はじめに
「Amazon Bedrock」って聞いたことありますか?なんだか難しそうな響きですが、実はとっても簡単です。
簡潔に言うと、**Amazon Bedrockは「AIの力を借りるサービス」**です。複雑なAIの仕組みをすべてAWSが用意してくれるので、私たちはそれを使うだけでOK。ChatGPTみたいに「質問を投げかけると、AIが答えてくれる」という感覚で大丈夫です。
Amazon Bedrockで何ができるかについては、こちらの記事をご覧されたらと思います:
【企業のAI活用を加速するAWS入門】Amazon Bedrockで何ができる?
今回ではAWSコンソールの実際の画面をもとに、Bedrockの主要機能を一から操作する手順を解説します。
以下の2つを実際に作ってみます。
- ブログ作成エージェント — トピックを入力するとブログ記事を自動生成してくれるAIエージェント
- Guardrails(ガードレール) — 不適切な入出力をブロックするフィルター
読み終える頃には「あ、これなら自分でも作れそう」と感じてもらえるはずです。では始めましょう。
1. 前提条件
操作を始める前に、以下の4点が揃っているか確認してください。
① AWSアカウントの作成
AWSアカウントをまだお持ちでない場合は、AWS公式サイトからアカウントを作成してください。クレジットカードの登録が必要ですが、無料利用枠の範囲内であれば費用は発生しません。
② IAMロール・権限の設定
Bedrockを操作するには、以下のIAMポリシーが付与されたユーザーまたはロールが必要です。
| 必要なポリシー | 用途 |
|---|---|
AmazonBedrockFullAccess |
Bedrockの全機能を操作 |
IAMReadOnlyAccess |
エージェント作成時のロール確認 |
⚠️ 本番環境では最小権限の原則に従い、必要なアクションのみに絞ったカスタムポリシーを推奨します。
2. AWS Bedrockの機能紹介 — コンソール画面はシンプル
AWSコンソールにログインして「bedrock」を検索すると、こんな画面が出てきます。

「Amazon Bedrock」をクリックすると、Bedrockのコンソール画面が出てきます。

左サイドメニューの主要機能は以下の通りです。
| メニュー項目 | 機能概要 |
|---|---|
| モデルカタログ | 利用可能なAIモデルの一覧と詳細情報 |
| Playground | モデルをブラウザ上で手軽に試せるお試し環境 |
| エージェント | 複数ステップの処理を自動実行するAIエージェントの作成・管理 |
| ナレッジベース | 独自ドキュメントを学習させてRAGを構築する機能 |
| ガードレール | 入出力の安全フィルターを設定する機能 |
| モデルアクセス | 使用するモデルの有効化管理 |
3. 「Playground」でモデルに触れてみる
まずは「Playground」でモデルに触れてみることをお勧めします。チャット形式で気軽に動作確認できます。
では、実際に使ってみましょう。今回は「ブログ作成エージェント」を作ります。
ステップ1:Playgroundを開く
左メニューの「Playground」をクリックします。

ステップ2:モデルを選択
下図のように表示された画面から選択できます。今回はAnthropic社のClaude Sonnet 4.6 v1を選択します。

選択すると、利用するためAnththropic社へ情報を提供するフォームが出てきます(初回のみ)。情報を入力してから提供します。
提供してから、前の画面が出て、適用をクリックします。
ステップ3:プロンプトを入力
テキストボックスに「技術ブログのタイトルと概要を作成してください。テーマは『AIの未来』です」と入力します。

ステップ4:実行ボタンをポチ
「実行」をクリックすると、数秒でAIが素敵なブログネタを作成。「えっ、これで完成?」って感動しちゃいます。

この流れなら、プログラミング知識ゼロでも大丈夫。
また、別のモデルを選択し、同じ入力内容で各モデルの結果を比較することも可能です。

ここまで、「Playground」でモデルに触れてみました。
4. ブログ作成エージェントを作ってみよう
エージェントとは?
「エージェント」とは、AIが複数のステップを自律的に実行できる仕組みです。
たとえば「○○についてブログを書いて」と一言伝えるだけで、エージェントが①トピックの理解→②構成の決定→③本文の生成→④見直しと修正 を自動で行ってくれます。単なるチャットとは違い、指示から完成まで任せられるのが最大の特徴です。
今回はトピックを入力するとブログ記事を生成してくれるエージェントを作成します。
Step 1. エージェントの新規作成
- 左メニューから 「エージェント」→「エージェント」 をクリック
- 右上の 「エージェントを作成」 ボタンをクリック
- 以下を入力して 「作成」 をクリック
| 項目 | 入力値 |
|---|---|
| エージェント名 | blog-writer-agent |
| 説明(任意) | ブログ記事を自動生成するエージェント |
Step 2. エージェントの基本設定
作成が完了したら、blog-writer-agent エージェントの詳細設定画面が開きます。
次に、以下の項目を設定していきましょう。
モデルの選択
「モデルを選択」の欄で以下を選びます。
| 項目 | 設定値 |
|---|---|
| プロバイダー | Anthropic |
| モデル | Claude 3.5 Sonnet v1 |
エージェントへの指示(インストラクション)
エージェントへの指示は、エージェントの「性格」や「役割」を決める最も重要な設定です。以下のプロンプトをそのままコピーして貼り付けてください。
##役割
あなたはプロのブログライターです。
##機能
ユーザーが入力したトピックに基づいて、読者にとってわかりやすく、
役立つブログ記事を日本語で作成してください。
##出力
記事は以下の構成に従ってください:
1. タイトル
2. 導入文(読者の関心を引く書き出し)
3. 本文(3〜5セクション、見出しつき)
4. まとめ
文体は丁寧でありながら親しみやすいトーンを心がけてください。
専門用語は使う場合には必ず説明を加えてください。
設定が完了したら、画面上部の 「保存」 をクリックします。
Step 3. エージェントバージョンの準備とテスト
設定を保存したら、右上の 「準備」 ボタンをクリックします。これでエージェントが動作可能な状態になります。
準備完了後、画面右側にテストチャット欄が表示されます。以下のメッセージを入力して動作を確認してみましょう。
Amazon Bedrockの活用方法について、初心者向けのブログ記事を書いてください。
うまく記事が生成されたでしょうか?インストラクションの文言を変えることで、文体・構成・長さなどを自由にカスタマイズできます。ぜひ試してみてください。
終了したら、右上の 「保存して終了」 ボタンをクリックします
Step 4. エージェントのエイリアス作成(本番利用に向けて)
実際のアプリケーションからエージェントを呼び出すには、エイリアスを作成する必要があります。
- エージェント詳細画面の右上のエイリアスを作成 をクリック

2. エイリアス名を production などと入力して作成
作成されたエイリアスに表示される エージェントID と エイリアスID は、APIから呼び出す際に必要になります。メモしておきましょう。
5. Guardrails(ガードレール)を設定しよう
Guardrails(ガードレール)とは?
Guardrails(ガードレール)は、AIの入出力に「安全フィルター」を設定する機能です。
たとえば、ユーザーが有害なコンテンツを要求したときにブロックしたり、個人情報が出力に含まれないようにしたりできます。企業向けアプリケーションで生成AIを使う際には、ほぼ必須の設定と考えてよいでしょう。
Step 1. ガードレールの新規作成
- 左メニューから 「ガードレール」 をクリック
- 「ガードレールを作成」 をクリック
- 以下を入力して 「次へ」 をクリック
| 項目 | 入力値 |
|---|---|
| 名前 | blog-agent-guardrail |
| 説明(任意) | ブログ作成エージェント用の安全フィルター |
Step 2. コンテンツフィルターの設定
「コンテンツフィルター」では、有害なコンテンツのカテゴリごとにブロックの強度を設定できます。設定後 「次へ」 をクリックします。

Step 3. 拒否トピックの追加
「拒否トピック」を設定すると、特定のテーマについての質問・生成を禁止できます。たとえばブログ作成エージェントに「株価予測」や「医療診断」を書かせたくない場合に有効です。
「拒否されたトピックを追加」 をクリックし、以下を入力します。
| 項目 | 入力値 |
|---|---|
| 名前 | financial-advice |
| 定義 | 株式・仮想通貨・投資に関する具体的なアドバイスや予測 |
| サンプルフレーズ | 「この株は買いですか?」「仮想通貨の将来性は?」 |
入力が完了したら、「Confirm」 をクリックします。
同様に必要なトピックを追加し、「次へ」 をクリックします。
Step 4. ワードフィルターを追加
このフィルターでユーザー入力に含まれる特定の単語やフレーズをブロックし、応答をモデル化します。今回追加設定せずに、「次へ」 をクリックします。

Step 5. 機密情報のマスキング設定
「機密情報の保護」機能を使うと、個人情報(メールアドレス・電話番号・クレジットカード番号など)が出力に含まれた場合に自動でマスキングできます。
今回は以下を有効にします。
| 情報タイプ | アクション |
|---|---|
| EMAIL(メールアドレス) | マスク |
| PHONE(電話番号) | マスク |
| CREDIT_DEBIT_CARD_NUMBER(クレジットカード/デビットカード番号) | ブロック |
設定後 「次へ」 をクリックします。
Step 6. コンテキストグラウンディングチェックを追加
このポリシーを使用し、モデルの応答が参照ソースに基づいており、ユーザーのクエリに関連しているかどうかを検証して、モデルのハルシネーションをフィルタリングします。設定後 「次へ」→「ガードレールを作成」 をクリックします。

Step 7. ガードレールをエージェントにアタッチ
作成したガードレールをエージェントに紐づけます。
-
左メニュー 「エージェント」 から先ほど作成した
blog-writer-agentを開く -
「エージェントビルダーで編集」 をクリック
-
「ガードレールの詳細」のセッションで「編集」をクリック
Step 8. ガードレールの動作確認
ガードレールをアタッチしたらテストチャットでガードレールが正しく機能するか確認しましょう。
以下の文章をテストチャットに入力してみてください。
この仮想通貨は今後値上がりしますか?投資すべきか教えてください。
先ほど設定した拒否トピックに該当するため、エージェントが回答せずにブロックされれば設定は成功です。
まとめ
今回のハンズオンで行ったことを振り返ります。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 前提条件の確認 | AWSアカウント・IAM権限 |
| Playground機能確認 | 「Playground」でモデルに触れてみる |
| エージェント作成 | インストラクション設定・テスト・エイリアス作成 |
| ガードレール設定 | コンテンツフィルター・拒否トピック・機密情報マスキング |
| ガードレールのアタッチ | エージェントとGuardrailを紐づけて安全性を担保 |
エージェントのインストラクションを変えるだけで、ブログ作成以外にも「サポート回答エージェント」「社内FAQ回答エージェント」など、さまざまな用途に応用できます。今回の手順を土台に、ぜひご自身の業務に合ったエージェントを試作してみてください。
🔗 Amazon Bedrock 公式ドキュメント
🔗 Bedrock Agents 開発者ガイド
🔗 Guardrails for Amazon Bedrock
本記事の操作手順はAWSコンソール 2026年3月時点の画面をもとに作成しています。UIは予告なく変更される場合があります。















