はじめに
初めまして、近畿大学情報学部情報学科2年のひなた(@hughman_malsec)と申します。
私はリバーシングやマルウェア解析に興味があり、セキュリティ・キャンプ 全国大会 専門Cに参加し、無事修了しました。
Cのプロデューサーさんに「感想文投稿する?」への答えは †Yesかはい† かと言われたので爆速で記事を書きました。(元々書く予定だった)
専門Cは攻撃技術を扱う講義が中心で、他のクラスからはブラックボックス(=他のコースの方々はDiscordで僕らが何をしているかを把握できない)だったので、この記事は他のコース受講生にとって面白い内容かもしれません。
なお、専門Cの講義をメインで扱っているので、その他(共通講義等)の内容は薄いです。
実際の講義内容は以下のページからご確認ください。
専門講義
共通講義等
1日目
共通講義K1とK2
K1では闇堕ちした少年のリアルな話を記者の方に紹介して頂きました。
まさかのその少年を知っており、全く飽きない話し方で1時間があっという間に過ぎていきました。
さすが記者さんだなと思いました。
どこまで話してよいかわからないですが、K2は講義概要通りでした。
交流企画
ずーっと周りと喋っていました。いろんな人と名刺交換できて楽しい時間でした。
みんなしっかりそれぞれが好きな分野と領域があり、長距離移動等の疲れはありましたが、全く疲れのない楽しい交流をすることができました。
2日目
C1 「Connecting the Dots: 点を線に変えるサイバー脅威インテリジェンス」
概要
ある数列問題に対する解釈を考えたり、さまざまな証拠から誰がどんなことをしたかを実際に使われる脅威インテリジェンスの分析手法を用いて分析しました。
感想
確証バイアスだけは忘れない…
別解釈にはなりますが、これからのAI時代では何でもかんでもAIが答えのようなものを教えてくれるので、それらの答えのようなものの中から意思決定する方法を副産物として学べました。
私が将来したいと考えている業務には脅威に関する知識が必要で、リバーシングとかならまだしも、個人で脅威インテリジェンスを勉強するって続かなそうだし難しそうと考えていたので、体系的に学べて嬉しかったです。
C2 「Deep Dive into In-Memory Execution: From DLL Injection to shellcode」
概要
ファイルレスマルウェアが使用するsRDIの技術と解析方法を学べる講義でした。それらを理解するためにDLLとShellcodeに関する技術を座学として学びました。
感想
神講義でした。(他の講義ももちろん最高)
前述の通り、私はマルウェア解析に興味があります。それもあって参加理由の5割ぐらいはこの講義だったので、楽しみでしかたがなかったです。
キャンプが始まるまでにマルウェアに関するインプットはかなりしていたので、座学の8割ぐらい理解できましたが、手を動かすこと・ツールを使うことが苦手で悔しかったです。ですが、ツールの使い方が微妙でもsRDIの動作をこの目で実際に確かめることができて、本当に興奮しました。
個人的に、講師の方が実際に解析し始める時にみんなでスマホを取り出して動画を撮り始めたのが面白かったです。実際に業務としてマルウェア解析を行なっている方の手元の動きを見ることができるのはセキュリティ・キャンプ以外では中々ないんじゃないかなと思います。
LT会
どんな内容でもLTしたい内容をLTする会でした。
実は睡眠時間がやばかったのでWiiに関するLTだけ見て部屋に帰ってゆっくりしてましたが、楽しそうだったのでいけばよかったかもと少し後悔しています。
今回はできませんでしたが、来年か再来年にチューターとしてマルウェア解析系のLTができたらいいなと思っています。
3日目
C3 「Practical Heap Exploitation」
概要
Heap Exploitationに関する基本的な知識の習得とチーム内でとあるCVEを調査し、トリアージし、発表するといったことを行いました。
感想
一番難しかったと記憶しています。私自身の勉強・力不足を感じました…
講義の流れとしては、ChunkやArena、Tcache binsなどの必要な知識の説明と応募課題の解説の後、現実世界とCTFにおけるheap exploitationの違いや脆弱性のトリアージに何が必要でどのような情報をどこから手に入れるかなどを学ぶことができました。
AIによりheap exploitation自体の難易度は少し落ちましたが、脆弱性のトリアージに関して最終チェックは人間が行うことなので、とても参考になりました。
来年チューターしたいなあと密かに思っているので、来年までにはPwnを克服したいです。
C3ではC2と同様、実際に手を動かすことの重要性を理解できました。(講師さんがデバッグするところをリアルで見たかった😭)
C4 「攻撃者視点で考えるECサイト不正対策」
概要
主に、ECサイトに対するBotに関して学びました。最後には、演習としてレッドとブルーに分かれて対決しました。
感想
やっぱみんな攻撃とか演習とか好きなんだな〜ということが分かった講義になりました。
演習内容を詳しく説明すると、レッド側の目標はとある商品をできるだけ多く購入することで、ブルー側の目標は通常のお客様に支障をきたさずにレッド側の攻撃を抑制することです。
最初はレッド側が優勢でしたが、ブルー側も応戦し、レッド側が困り果てていたところ、講師さんから強Botが配布され、最後までいい感じの勝負になりました。今年の専門C講義で1番盛り上がったかもしれないです。
共通講義K3
講義内容通りでした。鵜飼さんに名刺交換していただいた時にめちゃくちゃ緊張しました。人事の方のシゴデキ感半端じゃなくてかっこよかったです。今回のイベントでの全体的な交流によりFFRIさんにとても興味を持つことができました。
4日目
C5 「攻撃者を演じ、守り方をデザインする」
概要
座学と演習を相互に織り交ぜつつ、実務寄りのレッドチーム演習を体験しました。
感想
あまり学生でこういうレッドチーム演習をする機会ってないのでは!?という気持ちで参加したので、ずっとわくわくで楽しかった講義でした。
初期侵入がどのようにされるかを講師の方に見せていただき、僕らは影響範囲の拡大とインパクトを実際に行い、体験することができました。とても貴重な機会でした。
また、実際のレッドチームとしての業務であった運がよかったことや難しかったこと、攻撃された人の実際の感想など普通絶対に聞けないようなことを聞くことができました。
最後には、演習でやった内容に関して「どこをどうすれば防げた?」と「他にどんな攻撃ができる?」というのをチームを組んでディスカッションしました。
飽きない授業構成で見学の方も全席埋まっていたので、講師の方すごいなあと思いました。
C6 「インシデントレスポンスで攻撃を解き明かせ」
概要
環境情報やシナリオを渡され、それを参考にしながらCTF形式でフォレンジックを行った。
感想
事前学習でめちゃくちゃ学習したのでまあまあ自信はあったのですが、問題数がかなり多く、C1~C5までで体力の消費がすごかったので、全力を出せた気はしませんが、3位になることができ、景品をいただきました。サイコー!!!
自分はログ解析やデータを見続けることに特に苦手意識がなかったので楽しむことができましたが、周りはさすがに疲れ切ってる印象がありました。
(宿命ですが)AIでも結構解けちゃう印象があって悲しかったです。
しかし、講師の方は実務では間違えることができないということもあり、完全にAIに頼ることができないとおっしゃっていた気がします。
このイベントを通じて得たもの
学習意欲と仲間
C2, C3, C6を通してもっと知識をつけて、もっと実践を重ねていくことでよりよいセキュリティエンジニアになれる自信をつけることができました。
そして、これらの難しい講義でも諦めずに理解しようと努力できたことでやっぱりこの分野がとても好きなんだなあと再確認しました。
また、同じ興味・関心を持つ仲間と共に切磋琢磨して学べたことはすごくいい経験になりましたし、みんながいるから最後まで朝起きることができたと思います。(専門Cで起床チャレンジ失敗は珍しいことじゃないらしいが今年はみんな遅刻しなかった)
繋がりと将来設計
時折ハッカソンに参加するのですが、セキュリティ企業が協賛などでいることは(少なくとも大阪では)滅多にないです。
こういった場でしか喋ることができないセキュリティ業界の方々のお話を聞けたことはとても良い機会になりました。特に、講師の方々は質問があれば気軽に聞いてくださいとおっしゃってくださっているので、大好きです。
そして、マルウェア解析者の人と普通に生きていたら喋ることができないので、どのように働いているかやどのような人を採用するかなどを聞くことができて今後どのように学習・行動していくかを決めることに非常に役に立ちました。
おわりに
今後チューターだけでなく講師として専門Cを盛り上げていけたらいいなと参加を通じて思いました。何年かかることやら…
これを見ている方でオフェンシブセキュリティが好きでRevやPwnしか勝たんといった方はぜひセキュリティ・キャンプ 全国大会 専門Cにお越しください!君の参加を待っているぞ!!!🔥🔥🔥