はじめに
わたしがGoogle UX Design Certificateで得られた素晴らしい体験を、特に重要だと思われるポイントを小さく分割して、わかりやすく簡潔に紹介していきます。
興味があれば、ぜひ Google UX Design Certificateを受講してみてください。
はじめに
UXデザインの世界でも、必ずしも意見が一致しないことがあります。そのひとつが、デザインに使用されるコピー(文章)についての議論です。
「lorem ipsum」のようなプレースホルダーテキストは、デザイン上のフィラーとして使用できます。しかし、デザイナーによっては、ワイヤーフレームであっても、実際のコピーを使用してデザインすることを好む人もいます。
ここでは、モックアップでのプレースホルダーテキストと実際のコピーをどのように使い分けるかを考えてみましょう。
Placeholder text
プレースホルダーテキストの最も一般的な種類の1つは、lorem ipsumです。ipsumは500年以上も前からプレースホルダーとして使用されてきました。
UXデザイナーとして、私たちは今日でもipsumを使用していますが、これにはいくつかの理由があります。
メリット①
デザインが完成する前の開発初期段階で、関係者とデザインを共有することができます。これは、製品やデザインの方向性について、詳細な開発に時間をかける前に、フィードバックを得たり、意見をまとめたりする必要がある場合に特に重要です。
メリット②
アイデア出しの段階や最初のワイヤーフレームを作成する際に、コピーではなくデザインのレイアウトに集中したい場合に使用すると効果的です。
メリット③
コピーより多く時間を確保することができます。専属のUXライターと仕事をする場合、または自分でコピーを開発する必要がある場合、デザインに含める言葉を思いつくのに時間がかかります。その点、ipsumを使えば、コピーに関する疑問点を整理しながら、デザインを進めることができます。
Real copy
デザイナーによっては、このコミュニケーションを助けるために、デザインの初期段階から本物のコピーを使用すべきだと熱く語る人もいます。
ここでは、プレースホルダーのテキストではなく、本物のコピーを使用することがデザインに有利な理由をいくつか紹介します。
メリット①
後々のデザインの調整を少なくすることができます。たとえば、実際のコピーに合わせてデザイン要素のサイズを変更する必要がなくなります。
メリット②
コピーに関連するデザインの選択についてフィードバックを得る時間がより多く得られます。デザインとコピーが一体となって、ひとつのユーザーエクスペリエンスを形成します。デザイン要素とコピーを最初から一緒に作成することで、よりまとまりのあるものにすることができます。
しかし、次のようなデメリットも考慮する必要があります。
デメリット①
後でコピー編集の手間が省けない。UXデザインは、非常に反復的なプロセスであることはお分かりいただけたと思います。デザインそのものを変更するのと同じくらい、デザインに含まれるコピーも何度も変更する可能性があるのです。
デメリット②
人間は言葉に惹かれるものです。プロトタイプの中に本物のコピーがあると、ステークホルダーがデザインの選択についてコメントするのを邪魔してしまうことがあります。もし、低忠実度のプロトタイプを本物のコピーと一緒にチームに送ると、製品開発のその段階でより重要なプロトタイプのビジュアルデザインと機能性ではなく、あなたが選んだ言葉についてのメモを受け取る可能性があります。一般的なガイダンスとして、実際のコピーは、モックアップのような忠実度の高いデザインで使用されることが多いです。
"Placeholder text"と"Real copy"の比較
左側のプレースホルダーテキストのあるデザイン
アイコンの見た目や要素間の間隔、使用されている色に注目することが多いかもしれません。このモックアップは、デザインの中でコンテンツがどのように表示されるか、ユーザーに一般的なアイデアを提供するものです。
右側の本物のテキストを使ったデザイン
掲載されているレシピのタイトルを読みましたか?実際のテキストを使用する利点は、デザインに含まれる情報と、その情報がどのように構成されるかについて、よりよく理解できることです。しかし、使用するデザイン要素へのこだわりは薄れてしまうかもしれません。
もうひとつの選択肢は?
あなたは今までに、どちらの選択肢も正しい方法であると自分自身を納得させたかもしれません。それでもいいのです。これはあなた自身が決めることなのです。
「もうひとつの選択肢は?」
プレースホルダーテキストと実際のコピーを組み合わせて使用してもいいのです
プレースホルダーのテキストや実際のコピーをデザインに使用するかどうかは、デザインする製品、ステークホルダーや顧客の好み、さらにはチームメイトからのフィードバックに左右される可能性があることに留意してください。
場合によっては、すでに作成されているコピーを使ってデザインした方が良いこともありますし、コピーを全く気にしなくても良いこともあります。