概要
Virtual Box 上のOracle LinuxでGrid Infrastructureをインストールした後にCPU使用率が高騰した時の対応備忘録です。
仮想マシンの中身の問題ではなく、Windowsの問題であった為解決まで時間がかかりました。
同じようにはまった方の参考になれば幸いです。
目次
環境の前提
No | 内容 | バージョン | 備考 |
---|---|---|---|
1 | Windows11 Home | 23H2 | CPU:Intel(R) Core(TM) i7-10700F CPU @ 2.90GHz |
ソケット: 1 コア: 8 論理プロセッサ数: 16 | |||
搭載メモリ:64.0 GB | |||
2 | Oracle Linux | 8.6 | 最小構成インストール |
3 | Virtual Box | 7.0.22 r165102 | Guest Additionsを使用 |
仮想マシンのリソース割り当ては以下の通り
No | リソース | 割り当て |
---|---|---|
1 | CPU | 8 |
2 | メモリ | 16384MB |
発生事象
Virtual Box上のOracle Linux上に、Oracle Databaseを構築する過程で発生
Grid Infrastructure インストール後に(この時点でなんか遅いな?と違和感は感じていた)
runInstallerを用いてDatabaseを構成する際に画面表示に数時間かかりました。
(普通は待っても数分)
/var/log/messeages では以下のような記録がされる。
ora19s2 kernel: watchdog: BUG: soft lockup - CPU#1 stuck for 23s! [crsctl.bin:7734]
Grid Infrastructureを動作させただけでCPUが100%張り付きになった為
DatabaseのInstallは断念し調査開始。
尚、Windows11 Homeの環境でのみ事象は発生
Windows11 Proの環境では、同一手順を使用しても事象は発生しなかった。
色々解決した後に、再現させた際のCPU使用率
Grid Infrastructureが原因でCPU使用率が高いようも考えられるが
10分以上経ってもGrid Infrastructureが起動しなかった。
この時、Windows側の操作には違和感は無い。
(WindowsとしてのCPU使用率は概ね30-40%程度で推移)
仮想マシン:ログイン画面が表示
スクリーンショットは取り損ねたのですが、画面上には /var/log/messages で記録されていた
以下の内容が表示されたこともありました。
ora19s2 kernel: watchdog: BUG: soft lockup - CPU#1 stuck for 23s! [crsctl.bin:7734]
緑のカメさんマークにカーソルを合わせた時の表記
カメさんマークは遅いときに表示されるアイコン
実行エンジンが「native API」と表示される。
比較となる図は設定変更後で載せていますが青いアイコンになり
実行エンジンが「VT-x/AMD-V」となります。
解決策
結論として
Windows セキュリティ>コア分離 から
「メモリ整合性」機能をOFFにすることで改善がみられました。(下図)
※Windows 11 Pro では、上記の設定の他
Hyper-Vが有効化されていると同様の事象が発生するらしい(未再現)
設定変更後
対応履歴
・ Linux観点で「watchdog: BUG: soft lockup - CPU」のキーワードを調査をしてみましたが原因ははっきりせず。基本的にはCPUのリソースが足りない事に起因している。
→ VMに割り当てているCPU数を増やしてもCPU使用率の張り付きは変わらず。
→ shmmaxやnr_hugepages等のカーネルパラメータの数値を変更しても変化なし。
→ OSの再インストール、最小構成やGUIあり等複数パターン試すも事象としては再発。
→ Grid Infrastructureを19.3のインストールや19.24の同時Applyでも変化無し。
参考文献
整理後、記載予定
Qiitaの記事を参照したBlogからWindows 11 HomeにHyper-Vをインストールする手順が記載されておりますが
元記事(Qiita)の内容が削除されていた為、記載しません。
Hyper-Vでの再現するかどうかの確認の為、Hyper-VをHomeにインストールもやってみましたが
Windows自体の挙動がおかしくなった為、復元ポイントから復旧する破目になりましたのでお勧めしません。