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初めに
OCIコンソールから、サービス制限値を確認するのは一般的ですが、APIでの確認も可能です。今回は、OCI-CLIを例にし、確認方法を紹介したいと思います。
利用場面
バッチ・スクリプトで、対象サービスの使用可能値をチェックし、しきい値に近づいてきたら、OCIの通知機能(Notification)と連携し、自動的に管理者に通知を出します。
索引
1. 事前準備
1-1. OCI-CLIのインストールと設定
OCI-CLIのインストールと構成ファイルの作成について、クイックスタートをご参照ください。Cloud Shellを利用する時、既にインストールと設定済なので、そのまま使えます。
1-2. IAMポリシー
Administratorsグループに属している場合は、制限および使用状況を表示する権限があります。そうでない場合は、次のようにIAMポリシーを作成しておいてください。
グループ名:LimitsAndUsageViewers
ポリシー・ステートメント
テナント・レベル:
Allow group LimitsAndUsageViewers to read resource-availability in tenancy
コンパートメント・レベル:
Allow group LimitsAndUsageViewers to read resource-availability in compartment A
2. 明確なサービス制限値
この例では、VCNの使用量と使用可能値を確認します。
OCIコンソールでの確認結果
OCIメニュー → ガバナンスと管理 → テナンシ管理 → 制限、割当ておよび使用状況
サービス:Virtual Cloud Network
スコープ:ap-tokyo-1
リソース:Virtual Cloud Network Count
上記の表示通り、現在の使用量は4
で、使用可能値は46
となっています。
サポート対象のサービス名を確認
OCIコンソールに表示されるサービス名は、Virtual Cloud Network
ですが、CLIの場合は、異なりますので、まず次のコマンドでサービス名を確認します。
コマンド:oci limits service list -c <Tenancy_OCID>
- この例では、ルート・コンパートメントを指定しているので、Tenancy_OCIDを使う。
- 次のようにアルファベットの昇順で全サービスがリストされる。CLIの場合、サービス名は略称(
name
項目)となる。
$ oci limits service list -c <Tenancy_OCID>
{
"data": [
{
"description": "Application Dependency Management",
"name": "adm"
},
<中略>
{
"description": "Virtual Cloud Network",
"name": "vcn"
},
<中略>
{
"description": "Web Application Firewall",
"name": "waf"
}
]
}
ご覧の通り、Virtual Cloud Network
に対するサービス名は、vcnです。
OCI CLIでVCNの使用可能値を確認する
コマンド例:oci limits resource-availability get -c <Tenancy_OCID> --service-name vcn --limit-name vcn-count
$ oci limits resource-availability get -c <Tenancy_OCID> --service-name vcn --limit-name vcn-count
{
"data": {
"available": 46,
"effective-quota-value": null,
"fractional-availability": 46.0,
"fractional-usage": 4.0,
"used": 4
}
}
used: 4 (使用量)、 available: 46 (使用可能値)
両者の合計は、サービス制限値の50
となります。
3. 動的なサービス制限値
一部のサービスのサービス制限値は、明確な数値ではなく、動的と表示されます。例えば、Standard.E4.FlexのOCPUは、その一例です。
OCI CLIでOCPUの使用可能値を確認
コマンド例:
oci limits resource-availability get -c <Tenancy_OCID> --service-name compute --limit-name standard-e4-core-count --availability-domain xxxx:AP-TOKYO-1-AD-1
ADの冒頭のxxxxは、ADに自動に付与された4桁の英字です(上記のOCIコンソールに確認できる)。
$ oci limits resource-availability get -c <Tenancy_OCID> --service-name compute --limit-name standard-e4-core-count --availability-domain xxxx:AP-TOKYO-1-AD-1
{
"data": {
"available": 100,
"effective-quota-value": null,
"fractional-availability": 100.0,
"fractional-usage": 0.0,
"used": 0
}
}
used: 0 (使用量)、available: 100 (使用可能値)
4. 制限事項
- 全てのサービス制限値をコンソール或いはOCI-CLIで確認できるわけではない(例えば、DRG)。OCI-CLIでサービス制限が取れない場合、404の応答を返す。
以上です。
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