Promise チェーン (.then() x n) だけで書けるのに、あえて await でチェーン全体をまとめる理由を整理しました。

4つのメリットに分けられます。

No.	メリット	内容
1	通常のスコープで使える変数になる	値の再利用が自由。Promiseのスコープを超える
2	追加処理が柔軟	ネスト不要で可読性が高い
3	try-catch 一括管理	エラーがまとめて捕捉できる
4	分岐・条件判定が自然	if/switch が使いやすい

1. コード比較

1-A. チェーンだけで書く

function fetchAndRender() {
  fetch(url)
    .then(r => r.json())
    .then(json => json.items)
    .then(items => render(items));
}

1-B. await でチェーン全体をまとめる

async function fetchAndRender() {
  const items = await fetch(url)
    .then(r => r.json())
    .then(json => json.items);
  render(items);
}

結果は同じ。違いはチェーン後の拡張性や可読性など。

2. メリット詳細

2-1. 普通の変数になる

const items = await fetch(url).then(...);
logAnalytics(items);
render(items);

.then() に閉じ込められない。
デバッグも簡単：console.log(items) がどこでも使える。
非同期かどうかを意識せず、同期コードのように書ける。

2-2. 追加処理が柔軟に書ける

チェーン型

.then(items => {
  const active = items.filter(i => i.active);
  return process(active).then(() => {
    if (active.length > 10) {
      alert('多い!');
    }
  });
})

await 版

const active = items.filter(i => i.active);
await process(active);
if (active.length > 10) {
  alert('多い!');
}

ネスト解消 → 保守性が向上。
return や Promise を気にせず書ける。

2-3. try-catch でエラーを一括管理

チェーン型

fetch(url)
  .then(...)
  .catch(err => handle(err));

例外発生箇所が深いと煩雑。
局所 catch を複数書くことも。

await 版

try {
  const items = await fetch(url).then(...);
  render(items);
} catch (err) {
  handle(err);
}

finally も使いやすい。
全体を見通して例外処理できる。

2-4. 分岐・条件判定が自然

await 版

if (!items.length) return notifyEmpty();
for (const item of items) {
  await renderRow(item);
}

if や for など制御構文が使いやすい。
コールバックの深いネストから脱出。

3. チェーンだけで済ませるかどうか？

状況	推奨	理由
ステップが 1〜2 段で完結	チェーン	短くシンプル
後続処理がほぼ無い	チェーン	await はやや冗長
UI 更新や複数分岐が必要	await	可読性・保守性が上がる
エラーをまとめて管理したい	await	try-catch が有効

4. まとめ

await でチェーンをまとめる最大の利点は、「結果を普通の変数として取り出せる」こと。
それにより、ネストの解消、エラーの集中管理、分岐の自由度が得られる。
単純なケースは .then() の方が短く済む。