はじめに
もはや周回遅れになってしまった話題な感はありますが、コロナ禍の中で話題なのが無観客ライブ配信。
私個人としては現地で生演奏を聴く派なので、早くアーティストが普通に活動できるようになってほしいですが、このご時世はライブ配信は新しいエンタメの形かもしれません。サービスも乱立しているようですが、コンテンツ保護の観点で検討すべき機能について思いつくことを書き連ねていこうかと思います。
DRM
DRMとはDigital Rights Managementの略で、デジタルコンテンツの著作権管理技術の総称です。
ダウンロードしたファイルを暗号化しておくだけでなく、
- 許可された期間しか再生させない
- スクリーンショットを防ぐ 1
- 決められた保護バージョン以上のディスプレイでしか再生させない
といった機能を持っています。
DRMの詳細については手前味噌ですが、弊社のブログ記事をご参考ください
https://media-streaming.nextscape.net/blog/229/
この後は、現在主流の3つのDRM(PlayReady, Widevine, FairPlay Streaming)だけでは対応できない機能も上げていきます。
同時視聴制御
有料配信チケットを販売したとして、同じアカウントやチケットで複数人が使い回しで見られてしまうと、大変なことになります。
そのようなアカウントの使い回しを防ぐには、クライアント側が再生中は定期的にサーバーと通信させることで、複数環境でアカウントが使い回されていないかチェックする必要があります。
海外アクセスチェック
世はグローバル!と言いつつ、契約周りは複雑なことが多いのが現状です。メジャーアーティストだと、契約の都合で海外からの視聴は制限したいという場合があり得るでしょう。
そういった場合、IPアドレスを元にアクセス制限を行うのが一般的です。
IPアドレスがどの国・地域で使われているかのデータベースは色々な会社がサービスとして提供していますので、調べてみるとよいと思います。2
ただし、そういったデータベースはどこまで精度が上がっても、あくまでベストエフォートであることに注意してください。国内のユーザーが誤判定されて視聴できないといったケースは厄介です。
配信ファイルへのアクセス制限
DRMをかけていて、ライセンスの設定も適切に運用されている場合はそれほど気にすることはありませんが、一切暗号化なしだったり、AES-HLSを使っている場合には配信ファイルへのアクセスには気を使う必要があります。
- 配信CDNに期限付きのトークン認証を導入する
- ライブ配信終了後は配信ファイルをそもそも残さない
など注意しないとURLを抜かれてあとから再生されてしまうなどのリスクが考えられます。
最後に
コンテンツ保護のリスクを考えていくと他にも考慮すべきことはキリがないですが、最終的にはコストと効果との兼ね合いになるかと思います。