1. 検証の前提
私は資格学習支援サービス「QUALog」(https://qua-log.com/)を個人開発している。
本記事では、MVPを実際に使いながら行った改善と、その意図を整理する。
このフェーズで検証したかったのは、次の一点である。
学習計画が一度崩れても、ユーザーが「戻ってこれる体験」を作れるか
構想編で立てた仮説・KPIのうち、
特に以下にフォーカスしている。
・学習が途切れたあとに再訪できるか
・「やれていない感覚」が強くなりすぎないか
2. 実際の利用と、最初に感じた違和感
まず、自分自身をユーザーとして使い始めた。
・1/16にMLS試験を受ける前提で学習計画を作成
・2日ほど日報登録を実施
ここですぐに、強い違和感を覚えた。
■最初の違和感
・1日サボると、心理的に計画へ戻れない
・翌日、「前日のタスク」を確認できない
・「遅れている」感覚だけが残る
この体験から、
計画が崩れた瞬間のUXが致命的に弱い
という仮説が浮かび上がった。
3. 小さな改善①:前日のタスクが見えない問題
まず最小の改善として、
カレンダーから前日のタスクを確認できる機能
を追加した。
これは
「昨日何をやる予定だったのか分からない」
という不安を減らすための対応である。
ただし、この改善だけでは
「戻れる感覚」は十分に生まれなかった。
4. 想定外のイベントと、別の問題の顕在化
利用を続ける中で、次のイベントが発生した。
MLS試験が廃止になる
AIS試験(1/26)へ切り替え
AISはベータ試験で情報が少なく、
試験ガイド(マスタデータ)を大幅に拡充した結果、
AI APIのレスポンスが返らずタイムアウトが発生
という技術的問題も起きた。
この対応自体は技術的な話だが、
その間に ユーザー行動の観測 ができた。
複数のユーザー登録が発生
しかし、継続利用はほぼ見られなかった
5. なぜ継続されないのかを再考した
自分自身の利用体験とユーザー状況を振り返り、
次の問題に気づいた。
・日報を入力しても達成感がほとんどない
・計画通りに進まず、過去の日報ばかり登録している
・「できていない」という感覚だけが積み上がる
ここで課題を再定義した。
問題は「サボること」ではなく、
サボった事実を回復できない体験設計にある。
6. 仮説に基づく改善
この再定義をもとに、改善を行った。
改善①:やった感を可視化する
ダッシュボードにタスク母数・総学習時間を表示
→ 完璧でなくても「前に進んでいる」感覚を作るため。
改善②:計画を壊さずに変更できるようにする
・試験日・計画変更機能の追加
・事前に「休みの日」を設定できる仕組みを導入
→ 現実に合わせて計画を調整できる状態を作る。
改善③:「今日は休む」という選択肢を用意する
・日報登録画面に「今日は休む」ボタンを追加
押すと当日のタスクを自動で後ろに繰り延べ
→ 計画が壊れずに再開できる体験を明示的に作った。
7. 今後の検証
今後の検証にあたっては、以下の指標を軸に改善の有効性を判断していく。
KGIとしては、最終的な学習完了率(将来的には合格率)を置いているが、
現フェーズでは直接的に測ることが難しいため、
行動ベースのKPIを設定している。
具体的には、
・初回利用から7日以内の再訪率
・日報入力が2日以上連続するユーザーの割合
・計画修正機能の利用率
を主な指標としている。
これらは単なる数値目標ではなく、
「学習が一度途切れても、ユーザーが戻ってこれているか」
を確認するための代理指標として位置づけている。
ログについても、網羅的な分析を目的とするのではなく、
これらのKPIを検証するために必要な最小限の行動ログを中心に取得し、
仮説検証と改善を繰り返していく方針としている。