ポケモンの「厳選」として整理します。

厳選とは

ポケモンでは、

  • 個体値
  • 性格
  • 特性

などによって能力が変わります。

そのため対戦勢は、

  • 理想個体を探す
  • 何度も育成する
  • 少しでも有利な条件を求める

ことを繰り返します。

理論上は少しの差です。

しかし、その少しの差が勝敗を分けることがあります。
だから厳選します。

そして厳選には終わりがありません。
もっと良い個体がいるかもしれないからです。

これは開発現場でもよく見られる光景です。

エンジニアにとっての厳選とは

  • 設計パターンの選定
  • フレームワークの選定
  • ライブラリの選定
  • データベース設計

どれも、「どれが正解か」を考え始めると終わりがありません。

例えば、

  • A案でも実現できる
  • B案でも実現できる
  • C案も悪くない

という状況は珍しくありません。
すると、「もっと良い方法があるのでは?」と考え始めます。

まさに厳選です。

なぜ設計は終わらないのか

設計が難しい理由は、正解が存在しないからです。

  • 保守性を重視する
  • 性能を重視する
  • 開発速度を重視する

では最適解が変わります。

つまり、何を重視するかによって答えが変わるのです。

だから設計者は悩みます。
そして経験を積むほど、

  • この問題も気になる
  • あのリスクも気になる

ようになります。

知識が増えるほど、選択肢も増えるのです。

完璧主義が生まれる理由

エンジニアは真面目です。

そのため、

  • バグを減らしたい
  • 美しい設計にしたい
  • 将来困らないようにしたい

と考えます。
これは素晴らしいことです。

しかし、その気持ちが強くなりすぎると、

  • レビューが終わらない
  • 設計が終わらない
  • 実装が始まらない

という状態になります。

いわゆる「完璧主義」です。
厳選も同じです。
理想個体を追い続けると、いつまで経っても育成が終わりません。

良いエンジニアはどこで妥協するのか

経験豊富なエンジニアを見ると、意外なほど妥協が上手です。
もちろん品質は大切にします。

しかし同時に、

  • 期限
  • 予算
  • チーム体制

も理解しています。

そのため、「完璧ではないが十分良い」という地点で決断できます。

これは技術力の一つです。
妥協は手抜きではありません。
限られた条件の中で最適解を選ぶ能力なのです。

品質と効率のバランス

厳選と品質

厳選することで、

  • 設計ミス
  • 技術選定ミス
  • 将来の問題

に気付きやすくなります。
結果として品質が向上します。

経験豊富なエンジニアほど、「その選択は危険かもしれない」と気付けることがあります。

厳選と思考力

比較検討を繰り返すことで、

  • 判断力
  • 分析力
  • 設計力

が向上します。

なぜA案ではなくB案なのか。
その理由を考えること自体が成長になります。

厳選と再利用

技術選定や設計で悩んだ経験は、次の案件でも活かせます。
厳選経験が増えるほど、判断速度と精度が向上していきます。

厳選の危険性

① 終わらなくなる

最大の問題はこれです。

  • もっと良い設計があるかもしれない
  • もっと良いライブラリがあるかもしれない
  • もっと良い実装方法があるかもしれない

と考え続けると、永遠に決められません。

しかしプロジェクトには期限があります。
どこかで決断しなければなりません。

② コストを忘れる

品質向上にはコストがかかります。

例えば、

  • 設計に10時間かける
  • 設計に100時間かける

では結果が違います。
しかし品質が10倍になるとは限りません。

最後の数%を改善するために、膨大なコストを使うことがあります。

これは厳選でも同じです。
理想個体を求める時間に対して、得られる効果は小さいかもしれません。

③ 完璧を求めて何も作れなくなる

設計だけを続けていると、システムは完成しません。
実際に価値を生むのは、

  • 設計書
  • 議論
  • アイデア

ではなく、動くシステムです。

厳選されたポケモンも、戦わなければ意味がありません。

本当に強い人とは

初心者の頃は、正解を探そうとすることが多いです。
しかし経験を積むと「多くの場合、正解は存在しない」ということに気付きます。

存在するのは、

  • より適した選択
  • より現実的な選択

だけです。

本当に強い人は、完璧な答えを探し続ける人ではありません。
限られた時間の中で、最善の判断を下せる人です。

おわりに

厳選とは、より良いものを追い求める文化です。

その結果として、

  • 高品質な設計
  • 深い技術理解
  • 優れた判断力

が生まれます。

しかし同時に、

  • 完璧主義
  • 判断の先送り
  • コスト増大

という危険もあります。

重要なのは、完璧を目指すことではなく、適切な地点で決断することです。

エンジニアの仕事も同じです。

理想を知りながら、現実の中で最適解を選ぶ。
それこそが、真の意味での「厳選」なのかもしれません。


次回予告

次回は、

  • エンジニアにとっての色違いとは
  • 希少性と実力の違い
  • なぜ人は色違いを求めるのか
  • 本当に価値のある希少性とは

について整理します。

:blue_book: シリーズまとめ

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