■要件整理とは
目的:
クライアントのニーズを理解し、それをシステムとして実現可能な「要件」に落とし込むための準備を行う。
作業内容:
ヒアリングや現状分析から、クライアントの具体的な「要望・要求」を収集する。
収集した要望を分析し、機能要件(システムの機能そのもの)や非機能要件(性能、セキュリティなど)に分類・整理する。
体系化した要件に優先順位をつけ、プロジェクトのスコープ(範囲)を定めていく。
■要件定義とは
目的:
整理された要件に基づき、システムが満たすべき具体的な機能、性能、技術的な要件などを明確に定め、「要件定義書」として文書化すること。
作業内容:
要件整理で明確化された要件を基に、クライアントのニーズを満たすシステムの具体的な仕様を定義する。
機能要件・非機能要件・技術要件などを詳細にまとめ、開発チームとクライアント間で共通認識を形成する。
設計・実装工程で手戻りや誤解が生じないよう、詳細な仕様を明確にすることが重要である。
両者の関係
要件整理は、要件定義を行う前段階のフェーズにあたる。
十分な要件整理が行われなければ、正しい要件定義はできない。
例えるなら
要件整理:
「旅行に行きたい」という漠然とした願望から、行き先、予算、同行者などの具体的な希望(要望)を洗い出し、現実的に可能なプランへと絞り込む作業。
要件定義:
洗い出された希望(要件)を基に、具体的な宿泊先、交通手段、日ごとの観光ルートなどを決定し、旅程表に落とし込むこと。