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Debian上でRaspberry Pi Zero向けクロスコンパイル ~共有ライブラリを使ってみる

Last updated at Posted at 2020-11-09

概要

Debain上でコンパイルしたC言語のプログラムをRaspberry Pi Zeroで動かします。
共有ライブラリとか使える環境にしたいです。
とりあえず、libusbとかlibjpegとか使えるようにします。

Ubuntu上でRaspberry Pi Zero向けクロスコンパイル事始め の続きですが、ホストマシンをDebianにして再挑戦しています(理由は後ほど)。

環境

ホスト: Debian 10.6.0 < Virtual Box 6.1 < WIndows10
ターゲット: Raspberry Pi Zero WH

手順

ARM向けコンパイラのインストール

$ sudo apt install crossbuild-essential-armel

前回g++-arm-linux-gnueabiをインストールしてみましたが、crossbuild-essential-armelに含まれているようなのでこちらをインストールしてみます。結局使うのはgccなんであんまり大差ないですけど。

共有ライブラリのインストール

アーキテクチャを追加して、、

$ sudo dpkg --add-architecture armel

sources.listの編集。aptが参照するリポジトリを追加してやります。

$ sudo nano /etc/apt/sources.list

sources.listの一番下に以下を追加。
armelの場合はftp.jp.debian.orgも参照するようにします。

/etc/apt/sources.list
deb [arch=armel] http://ftp.jp.debian.org/debian buster main

アップデートして、ライブラリをインストール。
:armelを付与することでarmel向けのライブラリを取得することができます。

$ sudo apt update
$ sudo apt install libusb-dev:armel
$ sudo apt install libjpeg-dev:armel

多分、Ubuntuのarmel向けにパッケージが公開されていればそれをsources.listに追加して、Ubuntuでも同じことができると思うのですが、Ubuntu向けのarmelパッケージを公開しているところが見つかりません。

試しにUbuntuでftp.jp.debian.org/debianを追加してみましたが、「署名されてません」みたいなエラーが出てインストールできませんでした。そりゃそうか。

強引にインストールする方法はあるのかな?(.debを持ってきてのインストールはできたけど依存関係が大変なことになったので諦めました)

ビルド

今回ビルドしてみるプログラムはこちら。

testUsbLib.c
#include <stdio.h>
#include <usb.h>

int main()
{
    printf("call usb_init()\n");
    usb_init();
    printf("OK\n");

    return 0;
}

usb_init()を呼ぶだけという何の役にも立たないプログラム。
usb_init()の後片付けもしません(何かする必要あったっけ、、?)。

こちらをビルド。

$ arm-linux-gnueabi-gcc -march=armv6 testUsbLib.c -o testUsbLib_armv6 -lusb

動作させてみる

上でうまくビルドができれば生成されたtestUsbLib_armv6をRaspberry Pi Zeroの適当なフォルダにコピーして、、

$ testUsbLib_armv6
call usb_init()
OK

と、こんな感じで動きます。
何も起こりませんが、、

まとめ

libusbは依存関係が少ないので.debファイルを取得してきての手動インストールでもどうにかなりますが、libjpegなどは依存関係が多く、手動では手順が多すぎてあきらめました。今回の方法では依存関係含めてインストールしてくれたのでなんとか動いたようです。

ちなみに今回の方法でlibusblibjpegの他にlibtiffの動作も確認しています。

あとはUbuntuで同様の方法が使えるのか(armel向けパッケージを公開しているところがあるのか等)についてご存じの方がいらっしゃいましたら教えてください。

追記

続きの記事を書きました。

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