Create agent customizations from chat
VS Code 1.110 の新機能「Create agent customizations from chat」は、会話の中で生まれた知恵をそのままプロンプト・スキル・エージェント・フックに変換する。
何ができるか?
これまで VS Code のエージェントカスタマイズ — プロンプトファイル、スキル、カスタムエージェント、フック を作るには、所定のディレクトリ構造を理解し、YAML フロントマター付きの Markdown を手書きする必要がありました。
v1.110 では、チャットの会話からスラッシュコマンドを実行するだけで生成できるようになりました。たとえばデバッグの長いセッションのあと「今の手順をスキルにして」と頼むだけで、再利用可能なカスタマイズが完成します。
ワークフロー全体像
生成できる 4 つのカスタマイズ
| 種類 | コマンド | 生成ファイル | 用途 | 具体例 |
|---|---|---|---|---|
| Prompt | /create-prompt |
.prompt.md |
単発の定型タスク | PR レビュー準備 |
| Skill | /create-skill |
SKILL.md |
複数ステップの再利用可能なワークフロー | 統合テスト実行・デバッグ |
| Agent | /create-agent |
.agent.md |
専門的なペルソナ + ツール制御 | セキュリティレビュー担当 |
| Hook | /create-hook |
.hook.json |
ライフサイクルイベントの自動実行 | コミット前の品質チェック |
はじめかた
- VS Code を v1.110 以上にアップデート(または Insiders ビルドをインストール)
- GitHub Copilot 拡張機能を有効化(有効なサブスクリプションが必要)
-
Chat ビューを開いて
/を入力(create-skill, create-prompt, create-agent, create-hook が表示される) - 自然言語で説明するだけ(Copilot が質問しながら最適なファイルを生成)
実際に使ってみよう
1. スキルをゼロから生成する
チャットでスラッシュコマンドを入力し、欲しいスキルを自然言語で説明するだけ。Copilot が質問しながら最適な SKILL.md を生成してくれます。
/create-skill 統合テストの実行とデバッグを自動化するスキルを作って。
- Jest と Playwright を使う
- 失敗時はスクリーンショットを取得
- カバレッジ 80% 未満で警告
2. 会話からスキルを抽出する
長いデバッグセッションや実装作業のあと、その会話で得た知識を再利用可能なスキルに変換できます。
/create-skill 今回のメモリリーク調査の手順をスキルにまとめて。
次回同じ問題が起きたらすぐ使えるようにしたい。
3. カスタムエージェントを生成する
特定の役割を持つ専用エージェントを会話から作成。ツール制限やサブエージェントへのハンドオフも定義できます。
/create-agent セキュリティレビュー専門のエージェントを作って。
- search と edit ツールだけ使える
- OWASP Top 10 の基準でチェック
- 問題発見時は severity を付けてレポート
4. フックで自動ガードレールを設置する
フックはエージェントが「必ず」実行するコマンド。モデルの気分に左右されない、確定的な品質チェックやセキュリティポリシーの強制に使えます。
/create-hook ツール呼び出し前に、本番環境への変更がないか
チェックするフックを作って。bash と edit が対象。
カスタマイズの構成モデル
各プリミティブは独立しつつ、レイヤーとして重ね合わせて使える composable(合成可能) な設計です。
選び方のフローチャート:
- すべてのリクエストに常時適用したいルール? → Instructions
- 手動で呼び出す定型タスク? → Prompt File
- ツール制限やマルチステップのハンドオフが必要? → Custom Agent
- スクリプトやテンプレートを含む再利用可能な手順書? → Skill
- 外部システムのライブデータが必要? → MCP Server を追加
- モデルが無視できない確定的なポリシー強制? → Hook を追加
一例
-
デバッグ手順の資産化
難しいバグを解決した手順を即座にスキル化することで、チーム全員が同じ品質でデバッグできるようになる。 -
セキュリティポリシーの強制
コミット前のチェック、本番環境保護などをフックで確定的に実行することで、人為ミスを排除する。 -
オンボーディング自動化
プロジェクト固有のセットアップ手順をエージェントにすることで、生産的を向上する。 -
コードレビューの標準化
レビュー基準をプロンプトファイルにまとめ、チーム全体で一貫した品質のレビューを実現する
生成されるファイルの例
/create-skill で生成される SKILL.md のイメージ:
---
name: integration-testing
description: >
統合テストの実行、デバッグ、カバレッジ確認を
自動化するスキル。Jest + Playwright 対応。
user-invocable: true
disable-model-invocation: false
argument-hint: "[テストファイル] [オプション]"
---
# 統合テスト実行・デバッグ
## 手順
1. テスト対象のファイルまたはディレクトリを特定する
2. `npx jest --config jest.integration.config.ts` を実行
3. 失敗したテストがあれば:
- エラーメッセージとスタックトレースを分析
- Playwright の場合はスクリーンショットを確認
- [debug-script](./debug-helpers.sh) を参照
4. カバレッジが 80% 未満の場合は警告を出す
## 参考ファイル
- [テストテンプレート](./test-template.ts)
- [デバッグスクリプト](./debug-helpers.sh)
