はじめに
あなたの「AI活用」、こうなっていませんか?
「GitHub Copilotでコード補完してるよ!」
「ChatGPTに設計相談してるよ!」
そんな使い方をしている方、多いのではないでしょうか。
でも、
個々の作業は速くなったのに、プロジェクト全体の生産性はそこまで変わっていない、と。
😩 よくある現実
これは「AI支援型開発」と呼ばれるアプローチで、既存のプロセスにAIをツールとして後付けしているだけの状態です。
AI-DLCは、この根本的な問題を解決するために生まれました。
後半では AWS Certified Generative AI Developer - Professional の試験ガイドをもとに問題集をあらかじめ 170問作成しておき(このやり方教えてもらったのですが、変な日本語にならなくストレスなく進めることができるので凄くいいです!)、各コンテンツ分野の出題数に応じてランダムに85問出題するアプリを作成させてみました。
AI-DLCとは?
AI-DLC(AI-Driven Development Lifecycle) は、AWSが提唱する「AIを開発プロセスの中心に据えた」新しいソフトウェア開発方法論です。
従来の「人間が指示→AIが実行」ではなく、「AIが提案→人間が承認」 という関係性の逆転が最大の特徴です。
スプリント(数週間)がボルト(数時間〜数日)に短縮され、開発速度が劇的に向上します。
核心:「会話の逆転」
従来の開発とAI-DLCの最大の違いは、人間とAIの役割が逆転することです。
| 従来の開発 | AI-DLC | |
|---|---|---|
| 主導権 | 人間がAIに指示 | AIが提案し、人間が承認 |
| 人間の役割 | 作業者 | 意思決定者・監督者 |
| AIの役割 | ツール・アシスタント | チームメイト・実行者 |
| イテレーション | スプリント(1〜4週間) | ボルト(数時間〜数日) |
| 設計手法 | チームの選択に委ねる | DDD・TDDをAIが自動適用 |
AI-DLCの3フェーズ
AI-DLCは
Inception(開始)→ Construction(構築)→ Operation(運用)
の3フェーズで構成されます。
Phase 1: Inception(開始)
「何を」「なぜ」作るかを決める
このフェーズでは モブ エラボレーション(Mob Elaboration) というイベントが発生します。
チーム全員が1つの画面を共有し、AIと対話しながら要件を固めていきます。
Phase 2: Construction(構築)
AIが実装、人間が監督
モブ・コンストラクション (Mob Construction) で、AIが設計・実装・テストを主導し、人間がレビュー・承認します。
Phase 3: Operation(運用)
継続的な改善
デプロイ後のモニタリングとフィードバック収集もAIが支援し、次のボルトへつなげます。
AI-DLC独自の用語
| AI-DLC用語 | スクラム対応 | 説明 |
|---|---|---|
| インテント(Intent) | プロダクトビジョン | プロジェクトの目的・ゴール |
| ユニット(Unit) | エピック | AIが分割した作業単位 |
| ボルト(Bolt) | スプリント | 数時間〜数日の超短期イテレーション |
| モブエラボレーション | スプリントプランニング | チーム全員でAIと対話しながら要件を固める |
| モブコンストラクション | スプリント実行 | AIが実装し、チームが監督する |
なぜAI-DLCが必要なのか?
これには従来手法の限界があります。
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Step 1: ワークフロールールのセットアップ
AI-DLCのワークフローは、GitHubでOSSとして公開されています。
# リポジトリからリリースをダウンロード
# https://github.com/awslabs/aidlc-workflows/releases から最新版のzipを取得
# 解凍後、以下のフォルダが含まれます:
# aidlc-rules/
# ├── aws-aidlc-rules/ ← コアワークフロールール
# └── aws-aidlc-rule-details/ ← 詳細ルール
基本的には、GitHubリポジトリ内にREADMEがあるので、各AIエージェントに応じた設定をし手順通り進めてください。
Step 2: AI-DLCを起動する
チャットで以下のように入力するだけでワークフローが開始されます:
Using AI-DLC, ToDoアプリを作りたい。
ユーザーがタスクを追加・完了・削除でき、期限でフィルタリングできるWebアプリケーション。
Step 3: AIの質問に答えていく(Inceptionフェーズ)
AIが以下のような質問を返してきます:
AI-DLC Inception Phase - Requirements Analysis
以下の点を確認させてください:
1. 対象ユーザーは個人利用ですか?チーム利用ですか?
2. 認証機能は必要ですか?
3. 技術スタックの希望はありますか?
(例: React + Node.js, Next.js, etc.)
4. データの永続化方法は?(ローカル / クラウドDB)
5. モバイル対応は必要ですか?
回答をお願いします。各項目を承認後、
ユーザーストーリーと作業ユニットを生成します。
人間は承認者として回答するだけです。AIが具体的な要件、ユーザーストーリー、作業計画を生成してくれます。
Step 4: 生成された計画を承認する
AIが以下のような成果物を aidlc-docs/ に生成します:
# requirements.md(AIが生成)
## ユーザーストーリー
- US-001: ユーザーとして、タスクを追加したい
- 受入基準: タイトルと期限を入力し保存できること
- US-002: ユーザーとして、タスクを完了にしたい
- 受入基準: チェックで完了状態に遷移すること
...
## ユニット分割
- Unit 1: 基盤セットアップ(プロジェクト初期化、DB設計)
- Unit 2: タスクCRUD機能
- Unit 3: フィルタリング・ソート機能
- Unit 4: UI/UXの仕上げ
内容を確認し、問題なければ「承認」と伝えます。修正が必要なら具体的にフィードバックします。
Step 5: Constructionフェーズへ
承認後、AIが自動でドメインモデル設計 → コード生成 → テスト作成を進めます。各ステップで人間の承認を求めてくるので、内容を確認して進めていきます。
動かしてみよう
みんな大好き ClaudeCode を使います。
github のREADMEを参考に、.aidc-rule-details と .claude/CLAUDE.mdを配置しておきましょう。

今回は、AWS Certified Generative AI Developer - Professional の試験ガイドをもとに問題集をあらかじめ 170 問作成しておきました。(このやり方教えてもらったのですが、変な日本語にならないので凄くいいです!)
これをもとに各コンテンツ分野の出題数に応じてランダムに85問出題するアプリを作成してみようと思います。

aidlc-docs/inception/requirements/requirement-verification-questions.mdのAIからの質問内容に回答していき、回答が完了したら「完了」と入力します。


ここで人間がレビューをします。一旦今回は AI-DLC の動作を確認したいだけで、そのまま進めますので、**要件定義 → 設計 → 計画 → 実装 → ビルド → テストいずれも「承認」と入力していきます。




さあ、どう出来上がるでしょうか。ちなみにモデルは、Claude Sonet 4.6 で作成しており、PoC用なのでローカル開発のみとなります。

npm run dev で開発サーバーを起動し、http://localhost:5173/ へアクセスします。



なんか、見たことある、Udemy じゃん笑
流石にパブリックで公開はできない。2時間もあれば全て完了するので、興味のある方はぜひ試してみていただければと。
AI-DLCで変わる開発者の役割
AI-DLCの時代には、コードを書く速度よりも
「何を作るべきか判断する力」
「AIの提案を正しく評価する力」
が重要になります。
まとめ:AI-DLCの全体像
参考リソース
おわりに
AI-DLCは「AIを使う」のではなく「AIと一緒に開発する」ための方法論です。
これまでのアジャイルやスクラムが「人間同士のコラボレーション」を最適化してきたように、AI-DLCは「人間とAIのコラボレーション」を最適化します。
まずは小さなプロジェクトで試してみるといいかもしれませんね。
