ライブコーディングによる音楽演奏をするためTidalCyclesと関連アプリをWindows10にインストールし、VSCodeでのコーディング環境を構築した。
つまづいたポイント2つと音を出すまでの流れを記す。
インストール方法
Qiita: TidalCyclesのインストール2018年版
Qiita: TidalCyclesによるオーディオプログラミング例
TidalCycles入門 (2): VS Code 上での実行環境
上の3記事を読んでいただければ事足りるので詳しくは割愛する。3つの手順にまとめると
- Windows用のパッケージング管理ツールchocolateyをインストールする。
- chocolateyでTidalCycles本体と関連アプリを一括インストールする。
- VSCodeの拡張機能TidalCycles for VSCodeをインストールする。
つまづきポイント1
2で一括インストールするとき、不要なアプリのインストールはスキップできる。エディタはVSCodeを使用するのでAtomエディタのインストールをスキップした。
するとTidalCycles本体のインストールに失敗してしまった。
エラーメッセージを読むと、Atomエディタ用のTidalCycles拡張機能のインストールに失敗したというようなことが書いてあったので、Atomエディタをインストールしたうえで再度TidalCycles本体をインストールしてみると上手くいった。
音を出してみる
3まで終えて必要なもののインストールは完了した。さっそく音を出してみる。
SuperColliderを起動する
SuperCollider上でSuperDirtを起動する
SuperDirt.Start
と書き、その行にカーソルを合わせてCtrl + Enter
で起動する
右下のウインドウPost window
にSuperDirt: listening to Tidal on port 57120
と表示されれば起動に成功している。
VSCodeでTidalCyclesのコードを書く
拡張子.tidal
のファイルを作成し、キックドラムを演奏するコードを書く。
d1 $ sound "bd"
この行にカーソルを合わせてCtrl + Enter
で音が鳴るはずであった。が、しかし・・・
つまづきポイント2
VSCodeのコンソールにて下のエラーメッセージが出て音は出なかった。
Error: EntryNotFound (FileSystemError): GHCI path could not be found. Attempted paths: ghci, ghci, /usr/local/bin/ghci, C:\Users\PC_User/.ghcup/bin/ghci
どうやらgchi
へのパスが見つからないらしい。
ghci
について調べてみると
- ghciはHaskell言語のインタープリタ
- TydalCyclesはHaskellのライブラリ
らしい。兎にも角にもghciのパスを通す必要がある。方法は簡単。
VSCode拡張機能TidalCycles for VSCode
の設定にてパスを設定する
設定(歯車マーク) > 検索バーにTidalCyclesと入力> Tidalcycles: Ghci Path
の欄にghciのパスを記入する
私の環境ではパスはC:\tools\ghc-9.0.1\bin\ghci.exe
であった。
念の為VSCodeを再起動後、test.tidal
にてctrl + Enter
を押すと音が出た。
おまけ: サウンドブラウザー
TidalCycleはSuperCollider上で起動したSuperDirtの音源を再生している。VSCodeで音源の一覧表示と視聴ができるようにすると便利。
方法はTidalCycles入門 (2): VS Code 上での実行環境のおまけの設定: サウンド・ブラウザー
の項の通りに設定すれば良い。
音源格納フォルダーはC:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\SuperCollider\downloaded-quarks\Dirt-Samples
だった。