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はじめに

生成AIの活用範囲は自然言語処理、動画像生成、コーディングなど多岐にわたり、その性能は日々進化していてさまざまな分野で高い評価を得ています。本記事ではその中でも個人的に特に興味深いと感じた音楽生成AI、Suno AIについてご紹介いたします。

Suno AIとは

Suno AIは、アメリカの企業Sunoが提供する音楽生成AIツールです。音楽制作に関する専門知識がなくても、楽曲のイメージをテキストで入力するだけで、オリジナルのBGMや歌詞付き楽曲を簡単に作成できます。

主な特長

  • テキストプロンプトで楽曲生成: ユーザーが入力した文章からAIが楽曲を自動生成
  • 日本語対応: 日本語のプロンプトでもスムーズに利用可能
  • マルチデバイス対応: PCやスマホ(iOS)など複数のデバイスからアクセス可能

Suno AIは、クリエイターだけでなく初心者や趣味で音楽制作を楽しむ人にも使いやすい設計がされており、その汎用性と利便性が注目されています。

無料版と有料版の違い

無料版(Basic Plan)と有料版(Pro Plan, Premier Plan)の違いは以下のとおりです。

Basic Plan Pro Plan Premier Plan
料金(月額) 0 USD 10 USD 30USD
利用可能な最新モデル v3.5 v4 v4
1日の生成可能な楽曲数 10曲 500曲 2000曲
同時実行ジョブ数 2 10 10
著作権 Suno AI ユーザー自身 ユーザー自身
利用範囲 非営利利用のみ 商用利用可 商用利用可

Suno AIには、無料版と有料版の2つのプランがあります。その大きな違いは以下の2点です。

1. 利用可能なモデル
有料版では最新のモデルであるv4を利用でき、より高品質な楽曲を制作することが可能です。以下は、v3.5と比較した際のv4の進化ポイントです

  • ペルソナ
    生成した楽曲で気に入ったボーカルを選び、そのボーカルを使って別の楽曲を生成可能
  • Remiによる高度な歌詞生成
    最先端の歌詞生成モデル「Remi」を利用可能。プロンプトに基づき、創造性豊かで感情的な表現やストーリー性を加味した歌詞を生成
  • リマスター
    過去のSuno AIで生成した楽曲をv4の音質基準にアップグレード
  • カバー
    生成した楽曲を基に追加のプロンプトを入力してアレンジ可能
  • 楽曲生成全体における性能向上
    ボーカルや楽器の音質が向上

2. 著作権範囲
生成した楽曲の所有権は無料版の場合Suno, Inc.に帰属しますが、有料版では所有権がユーザー自身に移ります。有料版で生成した楽曲は、SpotifyやApple Musicへの配信や収益化されたYouTubeチャンネルへのアップロードなど、商用利用が可能です。

有料版を利用することで、より柔軟かつプロフェッショナルな音楽制作を実現することができます。

曲の作成方法

それではさっそく楽曲を作ってみましょう!

設定の確認

まず最初に、楽曲生成の基本設定を確認します。Custom機能の有無と利用するモデルを選択する必要があります。

  • Custom OFF: 楽曲を表現するプロンプトを入力するだけで簡単に楽曲を生成可能です。ただし、調整項目が少なく、思い通りの楽曲を作るのが難しい場合があります。
  • Custom ON: 詳細な調整が可能になり、より理想に近い楽曲を生成できます。

今回は、より柔軟な設定ができる Custom ON を選択し、最新モデルの v4 を利用します。
初期設定.png

歌詞を生成する

次に、歌詞を生成します。Write with Sunoボタンをクリックします。
歌詞生成モデル選択.png
モデルはRemi Lyrics(有料版のみ)とClassic Lyricsから選択できます。生成したい楽曲イメージに基づくプロンプトを入力するだけで歌詞を生成することができます。

ここでは、ドラム式洗濯機,持っていない,ハラスメントと入力します。
生成された歌詞を一部修正して意味が通るようにしたものが以下になります。

[Verse]
洗濯機を持っていない
いつも手洗いで時間がない
縦型では意味がない
でもドラム式は高くて買えない

[Verse 2]
みんなの前でちょっと恥ずかしい
最新モデルを買うと言えればいい
友達はみんな持っているんだ
僕だけ一人取り残された感じ

[Chorus]
洗濯機の話題が尽きない
ドラム式なんて持ってないし
ハラスメントだよこんな話題
洗濯物は毎日たまるし

[Verse 3]
コインランドリーに行けばいいかな
だけどお金も時間も足りないよな
洗濯ってなんだか難しいね
そんな日々が続くこの街で

[Bridge]
ドラム式洗濯機が夢にまで出る
持っているふりをするのはもう限界
誰も理解してくれないこの気持ち
でもいつかきっと手に入れる

[Chorus]
洗濯機の話題が尽きない
ドラム式なんて持ってないし
ハラスメントだよこんな話題
洗濯物は毎日たまるし

歌詞生成モデルを利用せずに自分で歌詞を入力することもできます。
また、Instrumentalオプションを有効にすることで歌詞なしの楽曲を作ることもできます。

セクションについて

歌詞には以下の表のようなセクションをつけることができ、曲の構成を制御することができます。
Lyricsで歌詞を生成した場合はセクションも合わせて生成されます。

セクション名 説明
[Intro] 楽曲の導入部分。イントロダクション
[Verse1~x] Aメロ。末尾に1,2,3と割り振ることができ、1番のAメロと2番のAメロを指定できます
[Pre-Chorus] Bメロ。サビに導くセクション
[Chorus] サビ
[Bridge] Cメロ。ラスサビ前のセクション
[Solo] 楽器のソロ演奏。[Guitar Solo]などのように楽器を指定することもできます。選択可能な楽器例:Piano/Drums/Bass/Violin/Saxophone/Trumpet/Flute/Accordion/Marimba/Trombone
[Call and response] 掛け声
[Shout] シャウト
[Outro] 楽曲の最後の部分。アウトロダクション

曲のスタイルを指定する

Style of Musicでは、ジャンルやボーカルの特徴などを指定できます。

  • 音楽ジャンル: Pop, Rock, Jazz, Classical, EDM など
  • ボーカル: 性別、声質(明るい、低音)、ウィスパーボイス、力強い声など

今回はChatGPT 4oでプロンプトを生成しました。
曲スタイル.png

ボーカルを指定する

Personaでは生成した曲のボーカルを再利用することができます。

タイトル

曲のタイトルを入力します。

楽曲を生成する

上記の項目を入力したらCreateボタンを押して曲を生成します。
パターンの異なる2曲が生成されます。

作成した曲

Suno AI v4の性能を実感していただくため、生成された楽曲の例を以下に共有します。
すごく自然な仕上がりになっているかと思います。
Suno AI: ドラム式洗濯機を持っていないハラスメント

終わりに

簡単なプロンプト入力だけで、ここまで高品質な楽曲を作成できました。町中やラジオで特に意識せずに聴いている程度であれば、これが生成AIで作成されたものとは気が付かないじゃないかな〜と思います。今回試した機能はSuno AIの一部分にすぎないので今後も色々他の機能を試してみたいと思います!無料プランでもSuno AIの面白さを十分体験できるので、ご興味のある方はぜひお試しください。
それでは、よい生成AIライフを!

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