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iOSアプリエンジニア(および採用者)のためのMacの選定基準

Last updated at Posted at 2025-02-25

はじめに

iOSアプリエンジニアを採用するとき、どれくらいのマシンスペックがいいか、エンジニアからこれくらいのマシン買って欲しいとリクエストしたけど本当にそれで大丈夫か/オーバースペックではないか、といった心配事は多くの経営者にはあるのではないでしょうか。また、これまで全く未経験でしたけど、iOSアプリ開発をやってみたいが、どんなMacがいいか悩んだことも、初心者には一度や二度あるではないでしょうか。ご心配なく、この記事を読んだあなたは、もうMacの選定に迷いはありません!

注意事項

  • この記事は2025年2月25日現在の情報に基づいて作成しています。今後何か事情が変わるときは随時更新していくつもりですが、この記事を読まれている時点では最新の保証ではありません。
  • この記事はあくまで筆者自身および周り数人の経験に基づいて、iOSアプリ開発目的のみに注目して作成しています。すべてのiOSアプリエンジニアに適用する保証ではありません。

TL;DR

  • Shut up and take my money🤪:M4 Max+128GBメモリ or M2 Ultra+192GBメモリ
  • 予算が普通にあって快適な開発がしたい:M4 Pro+48GBメモリ
  • 予算がそこまでは行かないがコストパフォーマンスを最大限に行かせたい:M4+32GBメモリ
  • 予算が本当にキツいので必要最小限の物さえ買えればいい:中古でM1+8GBメモリ

ストレージは案件の数と規模に依存しますが、個人開発なら多くの場合は512GBでも足りて、会社の場合も1TBあれば基本心配ないはずです。アップルの純正ストレージは基本的に高くてコスパ悪いので、それ以上欲しい場合はどうしても内蔵ストレージじゃないとダメみたいなコンディションじゃない限り、むしろサンダーボルトの外付けSSDの方が安いし速いです。

選定基準

ハードウェア別解説

パソコンの購入で、まず一番気になるのはやはりスペックではないかと思います。と言うわけで早速スペックに直接影響する各ハードウェアについて解説していきたいと思います。

チップ

アプリ開発は、ほとんどの場合「コンパイル言語」を使います。この「コンパイル」というプロセスは非常にCPUパワーを食うもので、特にシングルコアパフォーマンスは絶対にあった方がいいです。もちろんマルチコアパフォーマンスもあるに越したことはないですが、同じマルチコアパフォーマンスなら、シングルコアパフォーマンスが高いものを選んだ方がやはり恩恵が受けやすいと思います。

というわけで、もうApple Siliconが登場して4年以上経った今では、Intel CPUのMacは全くお勧めできません。どうしても予算がなくてタダ近くの価格で譲ってもらえるならまだしも、普通に買うのは金をドブに捨てるような行為です。シングルコアパフォーマンス悪いし、排熱が最優先事項ではないMacBookシリーズやiMacの場合はすぐ熱くなってクロックダウンするし、正直開発体験は非常に悪いです。2025年2月現在はアプリ開発で特にIntel環境に依存するものもほとんどないので、5万円の予算でエントリー機種のM1 Mac mini買えるから、自分でモニターやキーボードマウス一式を用意する必要はありますが、比較的に手頃ではあるので、最低限でもこれを買った方がいいです。

もちろん予算が上がれば最新のM4 Maxだって買えますが、ではApple Siliconの中でどう選べばいいか。

先ほどにも書いた通り、アプリ開発は非常にCPUパフォーマンスを必要としますが、逆にGPUパフォーマンスは(VRや3Dゲーム開発、もしくは機械学習系の開発以外は)ほとんど無用の長物なので、そう言う意味ではCPUが全く同じで、GPUや積めるメモリ容量だけが違うProとMaxと比べるなら、原則Maxを選ぶ必要がないです。なので基本的に無印かProのチップから選べばいいです。

M3世代以外のProシリーズとMaxシリーズの違いは、もちろんGPUと積めるメモリ容量以外にも、細かい違いがいくつかありますが、基本的にアプリ開発においては影響ありません。ただしM3世代だけ、ProとMaxは大きく違い、Proはどっちかというと無印のM3寄りになり、一部界隈ではその評判が悪く、幸いアップルもそれに気づいてM4世代でこの間違いを正しました。

では例えば最新のM4と一世代前M3 Proや二世代前のM2 Proと比較した場合はどうかというと、もしより手頃な値段でM2 Proが手に入る、そしてバッテリーの持ちに対してよほどシビアな需要がなければ、M2 Proの方が最終的に幸せになるかもしれません、というのもM2世代でもシングルコアパフォーマンスは割と良くて、もちろんM4のシングルコアパフォーマンスと比べたら多少劣りますが、そもそもパフォーマンスコアの数がM4より遥かに多く、マルチコアパフォーマンスが大きく上回り、シングルコアパフォーマンスを十分補えます。その分エフィシェンシーコアが少なく、もし電源がない外出先で使うことが多い場合はバッテリーの持ちがM4よりは劣りますが、それでも同スペックのWindowsパソコンより遥かに持ちがいいので、よほど何時間もバッテリーで稼働する必要があるわけではない限りそこまで気にする必要はなさそうです。

ただしM3 Proだけは避けた方がいいかもしれません。上記のコラムにも書いた通り、M3世代だけProの作りがあまり好ましくなく、もちろんM2 Proよりはパフォーマンスが多少いいですが、どのみち中古でしか買えない現在ではパフォーマンス以上の値段がかかるので、コストパフォーマンス面では全くメリットがないです。

ちなみに多くのチップは、CPUのコア数は多少選べます。こちらについては最初に書いた通り、マルチコアパフォーマンスよりシングルコアパフォーマンスの方が全然大事なので、コア数を増やしてもその分のコスト増を考えるとそこまで嬉しくない気がして、どのチップを選んでも最小限のCPUコア数を選んで問題ないと思います。

ところでM1、M2世代はUltraもありましたが、これは確かにCPUパフォーマンスがProより高いです。ではUltra系のチップはどうかというと、UltraはMaxを2枚繋いだチップで、その分の連結ロスもあるし、何せ値段が張りすぎなので、基本考える必要ないです。またM4世代は現時点ではまだUltra出ていませんが、仮に出たとしてもおそらく同じくMaxの合体なので、Apple Siliconになってシングルコアパフォーマンスが大きく改善された現在ではCPUパフォーマンスがネックになることがほとんどないから、そこまで手を伸ばすメリットは非常に薄いと考えられます。

ちなみにもし各構成におけるXcodeのビルド性能が気になるなら、有志によってXcode Benchmarkのページも公開されています。ただし気をつけて欲しいのは、これはあくまで「大規模なプロジェクト」における「クリーンビルド」のパフォーマンスです。ところが我々の普段の開発ではこのようなクリーンビルドをする頻度はさほど高くありません、コード書くときはほとんどの時間はキーボードを叩いてるだけだから自動補完さえサクサク動けばいいし、ビルド時もほとんどの場合はキャッシュありきのビルドです。なので当然性能が高い分パフォーマンスにいい影響は出ますが、それはかけるコストに見合うほどのものかをある程度極めた方がいいと思います。

メモリ

メモリ容量は、案件の規模や、同時に使うアプリの数に直接影響を与えます。基本的にメモリ容量が多いほど、ストレスのない開発体験ができます。ところがアップルの価格設定としてメモリ容量は大きく値段に反映しますので、予算あればもちろん積めるだけ積んでおいて問題ないですが、懐事情を考えるとなかなかそうはいかないですね。では適切なメモリ容量はどれくらいがいいでしょうか。

まず2025年2月現在では、新品のMacを買うのであれば、最低限でも16GBのメモリが付いてきます。これくらいあれば、個人開発で中小規模の案件開発なら特に問題はないはずです。Xcodeを立ち上げながら、ブラウザーで調べ物したりターミナルで色々操作したり、時にはSNSでちょっと呟いたりすることは十分できます。

ところが会社での開発の場合は、上記以外にも同時にFigmaとかSlackとか、たくさんのアプリを同時に開かないといけないことが多く、そしてブラウザーも調べ物以外にJIRAやBacklogなどの案件用のページもたくさん開かれることが想定できます。さらに案件規模も個人開発より大きくなりがちです。その中でさらに個人のSNSやチャットツールも開きたいなら、やはりメモリはもっと欲しいです。具体的な例を出すと、同じくらいの予算で、M4+32GBメモリと、M4 Pro+24GBメモリの比較なら、私は前者の方をお勧めしたいです。確かにメモリプレッシャーさえ爆発しなければM4 Proは間違いなくM4より全然速いですが、開発の真っ最中にブラウザーでいろんなものを調べたり、なんなら今後Apple Inteligenceでコード補完を試したいなら、やはりメモリがあったほうが心配ないです。何よりM4でもビルド全然十分速いし、普段開発の8割以上の時間は我々は普通に調べ物したりキーボード叩いたりしてるだけなので、M4 ProのCPUスペックをフル活用してるわけではありません。むしろ調べ物のためにブラウザーのタブをたくさん開いたり、時にはPlaygroundsとかで手軽にロジックの確認をしたいことが多いと思いますので、むしろメモリがたくさんあったほうがストレスが減ります。

とはいえ、上にも書いた通り、アップルの価格設定としてメモリ容量は大きく値段に反映しますので、無駄にいっぱい積みすぎても、マシンが活用できなければお金の無駄でしかないです。特にApple Siliconの場合はオンチップメモリ設計のおかげで、以前のIntelの時CPUとメモリが全部別々で搭載される設計より効率的なメモリの利用が可能です(その代わり後付けでメモリ増設できないのは辛いですが…)。筆者の場合、Apple Siliconに変わったM1時代当初は、Intel時代の恐怖に引きずられて、メモリ容量がどうしても心配で、GPUスペックが無駄だと分かっていてもメモリ容量のために無理にM1 Maxにして64GBを積みましたが、下記の添付画像の通り完全に無用な心配でした。スワップが発生していないどころか、多くの場合はメモリ利用量が50GBすら超えません。これはPlaygroundと案件で2つのXcodeプロジェクトと複数のiPhoneシミュレーターを開いて、環境構築などのためにターミナルも開いて、バージョン管理のためにgitクライアントも開いて、調べ物などのために業務用と個人用の2つのプロフィールのブラウザーウィンドウ、それぞれ数十個のタブ開いて、メール確認のためのメールクライアント開いて、時々軽いコードの確認のためのVSCodeも開いて、デザイン確認のためにFigma、社内ドキュメントのためにNotion、社内連絡のためにSlack、案件連絡のためTeams、コミュニティー交流のためにDiscord、色々聞きたいときのChatGPT、友達と連絡取るためにTwitterやその他いろんなチャットツール並びにiPhoneミラーリング、音楽聴くためにApple Music…といった贅沢な使い方をしてる環境での利用量ですので、実際の案件開発でも大体はこれほど使うことはないでしょう。そしてこれだけ使った場合のメモリプレッシャーは1/3程度に留まり、M4世代ならProが積める最大48GBのメモリあれば全然十分使えると思いますし、一番古いM1世代でもProが積める最大32GBのメモリなら9割以上のシチュエーションは対応できるはずなので、メモリ増設のために無理にMaxチップを選ぶ必要は全くないと思います。

Activityのスクリーンショット
見ての通り、これだけたくさんのものを開いても、メモリ利用量は49GB程度、スワップは0、そしてメモリプレッシャーは1/3しかありません
拡張ディスプレイのスクリーンショット
本体ディスプレイのスクリーンショット
ちなみに全画面を展開するとこんな感じになります

ではメモリが16GBもない、例えばM3までの世代みたいにエントリーモデルが8GBのメモリしか積んでない場合は、アプリ開発ができないかと言われたら、そういうわけでもありません。ただやはり快適に動かすためにはメモリの利用に気をつける必要があったり、時には工夫をする必要もあります。実は筆者は普段のプライベートの個人開発ではまさに私物の8GBしか積んでいない無印M2のMacBook Airを使っていますが、開発をするときは無駄なSNSやチャットツールを閉じたり、特に確認する予定がないSlackを閉じたり、(Copilotと比べて)大して役に立たないXcode自身のAI補完を無効にしたり、それでもちょっとキツく感じたらSafariを再起動したりすることで比較的に快適に動かせています。もちろんこれだけ工夫をしたらストレスフリーとは言い難いですが、あくまで予算がないならこれくらいの環境でも開発はできるよ、と言いたいだけです。

私物Macの拡張ディスプレイのスクリーンショット
私物Macの本体ディスプレイのスクリーンショット
私物のMacBook Airでの開発風景です。見ての通り8GBのメモリしか積んでいませんが、工夫すればメモリプレッシャーをギリギリ青にキープすることも可能です

Macの使い方はWindowsと大きく違い、パフォーマンスを最大限に維持するために、基本ありったけのメモリをガンガン使っていくスタイルです。Windowsは使わなくなったら積極的にメモリを解放するので、メモリの空き容量が少なくなってスワップが発生したらメモリ容量が足りない証拠ですが、Macの判断基準はスワップではなくメモリプレッシャーです。スワップが発生しても、メモリプレッシャーさえ青なら特に問題なく、むしろスワップが全く発生しなかったら、ある意味メモリを無駄遣いしても使いきれないほど積みすぎて、お金がもったいないと考えていいかもです。そしてメモリプレッシャーが頻繁に黄色になったらそろそろメモリ容量が足りなく、買い替えを考えたりするタイミングです;更に赤になったら完全に足りない、今すぐにでも使い方を見直すか、買い替えを考えないといけないというような判断基準です。

ちなみにApple Silicon世代はメモリの増設ができないが、Apple Storeで新品購入する場合は14日間の無条件返品が可能なので、買って使ってみてメモリが足りないと感じた場合は、一旦返品して買い直すのもいいです。

また余談ですがChromeは非常にメモリを食うブラウザーなので、もしメモリプレッシャーが高くなってきて、でもすぐに買い替えが難しい場合は、もし今までChromeを使っていたら、試しにSafariなどのブラウザーに乗り換えてみると改善される可能性が高いです。

ストレージ

ストレージもはっきり言って人の使い方それぞれで一概には言いにくいですが、会社の案件開発でそこそこの規模がある、なおかつ複数のXcodeバージョン/シミュレーターバージョンを保証する必要がある場合は1TBあったほうが安心できるかと思います。もちろんさらに心の余裕が欲しい場合は2TB選んでもいいですが、流石にそれ以上入れるのは無駄が大きいと思います。メモリと同じ、アップルの価格設定としてはストレージ容量もかなり値段に響いてきますので、どうしても内蔵ストレージが必要といったコンディションではない場合は、断然サンダーボルトの外付けSSDの方がコストもパフォーマンスも優れます。

個人開発で中小規模の案件しかなく、そしてXcodeのバージョンも基本最新だけでいい、と言った場合は、キャッシュの解放や使わなくなったシミュレーターの削除など、そういったゴミの整理を定期的に行っていれば、256GBでも割と足りるではないかと思います。もちろん512GBあればかなり安心できるかと思います。ちなみに先ほど登場した筆者のプライベートマシンはストレージを512GB積んでいますが、それは筆者は普段アプリ開発だけでなく、Final Cut Proでの動画の編集と言うアプリ開発よりはるかにたくさんのストレージを要する趣味の仕事もしているからです。それで512GBの容量は先ほど説明したゴミの定期整理を行ってそれほどストレージ容量不足を感じません(もちろん編集済みの動画プロジェクトは全てアーカイブして別の場所に移動しています)ので、個人の中小規模アプリ開発だけなら256GBでも多少の工夫で事足りるはずです。

繰り返しになりますが、限られた予算を最大限に活かせたい場合は、本当に内蔵ストレージじゃないとダメではない限り、サンダーボルトの外付けSSDの方がコストもパフォーマンスも優れており、おすすめです。

Xcodeは開発のキャッシュをたくさん生成するので、ストレージ容量が足りなくなって必要ないものを消したいときはサクッと消したいですよね。そのために、Xcodeの設定でDerived DataやArchivesの場所を下記のように変更して、案件フォルダーの相対パスやすぐ見えるDesktopにしておけば、消す時はデフォルトの見えないLibraryではなく案件のフォルダーやDesktopから即見つけて消せますので、とてもおすすめです。

スクリーンショット 2025-02-22 4.55.53.png

利用シチュエーション別解説

スペックの問題が解決できたら、次はどんなマシンがいいかも悩みますよね。Macの形態としてはノートパソコンのMacBook Air/MacBook Proシリーズ、All in One型のデスクトップのiMacシリーズ、そしてパソコン本体とモニター/キーボードなどのアクセサリー別々のタイプのデスクトップのMac mini/Mac Studio/Mac Proシリーズがあります。これらはどのように選べばいいでしょうか。

外出先でも使いたい

この場合はやはりMacBook AirかMacBook Proを強くお勧めします。具体的にAirかProかは、予算とどれくらいの外出頻度によります。

もし頻繁に外出先で使いたい、そして外出先では電源がないことが多いなら、やはり比較的にバッテリーの持ちがいいMacBook Airの方をお勧めしたいです。外出が多いなら軽さは正義だし、無印のチップの方が消費電力が少ないのでバッテリーの持ちがいいです。

ちなみにMacBook Airを選んだ場合はProシリーズのチップは選択できませんが、MacBook Proを選んだ場合は無印のチップも一応選べます。同じ無印の場合はAirとProどっちがいいかと言われると、個人的には軽さを選びたいです。Proは確かによりいいディスプレイもあるしポートもAirより豊富で使いやすい面はありますが、アプリ開発においてAirのディスプレイでも十分過ぎるほど綺麗だし、どうせ外出先でそんな頻繁にいろんなアクセサリーに接続しないから家でドッキングステーション必須だし使った方が幸せです。

ただし2025年2月現在では唯一致命的な問題点があって、MacBook AirはまだM3のチップしか載っておらず、早ければ来月あたり、遅くても今年の夏頃にはM4への更新が予想されます。なのでMacBook Airの購入を考える方は、もし本当に待てなくて今すぐ欲しい、といった緊迫な状況ではない限り、もうちょっと待った方がいいです。理屈ではM4+32GBメモリ構成も選択可能のはずなので、ある程度のパフォーマンスも確保できる見込みです。

また他にももうひとつ軽い問題があって、MacBook Airはファンレス設計なので、長時間で重い作業をさせるとチップが熱くなってクロックダウンするから、パフォーマンスの持続性はMacBook Proより劣ります。ただしApple Siliconはそもそもエフィシェンシー設計が長けており、発熱はIntel時代と比べて本当に少ないのと、スタンドとかを使ってパソコンを少し持ち上げた状態で使ってあげるとある程度排熱が改善できるので、相当長時間に重いコンパイルをし続けたりしない限りそこまで気にすることはないかなと思います。ちなみに筆者の私物MacBook Airは家ではスタンドを使っていますし、外出時もスタンドになれるソフトケースに入れて運んでるので、アプリ開発の作業では特に排熱に不満を感じたことはあまりないです。

逆に頻繁に外出したいわけではなく、ただたまに外出することがあって、その外出先でも使いたいだけで、もしくは外出先ではちゃんと電源が確保できて、それ以上に最大限のパフォーマンスを確保したいなら、やはりMacBook Pro一択ですね。他に選択肢がないので。

またノートパソコンの場合は画面サイズもオプションもあります。Airなら13インチと15インチ、Proなら14インチと16インチがあります。画面サイズをどう選べばいいかというと、予算が限られるもしくは持ち運びの楽さを重視したいなら小さい方、大きい画面を活用したいかつ予算も積めるなら大きい方を選べばいいと思います。ちなみに何度も登場した筆者の私物のMacBook Airは13インチです、予算を抑えたかったのと、持ち運びのしやすさを重視しますので。もちろんXcodeもたくさんの画面パネルがあるし、そもそもソースコードファイルは長くなりがちなので、大きい画面に越したことはないですから、やはり大画面がいいと言う方は、持ち運び時により大きいカバンが必要という点を苦と思わなければもちろん大画面を選んで損はありません。

ところが最新のMac mini M4は非常に小さくて、電源ケーブル含めても簡単にトートバッグとかに入るから、これを持ち運び用のマシンにするのもいいのでは?と思う方もいるかと思いますが、原則はお勧めしません。仮に外出先はコワーキングスペースといったモニターも電源もなんでも備えてる場所であっても、Mac miniはバッテリーがないから、移動する際はどうしても電源を落とさないといけないし、また電源ポート自体もこのような頻繁な抜き差しを想定したものではないので、抜き差しする際にそこそこの力必要だし耐久性も多少疑問なので、非常にだるいです。Mac miniはやはりデスクトップだから、デスクトップらしい使い方をしてあげてください。

外出先では使わない

外出先で使わないなら、ノートパソコンもデスクトップパソコンもどっちでも選べますね。この場合はどう選べばいいですか。

もし本当に全く完全に外出しない自信があるなら、デスクトップを選んでもいいと思いますが、少しでも外出するかもしれない可能性があるならやはりMacBookの方がいいじゃないかと思います。MacBookは最初からバッテリーも積んでて停電対策する必要ないし、パフォーマンスが必要な場合はProチップ選べるから、モニターやキーボードも付いてパソコンひとつあればすぐ仕事を始められます。その点iMacはモニターはついてるけどProチップ選べませんし、Mac miniはProチップ選べるけど逆にモニターもキーボードもマウスも全部自分で用意する必要があります。

ところが本当にその外出の可能性が全くないと仮定してデスクトップを選びたいなら、何を選べばいいですか。

まずもし自宅にはすでにモニターやキーボードとかがあってそれを活用したい、もしくは今はなくても自力で揃えることに特に問題を感じないならやはりMac miniですかね。Mac miniの構成はそこそこ自由で、無印からProまでチップを選べます(しかもMac miniだけM4 Proは最大64GBまでメモリ選べる)ので、割とどんなスペックでもMac miniが使えるし、将来モニターを交換したいときは簡単に交換できるし、本当にその万が一の外出事態が発生してしまった(例えばApple Storeに修理に持参したい時とか)としても、まあ最悪Mac miniならなんとか対応できるわけです。

ちなみに筆者は以前まさにそのようなことがありました。就職して間もなかった頃は、特に外出私物使う想定もなかったので、27インチのiMacを買いましたが、何年か経った頃にディスプレイに問題が発生したので、修理のためにそれをApple Storeに持参した時は本当に大変でした。まあ郵送使えばいいと言えばいいですが😇やはりその場でちょっと情報知りたかったので、持参することにしました。その時Mac miniだったらどんなに楽でしたか…いやMac miniはそもそもモニターないから、この問題は発生しないかw

逆にもしそういったアクセサリー系は一切持っていないし、無印のチップでことが足りてそこまでスペックを必要とせず、どっちかというと作業環境をオシャレにしたい、とは言えStudio Displayとか買えるほどの予算もないし、そういった面倒な配線作業とかなるべく避けたいなら、iMac選んでももちろん問題ないです。何せiMacはカラーバリエーションもあるから、スペックさえ足りれば自分の好きなオシャレな環境で作業できるなら心もウキウキになっていい仕事ができると思います。

ちなみにアップルのデスクトップシリーズとして、Mac StudioやMac Proもありますが、これらはいかがでしょうか?

結論から言うと、よほどなこと(例えばSwift言語自体みたいな物凄い大規模な開発のビルドなど)がない限り、基本的にこれらは必要ないと思われます。そもそもこのようなことをする人は、この記事を読むことは最初からないかと思います😂

いくつかのお勧め構成例

会社の案件開発で、予算はそこそこで、パフォーマンス重視

MacBook Pro 14'' MacBook Pro 16'' Mac mini
チップ M4 Pro、12コアCPU M4 Pro、14コアCPU M4 Pro、12コアCPU
メモリ 48GB 48GB 64GB
ストレージ 2TB 1TB 512GB1
価格 ¥478,800 ¥488,800 ¥308,800

個人開発で、予算はそこまでない、パフォーマンスは程々で十分

MacBook Air 13''2 MacBook Pro 14'' iMac Mac mini
チップ M3、8コアCPU M4、10コアCPU M4、10コアCPU M4、10コアCPU
メモリ 24GB 32GB 24GB 32GB
ストレージ 512GB 512GB 512GB 256GB
価格 ¥224,800 ¥308,800 ¥258,800 ¥154,800

個人開発で、予算は節約したい、パフォーマンスはそんなにストレスなければ大丈夫、ただし新品で揃えたい

MacBook Air 13''2 iMac Mac mini
チップ M3、8コアCPU M4、10コアCPU M4、10コアCPU
メモリ 16GB 16GB 16GB
ストレージ 256GB 256GB 256GB
価格 ¥164,800 ¥198,800 ¥94,800

個人開発で、とにかくお金がない、必要最小限のものさえあれば十分

MacBook Air 13'' Mac mini
チップ M1、8コアCPU M1、8コアCPU
メモリ 8GB 8GB
ストレージ 256GB 256GB
価格 ¥80,000前後 ¥50,000前後

最後に

ここまで読んでいただいてありがとうございます!これで皆さんもMacの選定に多少詳しくなってきたかと思います!

そして最後にちょっとだけ宣伝させてください:内製開発Summit 2025に、弊社の代表アホっちこと片岡俊行さんが登壇します。会場Cの10:35-11:15の時間帯です。エンジニアではなく、どっちかと言うと経営者向けのイベントですが、もし興味あったらぜひご参加ください!

  1. 完全にデスクトップ用途で持ち運びを全く考慮する必要がないから、断然ストレージは外付けのサンダーボルトSSDの方がお勧めだから、内蔵ストレージは必要最小限の512GBにしました。

  2. 本当は今現在の時点では、M4チップの更新が控えているのであまりM3のMacBook Airをお勧めはできませんが、それでもチップ以外同スペックのM2のMacBook Airより1.6万円しか高くないので、そういう意味ではコスパはいいかもです… 2

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