2024年、クラウド自動化プラットフォーム「Power Automate」の開発環境に、Microsoftの AI(Copilot)を使った開発支援機能「Copilot in Power Automate」が搭載されました。これにより、ワークフロー・ビジネスロジックの構築経験がない方でも、手軽にクラウドフローの開発およびカスタマイズができるようになりました。
今回は、Copilot in Power Automateを使って簡単に業務フローを構築する方法を共有いたします。
※本記事に掲載の画面イメージは、2024年10月時点のものです。
◆クラウドフロー作成イメージ
こちらは、「Copilot in Power Automate」を使って構築したクラウドフローの完成イメージです。
① メールを受信したタイミングでフローを実行
② メールの内容(本文・添付ファイル)をOneDriveに格納
③ Teamsのチャットに通知
◆クラウドフロー前提条件
「Copilot in Power Automate」を利用するための条件は以下の通りです。
・Microsoft 365ライセンス(Business あるいは Enterprise)
※Power Automate for Office365、OneDrive for Business、Excel Online が含まれます。
フローを構築する場合、ユーザーに対し上記サービスを有効化する必要がございます。
◆クラウドフロー構築手順
1)Power Automateホーム画面より「マイフロー」を選択し、「新しいフロー」-「記述して作成する」を選択します。
2)入力欄にプロンプトを入力し、「送信」をクリックします。
入力するプロンプト(例)
#概要
受信したメールの情報(文面、添付ファイル)を、OneDriveに格納する。
また、メールの着信情報をチャットTeamsに通知する。
#処理の流れ
1)受信したメールの件名と本文を、OneDrive上にあるEXCELファイルに追加する。
2)受信したメール添付ファイルを保存するためのフォルダを、OneDrive上に作成する。フォルダ名は、[受信日時]-[件名]とする。
3)作成したフォルダに、受信したメールの添付ファイルを書き出す。
4)受信したメールの概要を、Teamsチャットに通知する。
#EXCELファイル名
InboxData.xlsx
#EXCELファイル項目
受信日時、差出人、件名、本文
#フォルダ名
[受信日時]-[件名]
3)プロンプトを元に自動生成されたフローの案が表示されます。提示された内容が想定と大きく異なる場合、「別の提案を表示する」をクリックします。
4)別のフローの案が表示されます。提示された内容が想定に近いものであれば、「次へ」をクリックします。
5)フローから参照するサービスへの接続が有効であることを確認し、「フローを作成」をクリックします。
6)フローが自動生成されます。「正しくないパラメーター」と表示されるアクションを選び、詳細を確認しながらパラメーターを設定します。
7)パラメーターを設定し、エラーメッセージが表示されないことを確認した後、「保存」をクリックします。これでフローは完成です。
※フローを正常動作させるために、一部アクションの追加・変更を行っております。
◆クラウドフロー構築時間の比較
上記のサンプルと同じ構成のクラウドフローを手動で構築した場合、約30~40分ほどかかります。
「Copilot in Power Automate」を使用した場合、構築にかかる時間は15~20分程度になりますので、約30~50%程削減される結果となります。
◆注意事項
別記事でご紹介させていただいた「Copilot in Power Apps」と共通する部分もありますが、注意事項としては以下の通りです。
・クラウドフローを開発する上での最低限のスキルは身に着けておくこと。
Copilot in Power Automateで出来る範囲としては、サンプルを提供するのみであり、フローの完成形を提供してくれるわけではありません。
Copilotで対応できない細かな設定を自身で行えるよう、あらかじめスキルを身につけておく必要があります。
(例:アクションに対するパラメータの設定、エラー発生時の処理 等)
・テナントによって、Copilotが無効化されている場合がある。
ご利用のテナントによっては、テナントの設定でCopilot in Power Automateが無効化されている場合があります。(既定では有効)
Copilotのメニューが表示されない場合は、テナント管理者への確認が必要となります。
・接続先サービスへの接続確認は、予め行っておくこと。
クラウドフローから接続するサービスの利用権限がない場合、作成したフローが正常に動作しません。
接続先のサービスが利用可能(接続可能)であるか、予め確認が必要になります。
特定のサービスが利用できない場合、代替アカウントで接続するか、テナント管理者に確認する必要があります。
・クラウドフロー構築後のテストは、開発者自身で行うこと。
Copilot in Power Automateはクラウドフローの大枠の構築は行ってくれますが、テストまでは行ってくれません。
構築を行った後は、開発者自身でテスト実行を行い、想定通りの動きをするかの確認が必要になります。
◆まとめ
Copilot in Power Automateを使用することで、非技術者でも簡単に業務プロセスを自動化し、生産性向上に寄与することができます。
また、Copilot in Power Automateは発展途上の機能であるため、今後さらに機能拡張される可能性があります。今後のアップデート情報にもご注目ください!
最後に
テンダでは、「こんなプロジェクトに挑戦したい」「こんなチームで働きたい」「理想のチームを創りたい」と願う仲間を求めています。
カジュアル面談も随時受付中です。ぜひ一度お話ししましょう!