この記事はIoTLT Advent Calendar 2019の12/24記事です。
自己紹介や経緯
オオカワと言います。常勤はウイングアーク1st(株)データエンパワーメント調査室の室長をしています。
官公庁や地方自治体、経済団体などで中堅中小企業向けに講演を沢山しているんですが、講演後に「具体的にIoTの何かを作ってみたい。体験してみたい。」というお話を多くいただきます。ただシステム担当者がいない中堅中小企業も多く、以下のような要件を満たす現実的な「小さな第一歩」がなかなか見つかりませんでした。
- プログラム未経験者が自力で作れる
- 実際の現場で使うイメージが持てる
- ちょっと頑張れば本当に現場で使いだせそう
そんな中、今回は青梅商工会議所IoT推進委員会 武州生産性向上訓練事業の一環として武州工業の武州庵というコワーキングスペースで「演習:IoTセンサーを使った簡単なシステムの作成」というワークショップ開催を打診されました。色んな人にご相談、ご協力頂きながら、講義+ワークショップを1日コースでやってみました。
何を使って何をやったか
【ワークショップのテーマ】
IoTセンサーを活用した「小さな生産性向上」を体験しよう
【ワークショップの進め方】
1.主要なセンサー種類とユースケースを学ぼう
2.自分で手を動かしてIoTデータを可視化しよう
3.データ活用のアイデアを練ろう
4.自分のアイデアを実際に作ってみよう
【使用した主なツール/サービス】
- Webiot(ウェビオ):置くだけで、つながる、IoTセンサ。本当に何もしなくてもデータがクラウドに上がっています。毎月500円くらい。くわしくは・・・デモに最適!5分でデータ取得からグラフ表示する方法
- Ambient:IoTデーターの可視化(グラフ)サービス。ノンコーディングでリアルタイムにグラフ化するクラウドサービス。無料。
- IFTTT:「If This Then That」つまり「こんな時にあれする」という、クラウドサービス同士を簡単に連携させるサービス。無料。
【タイムテーブル】
時間 | 区分 | タイトル | 内容 |
---|---|---|---|
10:00-10:15 | 説明 | 全体説明、環境設定 | Googleアカウント設定やネットワーク環境設定 |
10:15-11:00 | 説明 | センサー種類の説明 | 置くだけでつながるIoTセンサー「Webiot(ウェビオ)」の種類と仕組みの説明 実際の活用事例や想定されるユースケースの説明 |
11:00-12:00 | 説明 | クラウドサービス概説 | クラウドサービスを連携するAPIの仕組みの説明 初歩的なAPIサービスやIFTTTの画面を見ながら理解を深める |
12:00-13:00 | 休憩 | ||
13:00-13:30 | 準備 | アカウント登録 | Webiotデータ確認 Ambientアカウント登録 |
13:30-15:30 | 演習 | クラウド連携 | ②Webiot→Ambientグラフ作成/自動更新 ②Webiot→IFTTT→Googleシート行挿入 ③Webiot→IFTTT→LINE NOTIFYアラート |
15:30-16:30 | - | アイデアソン | IoTで実現したい「小さな生産性向上」アイデア抽出・共有 各自で実現したいアイデアを発表・実装方法検討 |
16:30-17:00 | 説明 | まとめ | 自分で作っていくための方法 |
①Webiot(IoTセンサー)→Ambient(可視化ツール)連携
Ambientブログ記事の通りに進め10分(慣れると3分)でグラフが完成します。コードは2行(コピペ)で、チャネルIDとライトキーをAmbientチャネルのものに変更するだけです。
他にもAmbientブログには初心者向けのコンテンツが沢山あるのでご一読されると良いかと思います。
https://ambidata.io/blog/
②Webiot→IFTTT→Googleシート行挿入
Weboit公式サイトのガイドにある通りに進め10分でデータが書き出されます。IFTTTのWebhooksを使います。アプレット作成が英語なので少し慣れが必要かもしれないです。
ここではGoogleシートとの連携でしたが、IFTTTは沢山のサービスと繋げることが出来るので、アイデア次第で色んなことが出来ます。
Weboit公式サイトのドキュメント類も充実していますのでご一読されると良いかと思います。
https://webiot.io/docs/
③Webiot→IFTTT→LINE NOTIFYアラート
LINEとの連携についても同様にWebhooksを使います。今回は、Webiotボタンが押されたらLINEに通知が行くという事をやりました。
IFTTTの使い方はQiitaにも記事が沢山あるので、参考にされてはいかがでしょうか。
https://qiita.com/tags/ifttt
ワークショップで注意した事
オペレーションレベルで伝えても、会社に戻ってから再現できない事もあるかと思います。
なので今回は「ドキュメントの探し方」だけ提示して具体的なやり方は共有せずに、自分で試行錯誤してもらいました。
一方、用語やサービスの説明、調べ方や勉強の仕方は丁寧に行って、明日以降の自律的・継続的な取り組みを目指しました。
やってみてどうだったか?
参加者はプログラム経験が殆どない中高年男性が大半でしたが、2時間くらいですんなりグラフ化やIFTTT連携が出来ました。
一番時間を要したのが、各クラウドサービスのアカウント登録でした。メールアドレスを使った認証方式で、認証確認メールがなかなか戻ってこない事だったので、これからワークショップを主催される方は、参加者へ事前にアカウント登録をするようにお願いされたら良いのではないでしょうか。