はじめに
はじめまして。株式会社PRUMのmasaです。
今日は、未経験から現場に入った私が最初の数ヶ月で陥った「最初から全部学ぼうとして、結局中途半端になった」状態の話をします。主にエンジニア未経験の方で広く浅く手をつけて、学習量の多さに途方に暮れている方の参考になれば嬉しいです。
「エンジニアになるなら、全部できた方がいい」と思っていた
新人の頃、私は「エンジニアになるなら、フロントもバックエンドもインフラも、全部できた方がいい」と思っていました。
実際、学習サイトを開けば次々と新しい単語が出てきます。React、AWS、Docker、Swiftなどなど。どれも「できた方がいい」気がして、手をつけてみては中途半端なまま次に移る、という日々を繰り返していました。
でも実際に現場に入ると、違いました。先輩たちは、それぞれ得意な領域がはっきり分かれていて、私のように手当たり次第に手を広げている人はほとんどいませんでした。
なぜこの"ズレ"が起きるのか
このズレが起きる理由は、学習量の少なさではなく、 「エンジニア」が一つの職種ではなく、いくつもの専門領域に分かれていることを知らなかったこと にありました。
例えば、ざっくり分けるとこんな領域があります。
| 領域 | 役割 | 特徴 |
|---|---|---|
| バックエンド | 認証・決済・データ処理などシステムの裏側 | 求人数が多く、最初の一歩として汎用性が高い |
| インフラ・クラウド | サーバーやネットワークという土台を構築・運用 | 安定稼働が前提のため、未経験がいきなり設計につくのは稀 |
| フロントエンド | 画面に表示される見た目や操作感を作る | 成果が見た目に出やすく人気だが、技術の流行が速い |
| iOS/Androidアプリ | スマホアプリの開発 | 使う言語・環境がまったく異なり、領域として独立性が高い |
それぞれ使う言語や考え方が違うので、全部を同時に同じ深さで学ぼうとすると、どれも中途半端になってしまいます。私が陥っていたのは、まさにこの状態でした。
ある先輩とのやりとり
先輩にこんな相談をしたことがあります。
私
「フロントもバックエンドもインフラも、もっと勉強しないといけない気がしていて……」
先輩
「今、一番触っている時間が長いのはどれ?」
私
「たぶんバックエンドです。でも他もやらないと置いていかれる気がして」
先輩
「最初から全部を同じ深さでやろうとすると、結局どれも浅いままになるよ。まず一本、自分の軸を決めた方がいい」
このとき初めて、 「広く触れること」と「一つを深めること」は別の話だ と気づきました。先輩たちも最初から全部できたわけではなく、一つの領域で経験を積んだ後に、隣の領域へ少しずつ視野を広げていったのだと聞いて、肩の荷が下りた感覚がありました。
専門を一本決めてから、隣に広げる
この面談以降、私は「まずバックエンドを一本深める」と決めました。求人数が多く、認証やAPI設計など他の領域ともつながりやすい知識が身につく領域だったからです。
イメージとしては、こんな感じです。
【横の軸】浅く広く、隣接領域の知識
[フロントエンド] ─ [バックエンド] ─ [クラウド・インフラ]
│
【縦の軸】
深い専門性(自分の軸になる領域)
これは俗にT型人材と言われています。縦に深めた経験があると、その分野での市場価値が高まりやすく、横に広げるときの理解も早くなります。実際、バックエンドでAPIの設計に慣れてから改めてフロントエンドのコードを読むと、「このリクエストはあの処理に繋がっているんだな」と、以前よりずっと頭に入ってくるようになりました。
今振り返れば、専門性が極端に高い領域に憧れる気持ちも、まずは今の軸を深めた先にある選択肢の一つとして考えれば十分だったのだと思います。
まとめ
新人の頃の私は、「全部できないと置いていかれる」という焦りで手を広げすぎていました。でも本当に必要だったのは、最初に一本の軸を決める勇気でした。
専門領域がいくつもあると知らないまま学習を進めると、どこに時間を使うべきかの判断軸そのものが持てません。逆に、自分の軸を一つ決めてしまえば、それ以外の領域は「今すぐ深くなくてもいい」と割り切れるようになり、焦りもかなり減ります。
広さよりも、まず一本の深さ。それが、新人の頃の私に一番伝えたかったことです。
もし今、いくつもの技術を同時に追いかけて手が止まっている方がいるなら、明日、今週触っている技術を全部書き出してみてください。その中で一番触れている時間が長いものが、今のあなたの軸になっている領域かもしれません。
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