「analytics_excel」で分析設計の効率化と自律的Excel生成を実現する
データ分析の現場では、設計段階での思考整理と実装への落とし込みに大きな工数がかかる。特に初心者は「何をどう分析すべきか」という設計そのものに悩みがちであり、上級者であっても設計と実装の往復が作業効率を阻害する。
また、前回、VBAを作成して帳票設計を自動化するソリューションを記事にしたが、課題としてエラーがあるかを確認するのにエクセルでいちいち確認しなければならないのが課題であった。
https://qiita.com/makotodaxi5/items/6ad9f4b3adcc689a52c0
本稿で紹介する analytics_excel ( https://github.com/amenohabakiri-hue/analytics_excel/tree/main )は、問い駆動の分析設計と Excel 帳票の自動生成、エラー検証・修正の自動化を通じて、これらの課題を解消するツールである。
このツールは、初心者にとっては設計作業をほぼ自動化・効率化を促し、シニアにとっては生成ログを参照しつつ設計・出力内容を見て考え、ブラッシュアップできるよう設計した。
効率化と自律的改善を目指したツールとして、データ活用プロセス全体の生産性向上に寄与する。
コンセプト
analytics_excel の核となるコンセプトは以下のとおりである。
-
問い駆動型分析設計
ユーザーは 4 つの問い(目的・対象・比較・行動)に答えるだけで、設計書と Excel 帳票を生成する。 -
Excel マクロ付き帳票の自動生成
分析設計を元に VBA マクロ付きの.xlsmを生成し、即実行可能な帳票として出力する。 -
設計・実装のサイクル短縮
設計書の確認・編集後に自動生成 → 実際に動く Excel 形式での出力 → フィードバックというサイクルを高速化する。
この設計思想により、分析プロジェクトの立ち上げ段階で躓きがちな「何をどこまで可視化すべきか」という迷いを最小化できる。
利点と特長
1) 分析設計をほぼ自動化できる
ユーザーは次の 4 つの問いに答えるだけで設計プロセスが始まる。
- 目的 — 何を知りたいのか
- 対象 — どのデータを見るのか
- 比較 — どの視点で比較するのか
- 行動 — 結果から何をするのか
AI がこれらに応じた論点や設計案を生成し、設計書として Markdown 形式で提示する。設計書はテキストエリア上で確認・編集でき、後段の生成プロセスに反映できる。
2) VBA 自己修正フィードバック機構による堅牢性
通常、VBA マクロ生成や手書きでの修正はエラーのやり取りを伴い、生産性を阻害する要因となる。
analytics_excel では内部で VBA の自己修正フィードバック機構 が働くため、VBA 実行エラーが発生した場合でも自律的に修正を試行し、出力を完了することが可能である。
これにより、ユーザーが対話的にエラー修正を繰り返す必要を避け、生成された Excel がすぐに実用的な状態となる。
実際の使い方
基本的なワークフローは以下のとおりである。
-
4 つの問いに回答
目的・対象・比較・行動を入力し、「論点を生成」する。
AI が複数の論点案を生成できる。修正したい論点があれば適宜編集できる。 -
分析設計書の確認・編集
AI 生成の設計書を確認し、必要に応じて修正する。最終的に設計書を基に Excel を生成する。
上記がアプリの画面。分析設計書もDLが可能。
エクセル出力結果。ローデータと集計、判断基準とわかりやすく分析が可能になる。
生産性向上のポイント
-
設計→実装→実行 のサイクルを短縮
エンジニアが手作業で設計書を書き、Excel を構築する従来プロセスを省略できる。 -
学習コストの低減
初心者が設計や帳票作成の手順を一つずつ理解しながら実装に入れる。 -
フィードバックループの高速化
自律的なエラー修正とログ生成により、分析設計の改善サイクルを加速する。
まとめと所感
analytics_excel は、問い駆動というシンプルな入力から Excel 帳票生成までを一貫して支援するツールである。
設計をほぼ自動化し、実装は可視化と自己修正機構によって安定化することができた。
作ってみて、今回ローカルLLMはqwenを試してみたが、処理落ちして時間もかかり無理があった。OpenAI APIを今回使用したが、もしローカルLLMでよりよいベストプラクティスがあればそれもためしてみたい。



