はじめに
生成AIが当たり前の世の中になってきました。
文章を書くのも、情報を調べるのも、長い文章を要約するのも、すべてをAIが担ってくれるようになっています。
しかしながら、
- 欲しいものを言葉にして指示する
- 作られたものが正しいか、良いものかを判断する
- 出されたものを見て、さらに良いものになるよう指示する
これらは、依然として人間が行っています。
仕事の大部分がAIに置き換わる未来も語られていますが、
少なくとも私は、我が子が大人になる15年後に人間が何も考えなくてよい世界になっているとは思っていません。
今回の記事は答えを書く記事ではありません。
エンジニア的な観点で、子育て中の諸先輩方がどのような思想で子どもの本を選んでいるのかを伺いたい記事です。
「○歳向けおすすめ絵本10選」のような記事は世の中にたくさんあります。
そうではなく、
エンジニアとして、こういう力を身につけてほしくてこの本を選んだ
という、選書の裏側にある考え方を聞いてみたいのです。
AIに質問するにしても、言葉を知らなければ質問できない
将来Saasが本当に死を迎え、
顧客の要求を人間が聞き、要件に落とし込み、設計して、決まった形のサービスとして提供する
――そんな今の開発の形がなくなる可能性だってあります。
顧客自身がAIに自然言語で要求を伝え、その場で必要なものが作られる未来もあるかもしれません。
しかし、そんな世界になったとしても、
自分が何を欲しいのかを言葉にできなければ、AIにも伝えられません。
言葉を知らなければ、要件を言語化することもできない。
考え方の引き出しがなければ、別の方法を思いつくこともできない。
前提知識がなければ、AIが出した答えがおかしいことにも気づけない。
AIが賢くなればなるほど、人間側には、
- 言葉を知っていること
- いろいろな考え方を知っていること
- 文章を読んで意味を取れること
- 「本当にそうか?」と考えられること
という視点が大切になると思っています。
その土台を作る方法の一つとして、幼少期からの読書や読み聞かせがあるのではないでしょうか。
要約ではよくない
大人になると、どうしても効率を求めます。
「この本の要点だけ教えて」
「3行でまとめて」
「結論だけ教えて」
私も普通にやります。
AI時代は、ますますそうなっていく気がします。
でも、子どもの頃まで全部それでいいのかと言われると、少し引っかかります。
物語を最初から最後まで読む。
途中でこのあとどうなるんだろうと考える。
知らない言葉が出てくる。
登場人物に腹を立てたり、かわいそうだと思ったりする。
話とは直接関係なさそうなところを、なぜかしっかり覚えている。
要約だけを無くなってしまう部分です。
でも、一見すると効率の悪いこうした体験の中にこそ、人間側に残るものがある気がしています。
自分の選書の話
我が家には、小学三年生と小学一年生の子どもがいます。
自分の好きなものだけではなく、趣味の入口になるような本をたくさん読んでほしいという思いがあります。
教育的にこれが正解だ、と言いたいわけではありません。
あくまで、エンジニアである自分が今のところこんな意図で選んでいる、という一例です。
やっぱり柳田理科雄先生ですよね
自分も幼い頃、『空想科学読本』を読んでいました。
本がありすぎてどれを幼い頃読んでいたかの記憶は残念ながらありません。
ウルトラマンとガンダムとドラえもんとゴジラが出てくるやつだった気がするのですが、どれだったのか分からず……
今は子ども向けに読みやすい『ジュニア空想科学読本』が出ているので、我が家ではこちらを選んでいます。
第1巻だけでも、ドラえもん、名探偵コナン、ゴジラ、カービィ、アンパンマンなど、子どもにも馴染みのある作品がたくさん登場します。
漢字にはルビも振られていて親切設計!
ポケモンだけを扱ったシリーズもあります。
この本を選んでいる一番の理由は、
「本当にそうなるの?」と疑う力を持ってほしい
からです。
アニメだから。
漫画だから。
フィクションだから。
「まあ、ありえないよね」で終わらせるのではなく、
現実にやったらどうなるか、疑問を持って仮説を立て、条件を決めて調べる力をつけるのにもってこいだと思います。
めいたんていサムくんシリーズ
我が家には推理小説がそこそこあります。
クリスティから、横溝正史、東野圭吾、湊かなえ、夕木春央……。
挙げたらキリがありません。
小学生に湊かなえは流石に早いですよね!
そこで、
読みやすくて、人が死ななくて、自分で推理できる本
として選んだのが『めいたんていサムくん』シリーズです。
こちらは『ズッコケ三人組』でおなじみの那須正幹先生が書かれている児童書です。
童心社でも小学1・2年生からの低学年向け作品として紹介されており、ほぼすべての見開きに絵が入っているので、自分で読み始めた時期にも手に取りやすい作りになっています。
推理小説を読むことで、
- 書いてある情報をちゃんと読む
- 重要そうな情報を拾う
- 情報を整理する
- 「こうなんじゃないか」と仮説を立てる
- 最後に答え合わせをする
ということを、物語を楽しみながら自然に繰り返せるのではないかと思っています。
エンジニアリングの仕事に近いですよね。
要件を読む。
ログを調べる。
再現条件を確認する。
仮説を立てる。
検証する。
子どもに「デバッグ力を鍛えろ!」と思って読ませているわけではありませんが、
小さな情報から筋道を立てて考えることを楽しんでほしいという意図で選んでいます。
かいけつゾロリ
そして一番大事なことは、本を読むことを楽しむということだと思います。
科学的思考や論理的思考など、親はいろいろなことを考えます。
でも、本そのものが嫌いになったら元も子もありません。
かいけつゾロリはダジャレも、おならも、笑えることが盛り沢山です!
でも、面白いから子どもは次々にページをめくる。
我が家では、ゾロリをきっかけに、自分から図書館で本を選ぶくらい本が好きになってくれました。
ポプラ社のシリーズ紹介でも、作者の原ゆたか先生が、本ならではの「ページをめくる楽しさ」を子どもたちに知ってもらいたいという考えで作品を作っていることが紹介されています。
親が「ためになりそうだから」と選ぶ本も大切です。
でも、それと同じくらい、
子どもが自分から次のページをめくりたくなる本を見つけること
が大切なのだと思っています。
こうして並べると、選書にも思想が出る
改めて3シリーズを並べてみると、自分が本に期待しているものが結構分かりやすく出ています。
| 本 | 選んでいる理由 |
|---|---|
| ジュニア空想科学読本 | 疑問を持つ・仮説を立てる・検証する |
| めいたんていサムくん | 情報を読む・整理する・筋道を立てて考える |
| かいけつゾロリ | とにかく本を楽しむ・自分からページをめくる |
完全にエンジニアの親の選書ですね。
でも、これが正解だとはまったく思っていません。
「そんなことを考えず、本人が読みたいものを好きに読めばいい」という考え方もあるでしょうし、自分ではまったく選ばないジャンルを意識的に渡している家庭もあると思います。
だからこそ、他の人の選書そのものより、選書の理由が気になっています。
子育て中のエンジニアの皆さん、どうしていますか?
ということで、ここからが本題です。
子育て中のエンジニアの皆さん、子どもの本ってどう選んでいますか?
例えば、
- 自分が子どもの頃に好きだった本を渡す
- 子どもに本屋や図書館で自由に選ばせる
- 学校や園の推薦図書を参考にする
- 図鑑や科学系を意識して選ぶ
- とにかく興味を持ったものなら漫画でも何でもOK
- 親が読んでほしい本も混ぜる
- 自分が普段読まないジャンルをあえて渡す
- 特に何も考えず本人に任せる
など、家庭によってかなり違いそうです。
もし差し支えなければ、コメントでこんな感じに教えてもらえると嬉しいです。
子どもの年齢:
最近よかった本:
その本を選んだ理由:
子どもの反応:
AIが当たり前になる時代に、子どもに何を残すのがいいのか。
正解を決めたいというより、他の家庭が何を考えて本を選んでいるのか知りたいです。
おすすめの本だけではなく、「なぜその本を選んだのか」をぜひ教えてください。


