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【Qiitaでバズるには?】読まれる記事の3つの要点と6つの実践パターン

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はじめに:この記事の対象読者と「バズ」の定義

この記事は、以下のような思いを持つ、すべてのQiitaユーザーのために書きました。

  • 「自分の知識や経験を、誰かのために役立てたい」
  • 「せっかく記事を書くなら、たくさんの人に読んでほしい、評価されたい」
  • 「Qiitaの記事を書いてみたいけどどうやって書けばいいかよくわからない」

私自身、現在開催中のQiita Tech Festaに乗じて初めて記事を投稿した時に多くの記事を参考にさせていただきました。そしてさまざまな記事を読んでいく中で、いいねが多くついている記事にはいくつかの共通点とパターンが存在することに気づきました。

この記事では、実際に「100 いいね」の壁を越えている記事を参考に、多くの読者のもとに届くための具体的な書き方を示します。


そもそも、この記事でいう「バズる」の定義とは?

「バズる」という言葉は曖昧ですが、この記事では「100 いいね以上を獲得し、Qiitaのトレンド(日次・週間)に掲載されること」を一つの目安としそれぞれの範囲に関して勝手に定義づけました。

  • ~10 いいね: 記事を読んでくれた方からの、純粋な感謝の証
  • 10~30 いいね: 検索やタグから、同じ課題を持つ多くの人に届いている状態
  • 30~100 いいね: 専門分野のコミュニティ内で「読むべき記事」として広く認知されている状態
  • 100 いいね以上: (ここからが「バズ」の領域) 専門分野を超えて、多くのエンジニアにとって価値のある情報として拡散されている状態
  • 1000 いいね以上: そのテーマにおける、後世まで参照され続ける「殿堂入り」の記事

要点その1:読者は「最初の5秒」で続きを読むか決める 

どんなに素晴らしい内容でも、読んでもらえなければ始まりません。最初の数秒で「この記事は、読む価値がある」と感じさせることが何よりも重要です。

① タイトルで「運命の出会い」を演出する

タイトルは、読者があなたの記事と最初に出会う場所です。ここで「これは私のための記事だ!」と思わせる必要があります。

【良くないタイトルの例】

  • Dockerについて ← どんな内容か想像しづらい
  • プログラミング学習 ← 漠然としすぎ
  • エラー解決 ← なんのエラー?

【良いタイトルの例】

  • [初心者向け] Dockerって何?を元Dockerアレルギーの私が料理に例えて徹底解説!
        → ターゲット(初心者)、著者の共感性(元アレルギー)、内容の分かりやすさ(例え話)が伝わる。
  • [2025年版] 私が本当に手放せない、VS Code拡張機能ベスト10(Web開発編)
        → 最新情報、具体的な数、分野の絞り込みで、読む価値が高いと感じさせる。
  • bundle install半日溶かした僕が、たった1行で解決した方法【M3 Mac】
        → 読者の「痛み」への共感と、「簡単な解決策」という期待感を煽る。

② 導入で「読む理由」を約束する

【導入文の鉄板テンプレート】

ターゲット読者への呼びかけ)「〇〇を学び始めたばかりの皆さん、こんにちは!」

読者の課題への共感)「ドキュメント通りにやっているはずなのに、なぜかAccess Deniedエラーが出て先に進めない…なんて経験はありませんか?」

この記事が提供する価値)「この記事では、そのエラーの根本原因と、私が実際に解決した3つの具体的なステップを、スクリーンショット付きで徹底的に解説します。」

読後感の約束)「この記事を読み終えれば、あなたはもうデータベース接続エラーに怯えることはなくなり、自信を持って開発を進められるようになっているはずです。」

この構成で書くことで、読者は「この記事は自分事だ、最後まで読むぞ」と決意します。

③ フォーマットで「読むストレス」をゼロにする

  • 見出しを「目次」にする: 記事の構造を明確にする。
  • 箇条書きを使いこなす: 情報を整理する。
  • 「図 > 表 > 文章」を意識する: 視覚的に理解を助ける。
  • コードは短く、コメントを入れる: 要点を絞り、理解を助ける。

要点その2:「バズる記事」の6大パターンと実践法

上記の基本原則を押さえた上で、人気記事の代表的な6つのパターンと、それぞれの「読者の心を掴むコツ」を見ていきましょう。

パターン1:ハンズオン・手順解説系(チュートリアル型)

読者のゴール: 「この記事の通りにやれば、自分でも動くものが作れる」
コツ: 「5歳の子供に教えるつもりで、一切の前提知識を疑う」

【実践例:DockerでRails環境を構築する記事の場合】

docker-compose.ymlを貼り付けた後、ただ「このファイルを作成してください」で終わらせていませんか?

良い記事は、こう書きます。


ステップ2:docker-compose.ymlの作成

次に、プロジェクトの「設計図」となるdocker-compose.ymlファイルを作成します。以下のコードをコピーして、プロジェクトのルートディレクトリに保存してください。

services:
   db:
     image: mysql:8.0
     # ... (中略) ...
   web:
     build: .
     # ... (中略) ...

🤔「ところで、このbuild: .って何?」

ここで少し寄り道です。このbuild: .という一行は、「webサービス(Railsアプリ)の実行環境は、このdocker-compose.ymlと同じ場所にあるDockerfileという別の設計図を元に作ってくださいね」という意味です。次のステップで、そのDockerfileを作成しましょう。


このように、読者が抱くであろう「なぜ?」という疑問を先回りして解説することで、挫折させない親切な記事になります。「コピペで動く」は最低条件、「コピペしながら、なぜ動くのかも理解できる」のが理想です。

パターン2:深掘り・概念解説系(教科書型)

読者のゴール: 「なんとなく使っていた技術の『なぜ?』を、腹落ちして理解したい」
コツ: 「究極の例え話を探す旅に出る」

【実践例:UI/UXの違いを解説する記事の場合】

「UIは見た目、UXは体験です」だけで終わらせず、読者の記憶に突き刺さるような、鮮烈な例え話を考えましょう。


UIとUXの決定的な違い:ケチャップのボトルで考える

ここに2つのケチャップボトルがあります。

A: 見た目は最高にオシャレ。でも、逆さに振ると中身がドバッと飛び散るボトル。
-   UI: 素晴らしい✨
-   UX: 最悪 😠 (使ったらイライラする体験)

B: 見た目は何の変哲もない。でも、ボトルを押すと一滴単位で量を調整できるボトル。
-   UI: 普通 😐
-   UX: 素晴らしい✨ (ストレスなく使えて満足する体験)

つまり、UIはUXを構成する重要な「部品」ではありますが、UIが良いからといって、必ずしもUXが良いとは限らないのです。我々が目指すべきは、もちろん「デザインも美しく、使い心地も最高なボトル」ですよね。


このように、身近な例に置き換えることで、抽象的な概念も一気に自分事として理解させることができます。

パターン3:経験談・ポエム系(共感・教訓型)

読者のゴール: 「他のエンジニアの経験から、自分のキャリアや仕事のヒントを得たい、勇気をもらいたい」
コツ: 「自分の弱さや失敗を、正直に、そしてユーモアを交えて語る」

【実践例:初めてのインフラ構築で大失敗した話の場合】

成功談よりも、失敗談の方が圧倒的に共感を呼びます。


あの日、僕は本番DBを消した

入社2年目、初めてインフラを任された僕は、舞い上がっていた。「これで俺もインフラエンジニアの仲間入りだ!」と。深夜のメンテナンス作業、手順書を片手に意気揚々とコマンドを打ち込んでいく。そして、作業完了の報告をした30分後、Slackに先輩エンジニアからのメンションが飛んできた。

「まきむらさん、もしかして、本番のDB、DROPしました…?」

全身の血の気が引く音が聞こえた。手順書の--host=stagingオプションを、僕は確かに打ち込んだはずだった。しかし、僕のiTerm2は、なぜか本番環境のウィンドウが開いていたのだ…。


このような生々しい失敗談は、読者を強く惹きつけます。そして、この記事の価値は「どうやってリカバリーしたか」そして「この失敗から何を学び、再発防止のためにどんな仕組みを作ったか」という具体的な教訓にあります。読後感が「面白かった」だけでなく、「自分も気をつけよう」という学びに繋がるようにすることが、良いポエムの特徴です。

パターン4:新技術・トレンド速報系(一番乗り型)

読者のゴール: 「話題の新技術について、誰よりも早く、要点だけでもキャッチアップしたい」
コツ: 「完璧さより、スピードを重視する」

【実践例:「すごいAIモデル『SuperAI』が発表された!」という記事の場合】

詳細な解説を書こうとして時間をかけるより、発表から数時間以内に「動かすまでの最短手順」を記事にする方が価値が高い場合があります。


【速報】昨日発表された「SuperAI」を早速動かしてみた!インストールからHello Worldまで5分で解説

日本時間の昨日深夜、〇〇社から驚異的なAIモデル「SuperAI」が発表されましたね!
論文を読むのは後回しにして、まずは動かしてみたい!というせっかちな皆さんのために、インストールして最初のデモを動かすまでの最短手順をまとめました。

1. インストール

pip install super-ai

2. hello.pyの作成

from super_ai import World

world = World()
print(world.hello())

3. 実行!

$ python3 hello.py
Hello, Super World!

とりあえず動きました!これから公式ドキュメントを読み込んで、詳しい使い方を調査してみます。続報をお待ちください!

【公式ドキュメント】
https://example.com/super-ai-docs


これで十分です。スピードが命の分野では、「最初の道標」になること自体に大きな価値があります。

パターン5:まとめ・リスト系(辞書・カタログ型)

読者のゴール: 「特定のテーマに関する有益な情報を、効率よく一覧で手に入れたい」
コツ: 「単なるリストではなく、『自分の意見』という付加価値を載せる」

【実践例:Gitの便利コマンドまとめ記事の場合】

ただコマンドを並べるのではなく、「なぜそれが便利なのか」「どういう場面で使うのか」というあなたの経験を添えましょう。


現場で本当に役立った!Gitコマンド10選

Gitにはたくさんのコマンドがありますが、正直全部は使わないですよね。ここでは、私が日々の開発で「これがないと生きていけない!」と本気で思っているコマンドだけを厳選して紹介します。

...

3. git rebase -i HEAD~3

これは少し上級者向けですが、絶対に覚えるべきコマンドです。直近3つのコミットを、まるでタイムマシンのように綺麗にまとめ直すことができます。プルリクエストを出す前に、ゴチャゴチャしたコミット履歴を「〇〇機能の実装」という一つの綺麗なコミットにまとめたい時に、僕は必ず使います。これを覚えるだけで、あなたのプルリクエストは格段にレビューしやすくなりますよ。


このように、「私はこう使っている」という主観的な情報こそが、読者が本当に求めている付加価値です。

パターン6:普遍的・技術深掘り系(知的好奇心型)

読者のゴール: 「言語やフレームワークに依存しない、コンピュータサイエンスの普遍的な『なぜ?』を知りたい」

これは、多くのエンジニアが日常的に使いながらも、「そういえば、どういう仕組みなんだろう?」と一度は疑問に思うような、技術の根源的なテーマを掘り下げる記事です。

書く時のコツ: 「当たり前を疑い、OSやプロトコルのレベルまで潜って解説する」

【実践例:「ブラウザにURLを打ち込むと、何が起きるのか?」という記事の場合】

Webに関わる全てのエンジニアが毎日行っているこの操作。しかし、Enterキーを押した後の0.1秒の間に、一体どんな壮大な旅が繰り広げられているのでしょうか?その裏側を、友達の家を訪ねる旅に例えて解説します。


ブラウザにURLを打ち込んでからページが表示されるまでの壮大な旅

あなたは今、ブラウザのアドレスバーに https://qiita.com と打ち込み、Enterキーを押しました。ここから、あなたのブラウザ君の冒険が始まります。

1. 住所を調べる【DNS】

(中略)DNSサーバーは「はいよ、123.45.67.89だよ」と教えてくれます。

2. 道を確保し、挨拶する【TCP/IP】

(中略)安全で確実な通信路(TCPコネクション)が確立されます。

3. 要件を伝える【HTTPリクエスト】

(中略)家の主(Webサーバー)に「トップページを見せてください!(GET / HTTP/1.1)」と書かれたリクエストレターを渡します。

4. コンテンツを受け取る【HTTPレスポンス】

(中略)家の主(Webサーバー)は、「はい、どうぞ」と言って、設計図(HTMLファイル)などをまとめてブラウザ君に渡します。

5. 組み立てて表示する【ブラウザレンダリング】

(中略)あなたの目の前に美しいページを組み立てて表示します。


このように、「gitはなぜ速いのか?」「localhostはなぜ127.0.0.1なのか?」といった、特定の言語に依存しない普遍的な技術テーマは、多くのエンジニアの知的好奇心を刺激し、深い学びを提供するため、高く評価される傾向にあります。


要点その3:学習体験の設計による、理解と記憶の最大化

ここまでの要点で、記事は十分に「読まれる」ようになります。しかし、「記憶に残り、深い納得感を与える」記事にするには、最後の要点が必要です。それは、単なる情報の伝達ではなく、読者のための「学習体験」をデザインするという視点を持つことです。

優れた記事は、読者の思考プロセスに寄り添い、論理と共感の両面から理解を最大化する構造を持っています。

① 課題の明確化と共感

まず、この記事が解決する技術的課題を具体的に定義し、読者が直面しているであろう状況を提示します。これにより、読者は「この記事は、まさに今の自分のためのものだ」と認識し、当事者意識を持って読み進めることができます。

: 「あなたは今、Access Denied for user 'root'@'localhost'という、あの赤いエラーメッセージを前に、途方に暮れているのではないでしょうか。大丈夫です。そのエラーは、Docker環境のセットアップで誰もが一度は通る道です。」

② 思考プロセスの可視化

最終的な結論や完璧なコードだけを提示するのは、最も非効率的な知識伝達方法の一つです。重要なのは、その結論に至るまでの著者の思考の過程を可vis化することです。

  • 良くない例: 「このエラーは、docker-compose.ymlのポートを3307:3306にすれば直ります。」
  • 良い例: 「最初、私はデータベース接続の問題だと考え、database.ymlのホスト名を疑いました。しかし、host.docker.internalを試しても結果は同じでした。そこで、次に私は接続先の『ポート』に問題があるのではないかと考え始め…」

失敗した仮説も含めた思考の過程を示すことで、論理の飛躍がなくなり、読者は解決策の妥当性を深く納得できます。

③ リスクとアンチパターンの提示

優れた技術記事は、単に成功への道筋(ベストプラクティス)を示すだけでなく、陥りがちな誤り(アンチパターン)とそのリスクを明確に提示します。これにより、読者は将来同じ過ちを犯すことを避けられます。

: 「ここでやってはいけないのが、焦ってmysqlコンテナのcommand--default-authentication-plugin=mysql_native_passwordを指定してしまうことです。それは一見解決策に見えますが、より推奨される認証方式の利用機会を失い、セキュリティレベルを下げるという技術的負債を生み出します。」

ベストプラクティスの背景にあるトレードオフやリスクを示すことで、記事の信頼性と教育的価値は飛躍的に高まります。

④ 発展的学習への誘導

読者の課題を解決して終わりではありません。その記事で得た知識を土台として、読者が次に取り組むべき学習テーマや、関連する技術領域への道筋を示すことで、記事の価値はさらに高まります。

: 「これでデータベースに接続できるようになったあなたなら、次はActiveRecordの強力なクエリメソッドを学ぶ準備ができています。特にN+1問題を解決するincludesメソッドについて解説した、こちらの記事もおすすめです。」

読者の知的好奇心を刺激し、次の学習ステップへの橋渡しをすることで、あなたの記事は一過性のTIPSではなく、読者の成長を促す「良質な学習コンテンツ」となります。

最後に

(いろいろと書いていった結果ただただQiitaにある記事の種類を紹介しただけになってしまった気がしますが)

たくさんの人が自分の書いた記事を読んでくれると嬉しいし、モチベーションになるものです。

この記事で紹介した多くの要点やパターンは、結局のところ、たった一つのシンプルな問いに集約されます。

「この記事は、過去の自分が読んだら、果たして喜んでくれるだろうか?」

この問いに「はい」と胸を張って答えられるのであれば、その記事は必ず誰かの役に立ちます。

あなたの経験は、あなたが思っている以上に価値があります。その貴重な知見を、ぜひ次の記事として世界に共有してみてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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