元ページは 2026年8月14日更新で、ITプロ・Teams管理者向けに、Teams Phone Agent、Auto Attendant、Call Queue の通話録音オプションを整理しています。(Microsoft Learn)
Microsoft Teams の音声アプリケーション通話録音をざっくり整理
Microsoft Learn に「計画 - 音声アプリケーション通話の録音」というページが公開されています。
Teams Phone で代表電話や問い合わせ窓口を構築する場合、
- 通話を自動的に録音したい
- 文字起こしも残したい
- コンプライアンス目的で必ず録音したい
といった要件が出てきます。
この Microsoft Learn では、Teams の音声アプリケーションで利用できる録音方法が整理されています。
2026年8月現在、大きく見ると次の3つです。
Teams Phone
│
├─ Teams Phone Agent
│ └─ Automatic Recording
│
└─ Call Queue
├─ Automatic Recording
│
└─ Compliance Recording
それぞれを簡単に見ていきます。
Teams Phone Agent の自動録音
Teams Phone Agent には、Microsoft Teams のファーストパーティ機能として Automatic Recording が用意されています。
管理者が設定すると、Teams Phone Agent が受けた着信について、
着信
↓
Teams Phone Agent が応答
↓
自動録音開始
↓
文字起こし
↓
通話終了
↓
録音終了
という処理が行われます。
管理者は Teams Phone Agent ごとに、
- 自動録音
- 文字起こし
を有効または無効にできます。
録音開始時のお知らせも構成できます。
また、録音されたデータは SharePoint に保存されます。
なお、2026年8月現在、Teams Phone Agent は Frontier Public Preview の対象となっています。
Call Queue の自動録音
Call Queue にも Automatic Recording があります。
こちらも Microsoft Teams のファーストパーティ機能です。
例えば、代表電話を、
外線
↓
Auto Attendant
↓
Call Queue
↓
Agent
という構成にしている場合、Call Queue の担当者が電話に応答すると自動的に録音を開始できます。
Call Queue
↓
Agent が応答
↓
自動録音開始
↓
文字起こし
↓
通話終了
↓
録音終了
Call Queue ごとに自動録音と文字起こしを有効・無効にできます。
ここでポイントになるのは、
Call Queue に電話が入った瞬間ではなく、担当者が応答したところから録音される
という点です。
録音データはこちらも SharePoint に保存されます。
録音と文字起こしを確認できるユーザー
Call Queue の録音については、誰でも閲覧できるわけではありません。
Microsoft Learn では、
- Authorized User
- Call Queue の担当者
に録音や文字起こしへのアクセス権を与えられるとされています。
また、Queues App から録音へアクセスするためには Shared Call History も有効にする必要があります。
イメージとしては、
Call Queue
↓
通話
↓
録音・文字起こし
↓
SharePoint
↑
Queues App
という関係になります。
単に音声ファイルを保存するだけでなく、通話履歴から録音や文字起こしへアクセスできる仕組みになっています。
Call Queue の Compliance Recording
もう一つが Compliance Recording です。
Automatic Recording と同じように通話を録音する機能ですが、目的が少し違います。
Automatic Recording は、
通話記録
品質管理
問い合わせ内容確認
AIによる会話分析
などの一般的な業務用途で利用しやすい機能です。
一方、Compliance Recording は、
法令
規制
監査
社内コンプライアンス
など、通話記録を確実に残す必要がある場合を想定した仕組みです。
Teams の Compliance Recording では、サードパーティのコンプライアンス録音ソリューションを利用します。
Call Queue の Compliance Recording が少し面白い
Call Queue の Compliance Recording では、担当者個人に Compliance Recording Policy を設定しなくても、Call Queue への着信を録音できます。
顧客
↓
Call Queue
↓
Agent
↓
Compliance Recording
Call Queue 側で Compliance Recording が有効になっている場合、その Call Queue の着信については、担当者個人に割り当てられている Compliance Recording Policy よりも Call Queue 側の設定が使用されます。
発信電話は別
注意したいのが発信です。
例えば Call Queue の担当者が顧客へ電話した場合、
Agent
↓
顧客
この電話は Call Queue の通話とはみなされません。
そのため、担当者からの発信も Compliance Recording の対象にしたい場合には、担当者自身に Compliance Recording Policy を割り当てる必要があります。
つまり、
顧客
↓
Call Queue
↓
Agent
と、
Agent
↓
顧客
では、録音設定の考え方が違います。
Teams Phone の録音を設計するときには注意したいポイントです。
Automatic Recording と Compliance Recording
ざっくり整理すると、次のように考えると分かりやすそうです。
| Automatic Recording | Compliance Recording | |
|---|---|---|
| 主な目的 | 業務上の通話録音 | 法令・監査・規制対応 |
| Microsoft Teams標準機能 | ○ | 録音ソリューションと連携 |
| 自動録音 | ○ | ○ |
| 文字起こし | ○ | ソリューションによる |
| 保存先 | SharePoint | 録音ソリューションによる |
| Call Queue対応 | ○ | ○ |
以前は「Teams Phone の通話を自動録音する」というと Compliance Recording を最初に思い浮かべることが多かったのですが、現在は目的によって Automatic Recording と Compliance Recording を選択する形になっています。
個人的に気になったのは SharePoint 保存
今回の Microsoft Learn を読んでいて特に気になったのが、Automatic Recording の保存先です。
Teams Phone Agent と Call Queue の Automatic Recording では、録音が SharePoint に保存されます。
つまり、
電話
↓
Teams Phone
↓
自動録音
↓
文字起こし
↓
SharePoint
というところまで Microsoft 365 の中で完結します。
文字起こしまで生成されれば、その先に、
SharePoint
↓
文字起こし
↓
AI
├─ 会話要約
├─ 応対品質確認
├─ コンプライアンスチェック
├─ 問い合わせ分類
└─ FAQ候補作成
といった処理を組み合わせることも考えられます。
単なる「電話の録音機能」というより、
電話の内容を後続システムで利用できるデータとして蓄積する仕組み
として見ると面白そうです。
まとめ
Microsoft Learn の「計画 - 音声アプリケーション通話の録音」では、現在の Teams Phone の録音方法が大きく整理されています。
Teams Phone
│
├─ Teams Phone Agent
│ └─ Automatic Recording
│
└─ Call Queue
├─ Automatic Recording
└─ Compliance Recording
特に Call Queue に Microsoft Teams のファーストパーティの Automatic Recording が用意されたことで、
Call Queue
↓
自動録音
↓
文字起こし
↓
SharePoint
という構成が可能になってきています。
一方、法令や監査などの要件によって確実な録音が必要な場合には Compliance Recording を利用します。
「録音したいから Compliance Recording」ではなく、録音の目的に応じて Automatic Recording と Compliance Recording を使い分ける。
現在の Teams Phone の録音機能を理解するうえでは、まずこの違いを押さえておくとよさそうです。
参考
Microsoft Teams Phone の Call Queue で Automatic Recording を設定
Microsoft Learn
「計画 - 音声アプリケーション通話の録音」
元のMicrosoft Learnはこちらです。計画 - 音声アプリケーション通話の録音 - Microsoft Teams