先に結論だけ
Claude Code Skillは、あらゆるタスクに適しているわけではありません。最初の一歩として、Skill化に適した課題の判断基準を、Qiitaタグ検証Skillを具体例に紹介します。
はじめに
Qiita投稿時、タグの存在確認と人気度調査は手間のかかる作業です。「今から投稿するこのタグ、本当に存在する?」「人気のあるタグ?」といった疑問を、私は手動で調べていました。
この記事では、こうした課題をSkillで解決する方法を紹介します。ただし、すべての課題がSkill化に適しているわけではありません。どのような課題がSkill化に向いているのか、その判断基準を理解することが、最初のSkill設計で重要なポイントです。
対象読者
- Claude Codeを使い始めたばかり
- Skillをはじめて作る方
対象環境
- Claude Code v2.1.7
Skill化に適した課題とは
Skill設計の第一歩は「本当にこの課題はSkillで解くべきなのか」という判断です。
完全自動化すべき課題
プログラムで完結する課題はSkill化の必要がありません。
たとえば「Gitリポジトリの変更ファイル一覧を取得する」「依存パッケージのバージョンを一括更新する」といった課題は、シンプルなスクリプトや公開ツールで十分です。入力と出力が明確で、判断を挟む余地がない処理はSkill化する必要がありません。
Skill化に適した課題
終了条件がLLMで判断可能な課題はSkill化に適しています。
「このタグは存在するか」という判断は、APIレスポンスの有無で即座に決定できます。「提示された表記揺れバリエーション(JavaScriptなのかJSなのか)を見て、どちらが正式名称か」といった判断もLLMが得意です。
Skillの終了は「存在確認とバリエーション展開が完了した」という明確なポイントで判定できます。
Skill化に適さない課題
オープンエンドな問題設定の課題はSkill化に適しません。
「この記事に最適なタグを5つ提案する」というように終了条件が曖昧な場合、LLMの回答も発散しやすくなります。「最適」の定義が主観的だからです。
ユーザーも「ここで止めるべき」というポイントを判定できなくなり、何度も試行錯誤することになります。
タグ検証Skillの設計
Qiitaのユーザーにとって、タグの検証はSkill化に適した身近な課題です。ここからは具体的な設計を見ていきます。
実装上の課題
実装の課題は2つあります。
まずAPIから取得したデータをどう解釈するか。レスポンスには items_count と followers_count が含まれますが、これらをどう組み合わせて「価値のあるタグ」と判断するのか。
次に表記揺れの処理をどこに入れるか。ユーザーが「JS」と省略形で入力したとき、どのタイミングで「JavaScript」に正規化するか。
これらの判断をLLMに任せられることが、このSkillの強みです。
Qiita API v2の活用
GET /api/v2/tags/:tag_id エンドポイントを使い、レートリミット60回/時間の範囲で情報取得します。レスポンスには items_count(そのタグが付与された記事数)と followers_count(フォロワー数)が含まれます。
APIの呼び出しにはClaude CodeのWebFetchツールを使います。URLとプロンプトを指定するだけで、レスポンスを取得してLLMに解釈させられます。
このSkillは最大5タグを検証する設計です。
APIはQiitaがサーバーを運用して提供しているサービスです。短時間に何度もAPIを呼び出すと、サーバーに負荷がかかり、他のユーザーにも影響が出ます。レートリミット(60回/時間)は「ここまでなら許容する」という上限であり、「60回使い切ってよい」という意味ではありません。
必要なときに必要な分だけ使う、という意識を持ちましょう。
自然言語処理の活用
API解釈と表記揺れ処理は、LLMを活用することで実装が容易になります。
表記揺れへの対応
省略形(JavaScript vs JS)、日本語/英語(機械学習 vs MachineLearning)など、表記揺れに対応します。
ユーザーが「JS」と省略形で入力しても、Skillは「JavaScriptのことだな」と理解して検証できます。
正規表現やマッピングテーブルを用意する方法でも実現できますが、LLMを使えばプロンプトに「表記揺れを考慮して」と書くだけで済みます。
新規タグへの例外処理
まだ記事がない新技術についてタグを作成する先駆者を支援する設計です。
その技術について最初に記事を書く人は「このタグはまだ存在しない」という結果を受けて、新規タグ作成の判断ができます。
APIが404を返した場合、単なるエラーとして棄却せず、新規タグの可能性として扱うようプロンプトで指示しています。
実行例
Gistで公開しているSkill全文を参照し、手元で試してみてください。
プロンプトを改造して出力の変化を確認することで、Skillの動作原理を理解できます。
まとめ
本記事では、Qiitaタグ検証Skillを題材に、Skill化判断の基準を紹介しました。
- Skill化の判断基準: 終了条件がLLMで判断可能な課題はSkill化に適している
- API連携の実装パターン: WebFetchでAPIを呼び出し、LLMにレスポンスを解釈させる
- 自然言語処理の活用: 表記揺れ対応や例外処理をプロンプトで簡潔に実装できる
これらの知見は、他のAPIを使ったSkill設計にも応用できます。