はじめに
独自ドメインを取得すると、「そのドメイン宛のメールを受け取りたい」という要望が出てきます。自前でメールサーバーを構築・運用するのは設定項目も多く、スパム対策やメンテナンスの負担も大きい作業です。Cloudflare Email Routingは、この「受信」の部分だけを無料で肩代わりしてくれるサービスです。
本記事では、その仕組みと制約を整理します。
Cloudflare Email Routingとは
Cloudflare Email Routingは、独自ドメイン宛に届いたメールを、指定した既存のメールアドレス(Gmail等)へ自動的に転送してくれるサービスです。ドメインのDNSをCloudflareで管理していれば、無料で利用できます。
仕組み
Cloudflareはメールの内容を保存・閲覧することはなく、あくまで転送ルールに従ってその場で仲介するというプライバシー重視の設計になっています。
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独自ドメイン宛にメールが送信される - DNSのMXレコード(メールの配送先を指定するレコード)がCloudflareを指しているため、Cloudflareがそのメールを受信する
- あらかじめ設定しておいた転送ルールに従って、指定した宛先(Gmail等の既存メールアドレス)へリアルタイムに転送する
セットアップ時には、受信に必要なMXレコードに加えて、なりすまし対策用のSPF・DKIM関連のTXTレコードも自動的にDNSへ追加されます。
キャッチオールアドレスという使い方
Email Routingの便利な使い方の1つがキャッチオールアドレスです。これは、「そのドメイン宛の、事前登録していない任意のメールアドレス」をすべて拾って転送する設定です。
amazon@example.com → 事前登録なしでも受信・転送される
netflix@example.com → 同上
その場で思いついた任意の文字列@example.com → 同上
サービスに登録する際、サービスごとに異なるメールアドレスをその場で作って使う、といった運用が可能になります。特定のサービス経由でメールアドレスが流出した場合も、該当アドレス宛の受信だけを止める、といった対応がしやすくなります。
制約:あくまで「受信転送専用」
Email Routingを導入する上で最も重要な注意点は、送信(SMTP)機能を持たないことです。つまり、「独自ドメインのアドレスとして、自分から新規にメールを送信する」ことはこのサービスだけでは実現できません。あくまで「受信したメールを、既存のメールアドレスへ転送する」までがこのサービスの範囲です。
独自ドメインを名乗って送信も行いたい場合は、別途SMTPリレーサービス(送信を代行してくれるサービス)を用意し、そちらでSPF・DKIM等の送信側の認証設定を行う必要があります。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| できること | 独自ドメイン宛のメールを、既存のメールアドレスへ無料で自動転送する |
| キャッチオール | 未登録のアドレスも含めて、ドメイン宛のメールをすべて拾って転送できる |
| できないこと | 独自ドメインを名乗った新規メールの送信(別途SMTPリレーが必要) |
| 前提条件 | ドメインのDNSをCloudflareで管理していること |