30秒の動画を一度に生成できても、実際に困るのは人物や背景をどこまで維持できるか、動作をどう指定するか、生成後に何を確認するかです。
この記事では、BytePlusの公開情報をもとに、マルチモーダル動画生成の入力設計、時間軸プロンプト、出力検証を整理します。特定モデルの優劣ではなく、再現可能な確認項目が目的です。
Seedance 2.5で確認できること
2026年8月時点で、BytePlusの公式発表ではDreamina Seedance 2.5はBytePlus ModelArkで提供され、最大30秒のクリップ、1つのクリップに最大50個のマルチモーダル参照、生成後の部分編集を案内しています。入力はテキスト、画像、動画、音声を組み合わせられます。
公式発表の能力と、各サービスで今すぐ使えることは別です。モデル名、解像度、入力上限、料金、利用地域は利用先ごとに確認します。
| 確認項目 | 公式資料から読み取れる範囲 | 試す前に決めること |
|---|---|---|
| 連続時間 | 4〜30秒の動画生成 | 何秒の構成で評価するか |
| 入力 | テキスト、画像、動画、音声のマルチモーダル入力 | どの入力を必須条件にするか |
| 参照数 | 1クリップに最大50個の参照素材 | 主役、背景、衣装などの役割分担 |
| 編集 | タイムスタンプや要素を指定した追加編集 | 再生成と部分編集の境界 |
マルチモーダル入力は「素材の追加」ではなく「制約の分解」
画像を追加すれば自動的に人物が安定する、とは限りません。参照素材には役割を与えます。たとえば人物画像は顔や衣装、背景画像は空間の構造、音声は発話やタイミングを固定するために使います。
| 入力 | 固定しやすい情報 | プロンプトで補う情報 |
|---|---|---|
| テキスト | 意図、動作、順序 | 画角、速度、禁止事項 |
| 画像 | 人物、製品、背景、色 | どの画像をどの場面で使うか |
| ソース動画 | 動き、カメラ、タイミング | 残す要素、変更する要素 |
| 音声 | 発話、リズム、雰囲気 | 音が入る秒数と映像の反応 |
最初は「主役の画像1枚+背景の画像1枚+短い時間軸プロンプト」のように、入力を少なくして基準結果を作ります。
時間軸でプロンプトを設計する
長い一文で全シーンを説明するより、動画を区間に分けた方が検証しやすくなります。各区間に「主役」「動作」「カメラ」「音」を割り当て、遷移条件を一つずつ書きます。
入力は、次のような構造にすると比較しやすくなります。
Create one continuous 20-second shot.
References: Image 1 = protagonist; Image 2 = room; Video 1 = camera path.
0-5s: Enter from the left. Medium shot, slow tracking camera.
5-12s: Place the package on the table. Keep jacket and package consistent.
12-17s: Move to a close-up. Keep the window on the right.
17-20s: Add a spoken line and room tone. End on the table.
Output: 16:9, natural motion, no extra characters, no text.
ポイントは、秒数だけを書くことではありません。
- 参照素材に名前を付け、各区間の動作を一つにする
- カメラの変更を動作と分離する
- 音声の開始秒数と最後のフレームを指定する
プロンプトは「雰囲気の説明」ではなく「検証可能な仕様」にします。
生成後は4つの観点で検証する
生成結果を一度見て終わらせず、最低限、次の順で確認します。
| 観点 | 確認する質問 | 失敗の例 |
|---|---|---|
| Subject | 人物や製品の形、衣装、色は維持されたか | 顔、手、ロゴ、製品形状が途中で変わる |
| Continuity | 場所、光、カメラの動きはつながっているか | 背景の位置が飛ぶ、移動方向が反転する |
| Edit | 指定した要素だけが変わったか | 背景を直したら主役や照明まで変わる |
| Audio | 発話、口の動き、音楽の拍が合っているか | 音が先行する、環境音が突然切れる |
検証はフレーム単位だけでなく、区間の境目で行います。特に5秒、12秒、17秒のようにプロンプトで区切った境界を確認すると、どの指定が効かなかったかを切り分けやすくなります。
実運用では「生成」と「修正」を分ける
部分編集を想定したモデルでも、修正指示を足せば必ず局所的に直るわけではありません。次の4段階を分けると、比較結果を残せます。
- Preflight:素材の権利、人物の同一性、画角、出力時間を決める
- Baseline:入力を少なくして基準動画を1本作る
- Inspection:Subject、Continuity、Edit、Audioを記録する
- Revision:一度に一つの条件だけ変えて再生成または部分編集する
修正前後でプロンプト、参照素材、出力時間、解像度、失敗箇所を保存しておくと、モデルの印象ではなく条件差で話せます。逆に、入力と設定を毎回変えたまま「今回の方が良い」と判断すると、評価は再現できません。
利用状況と限界を確認する
この記事はBytePlusの公式発表とドキュメントを基にしており、同一プロンプトを複数モデルで比較するベンチマークではありません。「最強」「最高品質」といった結論は出していません。
利用先の提供状況も別途確認が必要です。ImagineVidのSeedance 2.5ページには機能と公式例が載っていますが、モデルピッカーへの追加予定である旨も記載されています。入力形式や料金は利用時点の画面と公式ドキュメントで確認してください。
評価では素材ごとの役割と判定基準を先に決めます。30秒を活かすなら、一発の完成品ではなく、時間軸、参照素材、検証ログを小さく回します。


