平成31年春期 午前問題52
ある組織では,プロジェクトのスケジュールとコストの管理にアーンドバリューマネジメントを用いている。期間10日間のプロジェクトの,5日目の終了時点の状況は表のとおりである。この時点でのコスト効率が今後も続くとしたとき,完成時総コスト見積り(EAC)は何万円か。
アーンドバリューマネジメント(EVM:Earned Value Management)は、プロジェクトにおける作業を金銭の価値に置き換えて定量的に実績管理をする進捗管理手法で、PV、EV、ACという3つの指標を用いることが特徴です。
1、PV、EV、AC、CPI、SPI、EAC、BAC
・PV(Planned Value)
プロジェクト開始当初、現時点までに計画されていた作業に対する予算
・EV(Earned Value)
現時点までに完了した作業に割り当てられていた予算
・AC(Actual Cost)
現時点までに完了した作業に対して実際に投入した総コスト
・EV-ACがマイナス値の場合、コスト超過、
・EV-PVがマイナス値の場合、進捗遅れ
・完成時総コスト見積り(EAC:Estimate At Completion)は、
完了済作業に要した総コスト(AC)に残作業に要するコスト(ETC:Estimate To Complete)を足した、プロジェクト終了時の総コストの予測値です。
・コスト効率指数(CPI:Cost Performance Index)= EV/AC
・スケジュール効率指数(SPI:Schedule Performance Index)= EV/PV
・BACは、完成時総予算
2、計算:
完成時総コスト見積り(EAC)=AC+ETC
残作業のコスト見積り(ETC)=(BAC-EV)÷CPI
コスト効率指数(CPI)=EV÷AC
設問では、BAC=100万円、EV=40万円、AC=60万円なので、
BAC=100万円
CPI=EV÷AC=40÷60=2/3
ETC=(100-40)÷2/3=90万円
EAC=60+90=150万円
また、この設問の事例のように現時点までのコスト効率がプロジェクト終了まで続くならば、
EAC=BAC÷CPI
で単純に求められるので、
CPI=40÷60=2/3
EAC=100÷2/3=150万円
参照: