はじめに
2025年10月にクローズドベータとして始まったX APIのPay-Per-Use(従量課金)モデルが、2026年2月7日に正式ローンチされました。従来の固定月額制(Basic $200/月、Pro $5,000/月)に加え、使った分だけ支払う新しい選択肢が登場しています。
料金モデルの基本
クレジット前払い制
- Developer Consoleでクレジットを事前購入
- APIリクエストに応じてクレジットが差し引かれる
- エンドポイントごとに異なる料金が設定されている
- サブスクリプション不要、最低利用額なし、いつでも開始・停止可能
重複排除(Deduplication)
同一リソース(同じ投稿など)を24時間(UTC日)以内に複数回リクエストしても、課金は1回分のみ。ただし公式には「soft guarantee」とされており、サービス障害時などの例外はあり得ます。
コスト管理機能
Spending Limit(支出上限)
課金サイクルごとの最大支出額を設定可能。上限に達するとAPIリクエストが自動ブロックされるため、意図しない高額請求を防止できます。
Auto-recharge(自動チャージ)
| 設定項目 | 内容 |
|---|---|
| Recharge amount | トリガー時に追加する金額(例: $25) |
| Trigger threshold | この残高を下回ると自動チャージ発動(例: $5) |
自動チャージを有効にしない限り、残高ゼロで利用停止となり追加課金は発生しません。有効にする場合もSpending Limitと併用すれば安心です。
残高がゼロになったら?
APIリクエストがブロックされます。わずかにマイナスになるケースもあり、その場合はマイナス分をカバーするクレジットを追加するまでアクセス不可になります。
従来プランからの移行
Basic / Proプランからの切り替え
- Developer Consoleから直接Pay-Per-Useにオプトイン可能
- いつでも元のレガシープランに戻せる
- 利用可能なエンドポイント自体に変更はなし(課金方式が変わるだけ)
旧Freeティアユーザー
正式ローンチに伴い、Legacy Freeユーザーへの移行措置が発表されていますが、詳細条件は変更される可能性があるため、Developer Consoleで最新情報を確認してください。
xAIクレジット還元
X APIクレジットの購入額に応じて、xAI(Grok)のAPIクレジットが無料で付与されます。
| 累積支出額 | 還元率 |
|---|---|
| $0 〜 $199 | 0% |
| $200 〜 $499 | 10% |
| $500 〜 $999 | 15% |
| $1,000以上 | 20% |
還元率は累積残高全体に適用され、課金サイクルごとにリセットされます。AI機能をアプリに組み込みたい開発者にとっては嬉しいインセンティブです。
開発者向けツール
| ツール | 概要 |
|---|---|
| Developer Console | クレジット購入、使用量のリアルタイム監視、Spending Limit設定 |
| XDK(X Developer Kit) | Python / TypeScript向け公式SDK(ベータ版)。OAuth、ページネーション、ストリーミング対応 |
| Usage API |
GET /2/usage/tweets で使用量をプログラマティックに取得可能 |
注意点
料金は安くなるとは限らない
Social Media Todayの分析によると、従来のBasicプラン相当(15k読み取り + 50k書き込み)をPay-Per-Useで実現すると月額約$575になるケースも報告されています。利用パターンによっては従来プランの方が安い場合もあるため、Developer Consoleのコスト見積もりツールで事前にシミュレーションすることをお勧めします。
エラー時の課金
課金はリソース(投稿、ユーザーなど)単位で行われるため、エラーでデータが返らなければ論理的には課金されないと考えられます。ただし、公式ドキュメントにエラー時の非課金を明示的に保証する記載はないため、過信は禁物です。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 課金方式 | クレジット前払い+従量課金 |
| 最低利用額 | なし |
| 上限設定 | Spending Limitで可能 |
| 無制限課金リスク | Auto-rechargeをオフにすれば残高ゼロで停止 |
| 従来プランとの併存 | Basic / Proは引き続き利用可能、相互切り替え可 |
| xAI還元 | 累積支出に応じて最大20% |
2023年のAPI有料化以降、開発者離れが進んだX APIですが、今回の従量課金導入は小規模プロジェクトへの間口を広げる一歩と言えます。ただし、単価ベースでは決して安くないため、事前のコスト試算が重要です。
「Sign in with X」または「Login with X」自体(認証ページの表示やトークン取得プロセス)は、APIリクエストとしてカウントされず、課金対象外です。