Illustratorってなに?
Illustrator(イラストレーター)はAdobe社が提供している画像制作向けのデザインツールです。他にもPhotoshop(写真加工向け)、Premiere Pro(動画向け)、XD(画面設計向け)など目的に合った制作ツールがあります。
街中にある広告などのコンテンツのほとんどは、制作過程でAdobeソフトが使われています。
Photoshopとの違いは?
Illustratorと似たようなツールでPhotoshopがあります。 細かい仕組みの説明は割愛して、どんな場面に適しているかを記載します。Illustratorが強い場面
・印刷物のレイアウト(名刺、チラシ、パンフレット、雑誌など)
・オリジナルグッズの発注(Tシャツ、マグカップ、カレンダーなど)
・アイコン、ロゴの作成
・プレゼン資料の作成
Photoshopが強い場面
・本格的な写真加工(食べ物に湯気を足す、肌をキレイにする など)
・合成写真(コラ画像)の作成
・イラスト、アートの作成
・写真の明るさや色味を変える
正しい知識がないと…
正しい知識を持って製作しないと、思い通りの成果物が完成せず、作り直しやスケジュールの組み直しが発生してしまいます。 今回はIllustratorの活用例と失敗例を紹介します。Illustratorの活用例
例えば、「イベント限定で利用する名刺」を作成するとき。「デザイン 〜 入稿/発注 〜 印刷」の全ての工程を外部の業者に任せると経費が嵩みますし、時間もかかります。
そこで、Illustratorを使って「デザイン〜入稿/発注」までを自分で行い、経費や時間を削減することができます。
■主なフロー
①印刷業者のWebページから名刺の発注用テンプレートをDL
②テンプレートをillustratorで開き、文字や図形を配置
③印刷業者にデータを入稿(アップロード)して発注
この後、印刷業者によって印刷/裁断され出来上がった名刺が手元に届きます。
Illustratorの失敗例
印刷物を入稿する際に気をつけなければならない点があります。先ほどの「名刺の作成」で起こりうる事例を紹介します。
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花子さんは「展示会イベントで利用する名刺」を作成します。
手順に沿ってテンプレートに文字などを配置して発注しましたが、、、
完成した名刺はなんと、裏面に配置していた文字が切れていました!!
何故か色味もくすんでいます・・・
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この失敗例では、2つの問題に対してそれぞれ原因があります。
①文字が切れてしまった ⇨ 断裁位置を知らなかったことが原因
②色味がくすんでしまった ⇨ カラーモードを知らなかったことが原因
順番に解説します。
失敗例 ①文字が切れてしまった
まず、①の文字が切れてしまった事例について、断裁位置を把握していなかったことが原因です。皆様はテンプレートの端に黒く細い線がいくつか出ていることにお気づきでしょうか。
これが断裁位置の目印となるマークです。
これをトンボ(またはトリムマーク)と呼びます。
印刷業者はこのトンボの内側の線を基準に断裁します。
名刺・チラシ・パンフレットなどの印刷では、紙の端までキレイに色を載せるために、仕上がりサイズより大きい面積で印刷データを作成しておくのです。
文字などの大事な素材は断裁位置より内側に、余裕を持って配置することが重要です。
失敗例 ②色味がくすんでしまった
次に、②の色がくすんでしまった事例について、正しいカラーモードに設定していなかったことが原因です。カラーモードとは「色の表現方法」のことを指しており、
インクで表現する「CMYK」と光で表現する「RGB」の2種類があります。
設定の基準は
印刷物向けに作成 ⇨ CMYK
画面表示向けに作成 ⇨ RGB
になります。
具体例を上げるとこんな感じです。
■CMYK
名刺/チラシ/パンフレット/Tシャツプリント/その他ノベルティ向けの 印刷データ作成
■RGB
動画広告/Web/デジタルサイネージ/システムのUI/モニター向けの 素材データ作成
カラーモードはIllustrator上で作業を始める前に、正しく設定しておく必要があります。
今回の事例は名刺、つまり印刷物ですので「CMYK」に設定しておくと想定した色味で作ることができます。
Illustratorを使う際に気をつけること
思い通りの成果物が完成しないと、作り直しやスケジュールの組み直しが発生し想定外の事態に陥ります。今回の失敗例では、2つ学ぶことができました。
①大事な素材は断裁位置より内側に配置する
②用途に合わせて適切なカラーモードを設定する
以上です、閲覧いただきありがとうございました。