頻出CG(コンピュータグラフィックス)用語の整理と一撃暗記法
はじめに
情報処理技術者試験(応用情報技術者、高度共通午前Ⅰ・Ⅱなど)で地味に出題され、直前期に「なんだっけ?」となりやすいのが コンピュータグラフィックス(CG) に関する用語問題です。
「テクスチャとバンプの違いは?」「レイトレーシングとラジオシティって何が違うの?」といった疑問を、試験本番で迷わず選択肢から一発で正解を抜くためのポイントとして整理しました。
1. 表面の質感を決める技術(マッピング系)
ポリゴンの表面に「模様」や「質感」を乗せる技術です。「実際に形状が変わるのか、それとも見せかけなのか」が問われます。
| 用語 | 処理内容 | ポイント・試験の急所 |
|---|---|---|
| テクスチャマッピング | 模様・画像を表面に貼る | 2Dの画像を壁紙のように貼るだけ。形状や凹凸は増えない。 |
| バンプマッピング | 面の向き(法線)を変えて凹凸に見せる | 頂点データは増やさず、光の反射計算だけを変えて「デコボコしている錯覚」を作る。 |
| ディスプレイスメントマッピング | 頂点そのものを動かして凹凸を作る | バンプと違い、実際にポリゴンの頂点位置を動かすため、輪郭までデコボコになる(処理は重い)。 |
| 環境マッピング | 周囲の風景を写り込ませる | あらかじめ用意した周囲景色の画像を面に貼り、金属や水面への映り込みを高速に表現する。 |
2. 光と影を計算する技術(レンダリング・シェーディング系)
「光をどこまでリアルに追跡するか」で手法と計算負荷が分かれます。
| 用語 | 処理内容 | ポイント・試験の急所 |
|---|---|---|
| フラットシェーディング | ポリゴン(面)ごとに単色で塗る | 最も単純。ポリゴンの継ぎ目がはっきり見えてカクカクする。 |
| グローシェーディング | 頂点の色を線形補間する | 面の中を色のグラデーションで滑らかにする。ハイライトがぼやけやすい。 |
| フォンシェーディング | ピクセル単位で法線を補間する | 頂点ではなくピクセル単位で光を計算。丸みや鋭い光沢(ハイライト)が綺麗に出る。 |
| レイトレーシング | 視点から光線を逆トレースする | 視点から光線を飛ばし、直接光・反射・屈折・影を計算。鏡やガラスの表現に強い。 |
| ラジオシティ | 拡散反射面同士の相互反射を計算する | 壁や床などの面同士で光が跳ね返り合う間接光を計算。部屋全体の柔らかな光や影を表現する。 |
3. 見えない部分を消す技術(隠面消去・クリッピング)
カメラから見えない裏側や遠いポリゴンを効率よく間引く処理です。
| 用語 | 処理内容 | ポイント・試験の急所 |
|---|---|---|
| Zバッファ法 | 深度(Z値)メモリを使って判定 | ピクセルごとにカメラからの距離(Z値)を記録し、手前のものだけを描画。GPUの標準。 |
| スキャンライン法 | 画面の走査線(横1行)単位で描画判定 | 水平ラインごとに交差するポリゴンを計算して手前の面を描く。 |
| クリッピング | 視界の外側を切り捨てる | カメラの視界枠(視野錐台)からはみ出た部分をレンダリング対象から除外する。 |
4. 特殊モデリング・表示技術
| 用語 | 処理内容 | ポイント・試験の急所 |
|---|---|---|
| メタボール | 濃度場を合成して滑らかな曲面を作る | 球などの中心点の力場を合成し、融合する水滴やスライムのような有機的形状を作る。 |
| モーフィング | 別の形状へ滑らかに変形する | ある立体や画像から、別の立体・画像へスムーズにアニメーション変形させる。 |
| アンチエイリアシング | 輪郭のジャギー(ギザギザ)を緩和する | ピクセル境界に中間色(グラデーション)を置いて滑らかに見せる。 |
迷ったらこれ!試験会場で効く「一撃キーワード合言葉」
午前問題の選択肢は、問題文のキーワードと手法名を結びつければ秒で解けます。以下の組み合わせだけ頭に入れておきましょう。
- 「模様・画像」 $\to$ テクスチャマッピング
- 「見せかけの凹凸(法線)」 $\to$ バンプマッピング
- 「反射・透過・屈折(光線追跡)」 $\to$ レイトレーシング
- 「拡散反射・相互反射・間接光」 $\to$ ラジオシティ
- 「水滴・融合する有機的形状」 $\to$ メタボール
- 「ジャギー(ギザギザ)解消」 $\to$ アンチエイリアシング