はじめに
「考えは正しいのに、なぜか判断をミスる」
こんな経験何度かあると思います。
そんな時はだいたい 思考のバグ(認知バイアス) に陥っています。
最近この認知バイアスについて考える機会があったので、今回は開発現場でよく起きる認知バイアスをまとめてみました。
認知バイアスとは
簡単にいうと、人間が効率的に判断するために持っている 「思い込みのクセ」 です。
ほとんどの人が自然とやりがちですが、意思決定を歪める副作用があります。
よくある認知バイアス集
1. 自動化バイアス
人間がAIや自動化システム(オートメーション)の提案や結果を過度に信頼し、矛盾する情報を無視して、AIの言いなりになってしまう心理傾向
例としては、AIが出力したソースコードをそのまま使ってバグ沼にハマるみたいな感じですね。
最近はかなり多くなっているイメージです。
2. 確証バイアス
自分の持つ先入観や仮説を裏付ける情報ばかりを集め、都合の悪い情報を無視・軽視する「認知の偏り」
「絶対ここが原因」と確信する、すると都合のいいログだけ見えるようになる認知の不思議。
3. アンカリング効果
最初に提示された数値や情報(アンカー)が基準点となり、その後の判断や意思決定に無意識のうちに影響を与える現象
例えとして、「通常価格1万円ですが、今回だけ...!特別に...!5,000円!」みたいな。
高い価格を最初に提示することで、その後に提示される価格が相対的に安く感じられるやつ。
(型落ちとか中古など状況によりけり)
4. サンクコスト効果
すでに投資したお金、時間、労力などを惜しみ、たとえ将来の損失が確実でも、それまでの投資を無駄にしたくないという心理から、不合理な判断を続けてしまう心理傾向
コーディングにじっくり3日かけたコード,,,よくよく仕様を見ると明らかに設計ミスを発見。
でも,,,こんなにしっかりやったのに,,,消したくない。的な。
5. 正常性バイアス
危機的状況に直面した際に、「大したことはない」「自分は大丈夫」と過小評価し、異常事態を正常な範囲内だと認識してしまう認知バイアス(心理的傾向)
「まあ俺なら大丈夫」「このままリリースしても問題ないでしょ」とさまざまな問題を個人的過小評価。
結果、本番環境で大炎上!降り注げメテオ!
絶対にあってはならない認知。
6. 権威バイアス
専門家、上司、有名人など「権威」ある人の意見や命令を、内容を精査せずに正しいと信じたり、従ったりしてしまう心理的な偏り(認知バイアス)
要は偉い人の意見を過信する行為。
完全に人によるバイアスですが、例として「シニアが言ってるから絶対正しいはずだ!」みたいな過信はやめようね。
7. バンドワゴン効果
多数の人に支持されているものに対して、さらに支持が集まる心理現象
みんなやってるからこれ正解でしょ。と思う心理。
AIが話題沸騰!「ふむ、この技術流行ってるから採用!」、結果要件に合ってないという例。
8. ハロー効果
ある対象を評価する際に、目立つ特徴(良い・悪い)に引きずられて、他の特徴の評価まで歪められてしまう認知バイアス(心理現象)
簡単に、一部の印象で全体を評価してしまう心理。
「いや〜このコード整っていて見た感じ良いな〜、ならロジックも正しいやろ!」
そうはならんやろとツッコミを入れたくなるバイアス。
9. 利用可能性ヒューリスティック
判断や意思決定を行う際に、記憶から思い出しやすい情報や、印象深い出来事を優先して、直感的に推論してしまう心理的な近道
思い出しやすい事例を、優先して引っ張ってきちゃうやつ。
例えるなら、最近解決したバグに引っ張られて、別のバグの原因を見落とす的な。
10. ダニング=クルーガー効果
能力や知識の低い人が、自身のパフォーマンスを実際以上に高く評価してしまう心理的・認知的な傾向
実力が低いほど自信過剰になるやつ。よくX(旧ツイッター)でみかけるやつ。
「これ簡単っしょ!!!俺なら余裕!!!」で事故るらしい。
程よくならいいと思う真理ではあると思う。
なぜエンジニアはハマるのか
例えば以下。
- スピード重視で判断が必要
- 仮説ベースで動く時がある
- ツールに依存しやすい
などなど、バイアスがひっじょーに発動しやすい環境が多いです。
シンプルな対策
以下を意識しましょう。
- 仮説を全肯定せず、必ず一度は否定する
- 他人に必ずレビューをしてもらう
- 「これ、本当に、そうなのか...?」を挟む
これだけで大事故はかなり防げます。要は疑う心を持つこと。
ま と め 並び お わ り
認知バイアスは誰にでも起きるものです。
問題は「知らずに使われること」なのだ。
バグるのはコードじゃなくて判断
これを頭の片隅に置くだけで、事故は減ります。
全部覚える必要はないし、今陥っているって気づけたら、それで十分だと思います。
「誰だって判断はあやまる、人間だもの みつを」