Gradle dependencyInsight で依存競合を特定して Duplicate class を直した話

事象

Kotlin を2.2.20に上げたあと、ビルド時に以下のエラーが発生しました。

Duplicate class kotlinx.android.parcel.Parcelize found in modules kotlin-android-extensions-runtime-1.7.20.jar and kotlin-parcelize-runtime-2.2.20.jar

kotlinx.android.parcel.* のクラスが重複しているという内容で、依存関係の衝突が疑われました。

そこで原因を特定するために、Gradle が提供している解析タスク dependencyInsight を使うことにしました。dependencyInsight は、特定の依存が どのライブラリ経由で解決されたのか、また 最終的にどのバージョンが選ばれたのか を確認できる便利コマンドです。

今回実行したのは次の通りです。

./gradlew :app:dependencyInsight \
  --configuration releaseRuntimeClasspath \
  --dependency kotlin-android-extensions-runtime

出力例は次のようになります。

org.jetbrains.kotlin:kotlin-android-extensions-runtime:1.7.20
\--- com.some.lib:example:1.x.x
     \--- releaseRuntimeClasspath

調査の結果、外部ライブラリが kotlin-android-extensions-runtime:1.7.20 に依存していることが分かりました。プロジェクト側の kotlin-parcelize-runtime:2.2.20 と同時に解決されてしまい、同じ kotlinx.android.parcel.* を定義するため Duplicate class エラーに繋がっていました。

解決方法

競合している旧ランタイムを依存から除外し、kotlin-parcelize-runtime 側に統一しました。

dependencies {
    implementation("com.some.lib:example:1.x.x") {
        exclude(group = "org.jetbrains.kotlin", module = "kotlin-android-extensions-runtime")
    }
}

除外を設定したら、ビルドを実行して確認します。
その後、dependencyInsight で再度依存を確認し、旧ランタイムが消えていることをチェックします。

./gradlew :app:dependencyInsight \
  --configuration releaseRuntimeClasspath \
  --dependency org.jetbrains.kotlin:kotlin-android-extensions-runtime

除外が正しく効いていれば、このコマンドの結果は何も表示されません。
つまり kotlin-android-extensions-runtime が依存関係から完全に取り除かれていることを確認できます。

まとめ

• Kotlin 2.x 系では kotlin-parcelize-runtime が正式なランタイム。こちらに統一すべき
• 古い kotlin-android-extensions-runtime が外部ライブラリ経由で混入すると、kotlinx.android.parcel.* が重複して Duplicate class エラーになる
• ./gradlew dependencyInsight を使えば、どのライブラリが不要な依存を持ち込んでいるかを特定できる
• 対処はシンプルに exclude を指定して旧ランタイムを除外すること

※ 本記事は私の環境で遭遇した事例の整理です。同じ状況をそのまま再現できるとは限りませんが、 Duplicate class エラーが発生したときの調査・解決の参考になれば幸いです。

参考文献