はじめに
わたしがGoogle UX Design Crtificateで得られた素晴らしい体験を、特に重要だと思われるポイントを小さく分割して、わかりやすく簡潔に紹介していきます。
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バイアスを認識する
誰もが個人的なバイアスに影響されます。UXリサーチにバイアスが入り込むと、ユーザーの真のペインポイントに対処できない製品のデザインを作成してしまう恐れがあります。ですから、自分自身の視点がどのようにデザインを変え、ユーザーに影響を与え、社会に影響を与えるかを意識する必要があります。
デザイナーに影響を与える最も一般的なバイアスの1つは 『暗黙の偏見』 です。暗黙の偏見とは、私たちが意識せずに人と結びつけている態度や固定観念の集合体です。ポジティブなものであれネガティブなものであれ、これらのバイアスは無意識のうちに真実であると勘違いしてしまうことがあります。暗黙の偏見は、偏見の主体である人々に有害な影響を与える可能性があります。
サンプル①
例えば、あるレストランのマネージャーが新しい従業員を雇おうとしているとしよう。マネージャーには二人の応募者がいます。一人は22歳のレストラン未経験者。もう一人は、飲食業界で30年以上の経験を持つ53歳の男性です。もし、レストランのマネージャーが、50歳以上の人は若い人に比べて圧倒されやすい、あるいは動きが鈍いという暗黙の偏見を持っていたら、応募者の経験を検討することなく、年上の応募者を見過ごしてしまうかもしれません。これは、年配の応募者に対する暗黙の偏見です。
サンプル②
例えば、あなたがニューヨークの地図アプリケーションをデザインしているとします。このアプリは、歩道や緑地帯を通るルートを表示します。つまり、ユーザーが徒歩で移動することを前提に作られているため、暗黙のバイアスが働いています。しかし、多くのニューヨーカーが徒歩で通勤している一方で、何百万人ものニューヨーカーが地下鉄やバス、タクシー、車、自転車などを利用しています。さらに言えば、多くの人は歩けないのです。
つまり、ニューヨーカーはみんな歩いているという暗黙のバイアスは、制約要因としての能力を無視することになります。公共交通機関を利用している人は、最寄りの地下鉄やバスの停留所への道案内が必要ですし、車いすの人は地下鉄の駅にアクセスできないかもしれません。この場合、ニューヨーカーに対するバイアスが、すべてのユーザーのために真に役立つ製品を作ることを妨げているのです。
バイアスを取り除く
暗黙の偏見は、ペルソナとユーザージャーニーマップを作成し、それに従うことが非常に重要です。
- ペルソナとは、より多くのユーザーのニーズを反映した目標や特性を持つ、架空のユーザーのことです。
- ペルソナを作成する際、UXデザイナーは可能な限り包括的であることが必要です。特定の民族、性別、年齢、能力、社会経済的なグループがオーディエンスに含まれる、あるいは含まれないと決めつけてはいけないのです。
- ユーザージャーニーは、ユーザが製品にたどり着くまでの道筋、つまり、ユーザのニーズは何か、製品がどのようにそのニーズを解決できるかを表します。
ユーザーリサーチは、ユーザーが誰であるかについての推測を避けるのに役立ちます。
サンプル③
例えば、育児用品を購入する親を支援するアプリを設計しているとします。最初の画面に「ようこそお母さん、私たちはあなたの小さなお子さんにぴったりのベビーシッターを見つけるお手伝いをします」というメッセージを表示します。これは、ユーザーを「お母さん」と呼ぶことで、人間味あふれる体験ができると考えたのでしょう。しかし、このメッセージには問題があります。祖父母、保護者、父親など、他のあらゆるタイプの介護者を即座に排除してしまうのです。
このような暗黙のバイアスは、重要なユーザーを排除することになり、ビジネスにとって好ましくないことです。また、育児は母親がするもの」という固定観念を助長し、「すべての子どもには母親がいる」という前提で話を進めてしまいます。暗黙の偏見に気づき、ステレオタイプに対抗することは重要な仕事です。