症状1 : セットの読み込みに失敗する
Ableton Note で Ableton Cloud 経由で共有したセットを Windows 11 (ドスパラPC ガレリア) にインストールした Ableton Live 12.0.15 で読み込もうとすると下記のようなエラーが発生しました。
Error loading document: Parse error at offset 0:
Invalid value.
セットが参照していると思われる wav ファイル( 例: Cymbal RK Acid.wav
) の中身を確認したところ、
下記のように音声データではなく、HTTP Error 400.
という文字列を含むテキストファイル(html)になっていました。
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01//EN""http://www.w3.org/TR/html4/strict.dtd">
<HTML>
<HEAD>
<TITLE>Bad Request</TITLE>
<META HTTP-EQUIV="Content-Type" Content="text/html; charset=us-ascii">
</HEAD>
< BODY>
< h2> Bad Request</h2>
<hr>
<p>HTTP Error 400. The request is badly formed.</p>
</BODY>
</HTML>
Ableton Live が Ableton Cloud から セットのデータを正しくダウンロードできていないと思われます。
症状2 : Ableton Cloud に表示されるPC名が文字化けしている
Ableton Cloud の Cloudを管理する
メニューにてデバイス一覧を確認すると、
下記のようにPC名が文字化けしていました。
上記に表示されている 2代のPCのうち、文字化けしていない方 ( Dell Vostro 5502
) にインストールしている Live では Set は開けますが、
文字化けしているPC ( æ ªå¼ä¼ç¤¾ãµã¼ãã¦ã§ã¼ã GALLERIA XA7C-R39
) では開けません。
下記のようなサイトで調べると、文字化けしている部分の文字列は 株式会社サードウェーブ
であることが分かります。
これは、PCの製造元の会社名ですね。
今回の場合 ISO-8859-1
と UTF-8
を選択すると文字化け前の文字列が分かりました。
この文字化けを解消すると Ableton Note のセットを読み込めるようになりましたので、参考情報として下記にご紹介します。
自己責任でお願いします
本記事の手法は製造元文字列の変更や、Windowsのレジストリの設定変更や、Ableton Liveの既存のファイルの削除など、予期せぬ不都合を生じる可能性のある変更を多く含んでいます。
何か起きても責任は取れませんので、ご自身の責任でお願いします。
また、より安全な対処方法がありましたらぜひ共有してください。
文字化けの解消策(自己責任で)
あくまで参考情報であるため、自己責任にて実施してください。
Abelton Cloud 上で文字化けしている文字列は、Windows の システム
-> バージョン情報
の サポート
欄に表示される 株式会社サードウェーブ
の部分と予想しました。
レジストリエディタで半角英数文字列に変更します。
私の場合、サードウェーブ
で検索したところ、コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\OEMInformation
にありました。
変更例として、株式会社サードウェーブ
から Thirdwave Corporation
に変更しました。
対処後の確認
Ableton Live から Ableton Cloud にログインし直すと文字化けが下記のように解消しました。
Ableton Note から 新しい セットを Ableton Cloud に共有すると、問題なく Ableton Live で読み込めました。
なお、この対処をする前に既に共有済みのセット(エラーが出て開けなかったセット)は壊れている wavファイルなどへの参照を含んでいるままであると思われるため、下記の手順にて読み込めることを確認しました。
もちろんこの方法もあくまで参考情報です。自己責任にてお願いいたします。
- いったん Ableton Note 側でセットを Ableton Cloud から削除しておく
- Ableton Live 側の
Ableton\User Library\ABL Assets\Factory\Samples
配下のバックアップを取っておく - 上記の
2.
配下のファイルの内、壊れてるファイルを削除する (私はフォルダ構成は残しファイル全削除してみましたがこの手法の確証はありません ) - Ableton Note 側から Ableton Cloud に改めてセットを同期する
- Ableton Live でセットを読み込めることを確認する
まとめ
PC製造元の文字列が日本語であるPC上の Ableton Live から Ableton Cloudを利用できない場合、PC製造元の文字列を英数文字に変更することで対処可能な可能性があるという例をご紹介いたしました。
本件はドスパラ様によるPCの製造元の文字列に問題があるというわけではないのですが、このような事例が存在するという情報共有のために、ドスパラ様にも情報共有させていただいたところ、丁寧なご返信をいただいております。
楽曲制作者などを含むクリエイターを応援するドスパラ様の企業方針を今後とも微力ながら応援させていただきたいと思っております。
また、Ableton Live もしくは Ableton Cloud の品質が今後向上することにより、このような問題が解消することも望んでおります。
繰り返しになりますが、けっこう危険な変更を含んでいるので、自己責任にてお願いします。
同様の症状が起きている方のご参考になりましたら幸いです。
また、より安全な対処方法がありましたらぜひ共有してください。