概要
Rock64 4GB メモリ搭載モデルで USB から Ubuntu を起動させました。microSD と比べて大容量のアプリを導入できるようになります。
検証環境
- ROCK64 MEDIA BOARD COMPUTER 4GB
- ROCK64 / PINEBOOK / PINE H64 5V 3A SWITCHING POWER SUPPLY (US プラグ)
- Samsung microSDカード 32GB EVOPlus Class10 対応
- Seagate HDD 2.5インチ 1TB
- neo 2.5インチ SATA SSD HDDケース USB 3.0 対応
ROCK64 の構成部品の図は公式サイトで公開されています。microSD の差し込み口はボードの底にあり、USB 3.0 のポートは1つで USB 2.0 のポートは2つあります。eMMC モジュールを装着することも可能で、ROCK64 の開発元で販売されていますが、ジャンパーピンが手元にないため、執筆時点では起動を確認できませんでした。
別のシングルボードの選択肢
メモリが 4GB 以上で HDD から起動できる別のシングルボードコンピューターの例です。
- ROCKPro64 4GB メモリ搭載 (約80ドル、2018年5月時点で売れ切れ)
- ODROID-N1 4GB メモリ搭載 (2018年6月発売予定)
2018年10月10日追記
RAM の供給不足のため、ODROID-N1 の発売は中止され、代わりに ODROID-N2 が年末に発売される予定です。
電源のオン・オフ
電源のオン・オフボタンがないので、電源コンセントの抜き差しで電源の切り替えをします。
U-Boot の書き込み・削除
microSD 以外からのストレージから OS を起動できるようにするためにはオンボードの SPI フラッシュメモリに U-Boot (u-boot-flash-spi.img.xz) のイメージを書き込む必要があります。イメージは ayufan-rock64/linux-build のリリースページで配布されています。
書き込み作業のために使う microSD への書き込みには Etcher を使いました。Etcher は Windows、Mac の両方に対応しています。
U-Boot のイメージを microSD から起動させると白 LED が点滅します。書き込みが終了すると「SF: ... bytes @ 0x8000 Written: OK」のメッセージが表示されるとのことですが、手元の LG の24型液晶ディスプレイに HDMI につないでも画面が表示されなったので、15分ぐらい放置してから電源コンセントを引き抜いて終了させました。ROCK64 の開発元では7インチの液晶ディスプレイが販売されています。
逆にフラッシュメモリから U-Boot を削除するには u-boot-erase-spi-rock64.img.xz のイメージを使います。
OS イメージの書き込み
次に起動させたい OS のイメージを USB HDD に書き込みます。OS のイメージは ayufan-rock64/linux-build のリリースページで配布されています。検証の際には Ubuntu 16.04 LTS (Xenial Xerus) のイメージ (xenial-minimal-rock64-x.x.xx-xxx-arm64.img.xz) を使いました。Ubuntu 18.04 LTS (Bionic Beaver) のイメージ (bionic-minimal-rock64-x.x.xx-xxx-arm64.img.xz) も試しましたが、OS の起動を確認できませんでした。
ルーターで IP アドレスを調べる
SSH で遠隔操作するためには、ルーターの設定アプリにアクセスして IP アドレスを調べる必要があります。TP-Link のルーターの場合、スマホアプリの Tether が配布されています。
SSH でアクセスする
ルーターで調べた IP アドレスをもとに SSH でアクセスします。デフォルトで用意されているアカウントのユーザー名とパスワードは rock64 です。
ssh rock64@xxx.xxx.x.xxx
アップデート
リリースページによると linux-rock64 パッケージを追加する必要があります。
sudo apt update -y
sudo apt install linux-rock64 -y