Makarov Physics Suite は、Windows と macOS のためのインタラクティブな物理実験室集です。どのシーンもアニメーションではなく生きたモデルで、方程式はその場で解かれ、画面に映るものはすべてそこから導かれます。32本の動画がそれぞれ何を見せているかを紹介します。
オーロラ(磁気圏)。 太陽風の荷電粒子が地球に届き、磁場に捕まって磁力線に沿ってらせんを描き始めます。磁場は棒磁石と同じ双極子で、粒子を両極へと集め、磁力線が大気に入るところでオーロラの環が光ります。動画では粒子の流れがらせんに巻き、極付近の「磁気ミラー」で跳ね返り、大気へ降り注ぐ様子が見られます。
ベッツ限界。 風車は風のエネルギーをすべて取り出すことはできません。空気を完全に止めてしまえば、行き場がなくなるからです。1919年にベッツが導いた上限は 59.3 %。動画では回転するロータを風が通り抜け、後ろで流れが減速し、出力係数が理論限界に張り付く様子が見えます。
ブラウン運動。 水中の微粒子が震えながらさまようのは、分子が絶えず不規則にぶつかっているからです。動画では、目に見えない数千の分子の箱の中の一粒を追います。見た目は混沌ですが、平均二乗変位は時間に厳密に比例して増えます。1905年にアインシュタインが原子の実在を示した、まさにその事実です。
チェレンコフ放射。 真空中で光より速いものはありませんが、水の中では光は遅くなります。媒質中の光より速く走る電子は、ジェット機が衝撃波を残すように光の円錐を残します。動画では、その円錐の角度から検出器の青い環が現れる様子が見られます。
クラドニ図形。 振動する板に砂を撒くと、板が動かない静かな線の上に砂が集まります。動画では周波数を変えると模様が組み替わる様子が見られ、砂が板自身の振動を描き出します。
布(XPBD)。 チェック柄のテーブルクロスが落ち、折れ曲がり、障害物に引っかかります。数千の点をばねでつないだもので、ソルバーが布の自己貫通を防ぎます。動画では単純な規則から本物のしわが生まれます。
衝突と運動量。 ニュートンのゆりかご:一つの球が列にぶつかると、飛び出すのは最後の一つだけ。動画はその理由を示します。運動量とエネルギーが列を伝わり、二つの保存則を同時に満たす球の組み合わせは他にないのです。
コンプトン散乱。 光子が電子に当たり、ビリヤードの球のようにエネルギーを失って跳ね返ります。動画では粒子がさまざまな角度に飛び散り、波長のずれが角度に依存する様子が見えます。ノーベル賞をもたらしたコンプトンの公式そのままです。
直流モーター。 磁極の間にある電流ループは回転しようとし、整流子がちょうどよい瞬間に電流を反転させて回転を止めません。動画ではブラシ、整流子、そして電機子が働く磁場の地図が見られます。
二重振り子。 振り子の先に振り子を吊るした、カオスが支配する最も単純な系です。動画では、ほぼ同一の二つのコピーが数秒でまったく別の軌道へ分かれ、発散のグラフが指数関数的に伸びていきます。
ジャニベコフ効果。 無重力の蝶ナットが宙返りをします。中間の軸のまわりに回っていたかと思うと、突然180°ひっくり返る。手品ではなく、中間の慣性モーメントの軸で回されたどんな物体もこう振る舞います。動画は反転を見せ、オイラーの方程式で説明します。
電場。 電荷を置いて、そのまわりの場を見てみましょう。電気力線は正電荷から出て負電荷へ入り、等電位線はそれと直交します。動画では双極子、四重極子、帯電した環が見られます。
電磁石と砂鉄。 鉄心入りのコイルと砂鉄のトレイ。電流を流すと砂鉄が磁力線に沿って並び、場を描き出します。動画では電流とともに模様が変わり、鉄心が場を強める様子が見られます。
電子光学。 電子銃から出た電子が静電レンズを通り、昔のテレビのように蛍光スクリーンに当たります。動画ではビームの集束、偏向板、そしてスクリーン上の一点から像が組み上がる様子が見られます。
電磁波(FDTD)。 マクスウェル方程式を格子の上で一歩ずつ直接解きます。動画では点源からの波が環状に広がり、障害物を回り込み、自らと干渉します。電波と光を記述するのと同じ方程式です。
フーコーの振り子。 振り子は一つの面で揺れ続け、その下で地球が回ります。動画では振動面がゆっくり円を描いて回っていく様子と、極では一日で一周し、赤道ではまったく動かない理由が見られます。
銀河(バーンズ–ハット N体)。 三万の星が互いに引き合います。N² 回の計算の代わりに、バーンズ–ハット法が遠い星をまとめて一つの質量として扱います。動画では二つの円盤が衝突し、潮汐の尾を引き、合体します。
ゴルトンボード(3D)。 球が釘の格子を落ちて下の枡に集まります。一つ一つの球は左右をランダムに決めますが、全体はガウスの釣鐘を描きます。動画では数千の偶然から法則が現れます。
幾何光学。 光線がレンズで屈折し、焦点に集まります。動画では物体を動かすと像がどう変わるか、虚像はどこから来るか、凸レンズと凹レンズがどう振る舞うかが見られます。
リサージュ図形。 オシロスコープの二つの入力に異なる周波数の振動を入れると、ビームが曲線を描きます。動画では 1:2、2:3、3:4 の周波数比が、図形の葉の数からそのまま読み取れることが分かります。
分子の形。 水から C60 フラーレンまで、分子は反発し合いながら釣り合いを見つける原子から組み上がります。動画では、結合角が「電子対はできるだけ離れる」という単純な規則から生まれる様子が見られます。
振り子の波。 長さの異なる15本の振り子を同時に放します。周期の調整により、球の列は波になり、混沌に崩れ、また元に戻ります。動画は振り付けの一周期すべてを見せます。
遊星歯車。 太陽歯車、遊星歯車、内歯車、キャリア。四つの部品に一つの方程式。どれかを固定するたびに異なる減速比が得られます。動画は自動変速機がまさにこの形に作られている理由を示します。
クアッドコプターと制御。 四つのロータに、それ自体の安定性はありません。ドローンが浮いていられるのは、制御器が毎秒何百回も推力を補正しているからです。動画では PID 制御器がドローンをコースのゲートに通します。
原子炉制御。 連鎖反応と、それを飼い慣らす制御棒。動画では出力が制御棒の動きに遅れて応答する様子が見られます。遅発中性子のおかげであり、その遅れこそが原子炉を制御可能にしています。
シュレーディンガー方程式(1D)。 波束がポテンシャル障壁へ飛んでいきます。古典粒子なら跳ね返るところを、量子粒子は一部が通り抜けます。動画ではトンネル効果、反射波と透過波の干渉、そして確率のノルムが常に1であることが見られます。
煙の柱。 温かい煙が立ち上り、渦を巻き、崩れて渦になります。リアルタイムで解かれるナビエ–ストークス方程式です。動画では浮力と渦度が見慣れたきのこ雲の形を生み出します。
シャボン膜。 二つの環に張った膜は面積が最小の形、カテノイドを取ります。環を離しすぎると膜は二枚の平らな円盤に弾けます。動画ではその境界がどこにあるかが見られます。
トカマク。 ドーナツの中のプラズマを磁場が閉じ込めます。粒子は磁力線に巻きつき、壁には触れません。動画では電荷のらせん運動、ドリフト、そしてプラズマ電流を切ったときに何が起きるかが見られます。
変圧器。 一つの鉄心に二つのコイル。一次側の電流が磁束を作り、磁束が二次側に電圧を誘導します。動画では巻数比が電圧比を決める様子と、銅損がどこへ行くかが見られます。
乱流ラボ。 仮想風洞の中の翼。迎え角が小さいうちは流れは滑らかに沿い、大きくなると渦に千切れます。動画ではトレーサーと、翼や円柱の後ろの渦列が見られます。
水面の波。 石を落とすと環が水面を走り、壁で反射し、重なり合います。動画では波動方程式が、底のコースティクスと波に揺れる浮体とともに見られます。
Makarov Physics Suite — Windows と macOS、Steam にて。物理・数学・天文学の140以上のモジュール。