私はiOSアプリ「からだを伝えるノート」を個人開発しました。
対象読者
- 自分の仕事や生活で感じた課題を個人開発へつなげたい人
- 生成AIへ実装を依頼する前に、何を決めればよいか迷っている人
- Windows環境からiOSアプリ開発を始めたい人
開発時の前提
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開発用PC | Windows |
| 所有端末 | iPhone |
| Mac | 所有していない |
| フレームワーク | React Native、Expo |
痛みだけで一日を終わらせないアプリを作りたい
私が理学療法士として働いていたとき、「一日中ずっと痛くて、何もできない」と話す方がたくさんいました。
けれど、一日を詳しく振り返ってみると、買い物へ行けていたり、誰かと話して楽しい時間があったりします。
痛みがなかったわけではありません。ただ、痛み以外の出来事も、同じ一日の中に残っています。
この経験が、「からだを伝えるノート」を作ろうと思った出発点でした。
訪問リハビリで出会った患者さんたち
私は理学療法士として9年間働いてきました。
訪問リハビリで担当した方の中には、痛みの印象が強く、その日のほかの出来事を振り返りにくくなっている方がいました。
本人の言葉では、一日中ずっと痛く、何もできなかった。毎日がつらい状態でした。
ところが、詳しく話を聞いてみると、買い物へ行けた日があり、人と話して楽しかった時間もありました。
痛みの印象があまりに強く、その日にできたことや楽しかったことが、本人の振り返りから抜け落ちていたのだと思います。
この経験から、痛みが強く残ると、その日にできたことまで思い出しにくくなる場合があると感じました。
痛み日記について
痛みを記録する方法として、痛み日記があります。
痛みの数値だけではなく、その日の活動、気分、睡眠、できたことなども一緒に残します。
一日の記録を後から見返すことで、「ずっと何もできなかった」という印象を見直す材料になります。
当時は、患者さんに紙の痛み日記を書いてもらっていました。
しかし、書くこと自体が負担になり、続けにくいという問題がありました。
既存のアプリについて
既存のアプリについても調べました。
私が見たものには、いくつか気になる点がありました。
- 入力画面が面倒に見える
- 痛みの数値だけを記録する
- 睡眠や前向きな出来事を残せない
- 過去の記録を見返せない
私が欲しかったのは、痛みの点数だけを集めるアプリではありませんでした。
痛み、不安、気分、睡眠、できたことを一緒に残し、「痛みはあった。でも、それだけの一日ではなかった」と振り返れるものです。
作れるなら、自分で作ってみようと思った
紙よりも入力しやすく、スマートフォンなら日常の中で続けやすいかもしれない。
自分で作れるなら、理学療法士として感じていた不便を形にできるかもしれない。
そう考えて、AIへ相談し、似たアプリや作り方を調べ始めました。
こうして、「からだを伝えるノート」の開発が始まりました。
このシリーズでは、理学療法士として感じていたことを、AIを使いながらどのようにアプリの形にしていったのか、その過程を書いていきます。